2011年11月09日更新 パキスタンでデング熱の流行が続いています。

デング熱は、発熱、頭痛、眼の奥の痛み、関節痛、筋肉痛、発疹、吐き気、嘔吐、出血症状などを伴って発症し、蚊によってうつる感染症で、熱帯・亜熱帯地方に見られます。通常は軽症で経過しますが、中には出血しやすくなる傾向が見られたり、血圧が下がる場合があったりし、この場合放置すると死亡する例もあります。

パキスタンは、デング熱の流行に直面しており、ラホールで16,580人の確定症例(うち257人死亡)、国内の他の地域でも5,000症例(うち60人死亡)近くが発生しています。

全て証拠が確認されたわけではありませんが、デング熱の症例が例年の感染時期より2ヶ月も早い8月から報告され始めた理由とするのに、例年より早い雨季とより温暖な気候によって、今年はシマカの数が多い状態でスタートしたことによると昆虫学者は考えています。

臨床医は、過去5年間に比べて多くのデング熱患者が入院し、多くの患者が重症のデング出血熱によって死亡している理由を、ラホールの住民の間で、新たな血清型を持つウイルスが発生しているではないかと考えています。

WHOパキスタンは、デング熱の症例が見られる3つの州:パンジャーブ州、シンド州、カイバル・バクトゥンクワ州で、技術的援助、標準的ガイドライン、計画の構築と実施を3州で実施するなど支援を続けています。具体的には、デング熱の予防と制御のためのベクターコントロール、患者管理、住民への注意喚起です。 

蚊に刺されないための対策

虫除け対策をしよう

デング熱をうつす蚊は、通常、夕暮れ時や朝方に活発に活動します。しかし、曇りの日や、室内、日陰になっている場所などでは日中でも刺される可能性があります。
可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているかエアコンが備わった、また、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。ホテルの網戸設備が十分でないようならば蚊帳(かや)をご使用ください。蚊取り線香も有効です。

  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物では、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書にかかれた使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合、虫よけ剤を使用する前に日焼け止めをつけてください。
  • 子どもとくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

海外で熱が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。デング熱が流行している地域には、マラリアなど蚊でうつる他の危険な病気も流行している場所もあり、しっかりと区別して治療を受ける必要があります。

デング熱の流行地域からのご帰国の際に、熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にお申し出ください。検疫所ではデング熱やマラリアの検査を行うことができます。簡易検査、精密検査がありますが、必要に応じて行う精密検査は結果が判明するまでに時間がかかります。結果は後ほどご連絡します。帰宅後に発症、もしくはいまの症状が軽快しない場合は、お近くの医療機関または検疫所までただちにご連絡ください。

デング熱やマラリアは隔離の対象疾患ではありませんので、検査結果が陽性でもすぐに入国できます。

万一デング熱やマラリアにかかっている場合、直接他の人にうつることはありませんが、日本国内でも発熱が続いている期間に蚊に刺されると、その蚊が他の人にうつす危険があります。症状がある間はくれぐれも蚊に刺されないようご注意ください。

感染症情報デング熱

出典WHO(原文[英語]、P06参照)