2012年06月07日更新 エクアドルでデング熱の患者数が増加しています。

デング熱は、発熱、頭痛、眼の奥の痛み、関節痛、筋肉痛、発疹、吐き気、嘔吐、出血症状などがみられる、蚊によってうつる感染症で、熱帯・亜熱帯地方にみられます。通常は軽症で経過しますが、中には出血しやすくなる傾向がみられたり、血圧が下がる場合があったりし、この場合放置すると死亡する例もあります。

5月28日に公表されたエクアドル公衆衛生省の疫学情報によりますと、雨季で、国内70%の地域がデング熱を媒介するネッタイシマカの繁殖に適した状態になっており、20週の時点で累計8,399例のデング熱患者が報告されています。昨年の同時期は2,255例でしたので、昨年に比べ患者数が増加しています。また、デング出血熱の患者は140例が報告されています。死亡例も17例の報告がありました。

デング熱の症状は、インフルエンザなどの他の感染症と似ています。
頭痛、目の奥の痛み、発熱、発疹、鼻血などの症状があらわれたら、すぐに医師の診察を受けましょう。
現地へ渡航される方は今後の流行情報に注意するとともに、以下のような対策をとることをお勧めします。

蚊に刺されないための対策

虫除け対策をしよう

デング熱をうつす蚊は、通常、夕暮れ時や朝方に活発に活動します。しかし、曇りの日や、室内、日陰になっている場所などでは、日中でも刺される可能性があります。

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているかエアコンが備わった、また、蚊をしっかりと駆除している宿泊施設に滞在してください。ホテルの網戸設備が十分でないようならば蚊帳(かや)をご使用ください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 屋外にでかける場合や網戸がない建物では、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書にかかれた使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合、虫よけ剤を使用する前に日焼け止めをつけてください。
  • 子どもの虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおうなどの対策をとってください。

心配な場合には早めの受診を

海外で熱が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。デング熱が流行している地域には、マラリアなど蚊でうつる他の危険な病気も流行している場所もあり、しっかりと区別して治療を受ける必要があります。

デング熱の流行地域からのご帰国の際に、熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。検疫所ではデング熱やマラリアの検査を行うことができます。簡易検査、精密検査がありますが、必要に応じて行う精密検査は結果が判明するまでに時間がかかります。結果は後ほどご連絡します。帰国後に発症、またはいまの症状が良くならない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

デング熱は、患者から他の人に直接うつることはありませんが、日本国内でも発熱が続いている期間に蚊に刺されると、その蚊が他の人にうつす危険があります。症状がある間はくれぐれも蚊に刺されないようご注意ください。

感染症情報:デング熱

参考

エクアドル公衆衛生省デング熱の疫学情報第19号5月23日現在 (2012年5月28日)

http://www.msp.gob.ec/index.php/boletines-de-prensa/1203-boletin-epidemiologico-de-dengue-no-19-23-de-mayo-de-2012