2012年07月17日更新 米国のバベシア症について

 バベシア症は、寄生虫による病気ですが、予防と治療ができます。米国では、バベシア原虫は、主に、感染したダニに咬まれることで感染しますが、輸血で感染する可能性もあります。症状がないこともありますが、発熱や、インフルエンザのような症状、溶血性貧血などがみられます。特に、脾臓のない方や高齢者、からだの抵抗力が落ちている方が感染すると、重症になり命にかかわることもあります。

 米国では、ダニから感染するバベシア症患者は、主に北東部と中西部で発生し、例年、春から夏にかけて患者の発生がピークとなります。

 米国では、2011年から、バベシア症のサーベイランスが18州と1都市で始まりました。2012年7月13日に公表された米国の疾病予防管理センター(CDC)の週報(MMWR)によりますと、2011年には合計1,124人の患者が報告されました。半数以上(57%)が60歳以上で、ほとんどの患者(97%)が7州(ニューヨーク州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ウィスコンシン州、コネチカット州、ロードアイランド州、ミネソタ州)から報告されました。多くの患者が発症したのは、6月から8月の3か月間でした。

ダニに咬まれないように注意しましょう。

ダニに対する虫除け対策の基本

  • ダニは主に草地や森林にいます。ダニの多い草原地帯にはなるべく行かないようにしましょう。また、このような場所で、長時間座ったり、寝たりしないでください。
  • 袖口が狭くて、色の薄い長袖の服を着てください。ダニが付くことや咬まれることを予防できるだけではなく、付いたダニを見つけやすくなります。
  • 露出した皮膚と服にDEET(ディート)などの虫よけ剤を使ってください。ダニの付きやすい場所は、頭皮、腰部、わきの下、腹部と足指などの部位です。
  • ダニに咬まれていることを発見したら、ダニの体内や傷ついた皮膚からでる液体に病原体がいる可能性があるので、手で直接ダニを取ったり、つぶしたりしないでください。皮膚科などで、マダニの頭部が残らないように除去してもらいましょう。
  • ダニは家畜やペットの体に寄生します。動物の体にダニがいることを発見したら、ダニに咬まれないように、その動物との接触を避けるようにしてください。
  • ダニに咬まれたことのある方、野外活動をしたことのある方で、症状が出た場合には、直ちに医療機関を受診してください。
  • 現地で医療機関へ行く場合には、なるべく他の患者や入院病棟、血液の付いている可能性のある廃棄物などには近づかないようにしてください

 海外滞在中や帰国後に、ダニに咬まれるなど、感染が疑われるような気がかりな症状がみられた場合、すぐに医療機関を受診し、渡航した地域と環境について医師に伝えてください。また、ご帰国の際に熱や心配な症状がある方は検疫所の担当者にご相談ください。

出典

CDC MMWR  July 13, 2012 / 61(27);505-509
Babesiosis Surveillance — 18 States, 2011
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm6127a2.htm?s_cid=mm6127a2_e