2012年08月28日更新 アフリカのコレラの流行状況について(更新5)

コレラは、コレラ菌によって、下痢や嘔吐が生じる病気です。軽くすむことも多いですが、重い下痢が起こることがあり、大量の水分が失われ、脱水によって死亡することもあります。

2012年8月22日に公表されたWHOアフリカ地域事務所の情報によりますと、アフリカでは、今年の1月1日から8月22日までに、21か国で55,185人のコレラ患者が発生しており、このうち1,187人が死亡しています(致死率は2.2%)。コンゴ民主共和国、シエラレオネ、ウガンダ、ガーナ、ニジェール、ギニアで患者発生が多く、この6か国でアフリカ全体の患者数の92%(50,866人)と死亡者数の88%(1,040人)を占めています。

<コレラが流行している主要6か国の患者数と死亡者数>

国名 患者数 死亡者数 致死率(%)
コンゴ民主共和国 21,538 502 2.3
シエラレオネ 12,456 224 1.8
ウガンダ 5,279 118 2.2
ガーナ 4,787 34 0.7
ニジェール 3,422 71 2.1
ギニア 3,384 91 2.7
合計 50,866 1,040 2.0

WHOと関係機関はサーベイランス、患者管理、感染予防、物資調達、地域での注意喚起といった他分野の調整、国境を越えた協力、資源の動員などの分野で、流行している国に指針の提供や技術的な支援を行っています。コレラが流行している地域の調査と対応を支援するために多分野の専門家が派遣されました。

アフリカに渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、以下の対策をとってください。

  • 飲料水や歯みがき、うがいの水にはミネラルウォーターを使うか、十分に沸騰させた水を使うこと。氷は生水から作られている可能性があるので食べないこと。
  • 食事は加熱されたものを、冷めないうちに食べること。
  • 食事の前、トイレの後には石けんと水で十分に手洗いすること。
  • 下痢になった場合、以下の作り方で作った水を十分にとり、できるだけ早く医療機関で診療を受けること。

図.吸収のよい水の作り方

感染症情報

出典

WHO AFRO Cholera:situation in the WHO African Region,22 August 2012
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/3669-cholera-situation-in-the-who-african-region-22-august-2012.html

参考

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