2012年09月13日更新 米国で発生しているハンタウイルス肺症候群について(更新2)

 ハンタウイルス肺症候群は、ハンタウイルスによって起こる病気で、げっ歯類の糞や尿が混ざったほこりを吸い込むことで感染する病気です。感染してから1~6週間後に、初期の症状として、発熱、筋肉痛、だるさが現れます。また、頭痛、めまい、寒気、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛がみられることもあります。初期の症状が現れてから4~10日後に呼吸困難が起こり、死亡することもあります。

 2012年9月12日に公表されたWHOの情報によりますと、2012年9月7日時点で、米国国立公園管理局は2012年6月以降、カリフォルニア州のヨセミテ国立公園に滞在した人の間で、ハンタウイルス肺症候群(HPS)の患者8人を報告しています。このうち、3人が死亡し、5人は回復しています。

 公園当局は、2012年6月10日から8月24日の間にヨセミテ公園を訪れ、カリー(Curry)村の宿泊施設または、ハイシエラキャンプ(High Sierra Camps)に一晩滞在した人々で、HPSのいずれかの症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう、助言を始めています。

 米国では、ハンタウイルス肺症候群のヒトからヒトへの感染は報告されていません。

 調査によると、患者の8人中7人がカリー村の宿泊施設に関連があり、その中の1人が7月にハイシエラキャンプの数箇所に滞在したことがわかりました。ハイシエラキャンプはカリー村とは別の場所です。

 ハンタウイルス肺症候群感染症を治療する特定の治療法はありません。感染者の早期発見と治療によって、病気の進行を軽減することができます。初期症状に、だるさ、発熱、寒気、筋肉痛があります。患者の50%は頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、腹痛を経験します。病態は急速に進行し(初期症状から4日~10日後)、咳、息切れ、重度の呼吸困難を伴います。

 HPSの早い段階で受診することによって、生存の可能性が大幅に高くなります。そのため、ヨセミテ国立公園を最近訪問した人で、上記のいずれかの症状がみられた場合、すぐに病院で診察を受け、ハンタウイルスへの感染の可能性について、助言を受けることが推奨されています。

 公園当局は、新たな患者の発見やハンタウイルスとHPSについて公衆衛生意識を高めるために、疾病管理予防センター(CDC)やカリフォルニア州公衆衛生局、他の州の保健局とともに対応を継続しています。

 感染を予防するためには、げっ歯類との接触がないように環境を整える必要があります。げっ歯類に触らないようにするほか、屋内でげっ歯類がいるような場所は避け、ほこりを舞い上げないように注意する必要があります。

 今年の6月以降、ヨセミテ国立公園に滞在された方で、体調を崩された方や、健康面でご心配のある方は、お近くの保健所または医療機関にご相談ください。また、その際に、宿泊先や活動内容について詳しくお伝えください。また、帰国時に、体調がすぐれない方は、検疫所の担当官にご相談ください。

 なお、米国国立公園管理局は感染する可能性があった滞在場所と期間に滞在した方々に対して、国内外を問わず、個別に連絡を取っています。

・感染症情報:ハンタウイルス肺症候群

出典

WHO(GAR):Hantavirus pulmonary syndrome – Yosemite National Park, United States of America – update
http://www.who.int/csr/don/2012_09_12/en/index.html

参考

FORTH 新着情報

米国で発生しているハンタウイルス肺症候群について(更新1)
http://www.forth.go.jp/topics/2012/09041602.html

米国で発生しているハンタウイルス肺症候群について
http://www.forth.go.jp/topics/2012/08291012.html