2012年10月29日更新 コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています(更新9)

コンゴ民主共和国の東部でエボラ出血熱が発生しています。

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって起こる病気で、死に至ることが多い病気です。ウイルスに感染した人の血液や体液からうつるほか、ウイルスに汚染されたものやウイルスに感染した動物に触れることでうつります。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状が出た後、下痢や嘔吐、胃の痛みなどの症状が起こります。皮膚の発疹、目の充血、からだのさまざまな部位からの出血が起こることもあります。ワクチンや特別な治療方法はありません。

2012年10月26日に公表されたWHOの情報によりますと、コンゴ民主共和国では、10月24日時点で、エボラ出血熱の患者52人(確定患者は35人、可能性の高い患者は17人)が報告されています。このうち、25人(確定患者は12人、可能性の高い患者は13人)が死亡しています。

患者は、オリエンタル(Orientale)州のオー・ウエレ(Haut Uélé)のイシロ(Isiro)とビアダーナ(Viadana)の2地域で報告されています。

保健省は、感染拡大を抑えるために、地域の保健当局や国際的な関係機関と連携して、積極的なサーベイランス、確定患者や可能性の高い患者の接触者調査、医療機関での感染予防・制御、医療機関での患者管理、物資調達、社会的動員、社会心理学的な支援の提供、人類学的な分析の実施を継続しています。

イシロの近隣地域ではサーベイランスが強化されています。イシロでは、医療従事者に対して、医療機関での基本的な感染予防法の訓練が行われています。また、GOARN(Global Outbreak Alert and Response Network)を通じて、カナダ公衆衛生庁が現地に検査施設を設立しました。

エボラウイルスに対する感染予防に関する情報提供や、地域住民の懸念を話し合うために、学校や教会で、社会的動員が実施されています。

コンゴ民主共和国に渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

出典

WHO:Ebola outbreak in Democratic Republic of Congo– update
http://www.who.int/csr/don/2012_10_26/en/index.html

参考

<FORTH 最新ニュース>

エボラ出血熱について(ファクトシート)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/08221034.html

<FORTH 新着情報>

コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています(更新8)https://www.forth.go.jp/topics/2012/10101051.html