2012年11月15日更新 中南米でのデング熱の流行状況について

 デング熱は、発熱、頭痛、眼の奥の痛み、関節痛、筋肉痛、発疹、吐き気、嘔吐、出血症状などがみられる、蚊によってうつる感染症で、熱帯・亜熱帯地方にみられます。通常は軽症で経過しますが、中には出血しやすくなる傾向がみられたり、血圧が下がる場合があったりし、この場合放置すると死亡することもあります。

 2012年11月13日に公表されたPAHOの情報によりますと、特に南米ではこれから雨季と気温の上昇する季節が始まることに伴って、デング熱に感染する危険が高まるとして、加盟国に対してデング熱の感染と死亡を防ぐため、対策をとるよう呼びかけています。

 アメリカ大陸では、2012年 第42疫学週までに、合計982,142人のデング熱患者が報告されています(発生率は人口10万人あたり180)。23,925人が死亡し、521人が重症例です。デング熱の4つのすべての血清型がアメリカ大陸全土で循環しています。南米の熱帯地域(ブラジル、パラグアイ、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ)では、発生率が人口10万人あたり242.54と最も高く、全アメリカ大陸のデング熱による死亡者の58.1%を占めています。

 2012年の間に、ボリビア、コロンビア、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パラグアイ、ペルー、プエルトリコ、ドミニカ共和国を含むいくつかの国や地域では、デング熱のアウトブレイクを報告しています。これらの集団感染のうちエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、パラグアイ、ペルー、プエルトリコ、ドミニカ共和国では、同時に、複数の血清型の循環がありました。このような状況は、保健サービスにさらなる負担をかけ、重症デング熱のリスクを増加させました。

 アウトブレイクの起こったほとんどの国や地域では、デング熱流行の起こる前に、豪雨による被害を受けていました。

 中南米へ渡航、滞在される方は、デング熱に感染する危険が高まっていますので、今後の情報に注意していただくとともに、以下の対策をとってください。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

 海外で熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

 また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

  医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

出典

PAHO Epidemiological Alert:Dengue 13 November 2012
http://new.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_view&gid=19302&Itemid=&lang=en