2012年11月19日更新 ウガンダでエボラ出血熱が発生しています

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって起こる病気で、死に至ることが多い病気です。ウイルスに感染した人の血液や体液からうつるほか、ウイルスに汚染されたものやウイルスに感染した動物に触れることでうつります。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状が出た後、下痢や嘔吐、胃の痛みなどの症状が起こります。皮膚の発疹、目の充血、からだのさまざまな部位からの出血が起こることもあります。ワクチンや特別な治療方法はありません。

2012年11月17日付で世界保健機関(WHO)から公表された情報によりますと、ウガンダ保健省は、ウガンダ中部のルウェロ(Luweero)でエボラ出血熱の患者が発生したことをWHOに報告しました。

4人の患者が報告されており、このうち3人が死亡しています。エンテベにあるウガンダウイルス研究所でのPCR検査と血清学的検査によって、2人の患者から採取された検体がエボラウイルス(スーダンエボラウイルス)陽性と確定診断されました。

保健省、WHO、国境なき医師団は、このアウトブレイクの初動調査を行うためのチームを派遣しました。保健当局は、積極的な患者調査や、確定患者や感染した可能性が高い患者の接触者調査を行っています。

カンパラにあるムラゴ(Mulago)病院の隔離施設は再稼働し、患者発生地ではニンバの第4保健センター(Nyimbwa Health Center IV)に別の隔離施設が建設されています。その建設されている隔離施設が適切に稼働するまで、ルウェロのボンボ陸軍病院も患者の受け入れを行います。患者の接触者の7人が発症しており、隔離施設に隔離されています。

WHOと米国疾病予防管理センター、ウガンダ赤十字社、アフリカ実地疫学ネットワーク、国境なき

医師団などの関係機関が、保健当局の対応を支援しています。更なる支援を行うため、Global Outbreak Alert and Response Network(GOARN)を通じて、実地疫学、啓発、物資調達管理、感染予防・制御の専門家が選定されています。

WHOはウガンダへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

ウガンダに渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

●感染症情報:エボラ出血熱

出典

WHO GAREbola in Uganda
http://www.who.int/csr/don/2012_11_17/en/index.html

参考

<FORTH 最新ニュース>
エボラ出血熱について(ファクトシート)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/08221034.html