2013年06月03日更新 エチオピアで黄熱の患者が発生しました

 黄熱は蚊によって感染します。感染しても症状が出ないこともありますが、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐などの症状が現れ、皮膚が黄色くなったり、出血しやすくなったりして、死亡することも多い病気です。黄熱の感染拡大を防止するためには、予防接種が最も重要な方法です。特別な治療法はなく、脱水や発熱の支持療法が行われます。また、輸血が必要になることもあります。

 5月31日付で世界保健機関(WHO)から公表された情報によりますと、エチオピア保健省は6月10日から黄熱の集団予防接種キャンペーンを緊急に実施する予定です。これは、5月7日に6人の黄熱患者が確定されたことへの対応です。

 このキャンペーンは南部諸民族州の6地域(南アリ、北アリ、南オモのジンカ市など )の52万7,000人以上を対象としています。

 黄熱ワクチンの提供に関する国際調整グループ(YF-ICG)は、GAVIアライアンスや他の関係機関の支援を受け、エチオピア保健省が行う集団予防接種キャンペーンのため、58万5,800回分以上の黄熱ワクチンを提供する予定です。WHOは、チャド保健省、黄熱ワクチンの提供に関する国際調整グループ(YF-ICG)、GAVIアライアンスによって支援されています。WHOは、アウトブレイクの調査、患者管理対応の向上、アウトブレイクを管理するための資源の動員、現地での感染拡大防止対応のモニタリングを緊密な支援を行っています。

 6人の確定患者は南部諸民族州の南オモで発生しました。患者は、国の黄熱サーベイランス計画によって発見されました。初発患者は39歳の男性で、今年1月に発熱、黄疸(皮膚や眼の白い部分が黄色くなる)、出血傾向(出血しやすくなり、血が止まりにくくなる)がみられました。この患者は、IgM検査(抗体検査)で確定されました。鑑別診断として実施された他のフラビウイルスの検査は陰性でした。

 確定診断は、WHOの黄熱の地域レファレンスセンターである、セネガルのダカールにあるパスツール研究所で行われました 。

 エチオピアへ渡航される方は、今後の流行情報に注意するとともに、以下のような対策をとることをお勧めします。

蚊に刺されないための対策

可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかり
 と駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。

 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。

 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)
 などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、
 必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け
 止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。

 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用
 できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

 海外で熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

 また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

 FORTH 感染症情報

 ● 黄熱

 ● 黄熱の予防接種(ワクチン)について

 ● 黄熱ワクチン接種機関一覧

出典

WHO  GAR  Yellow fever in Ethiopia
http://www.who.int/csr/don/2013_05_31/en/index.html