2013年06月10日更新 米国でウエストナイル熱の患者が発生しています

ウエストナイル熱はウエストナイルウイルスによる感染症です。このウイルスは蚊によってうつり、感染した人のおよそ20%に発熱、頭痛、筋肉痛などの症状を起こします。1%未満と低い割合ですが、重症の脳炎などを起こすこともあります。50歳以上の人が重症になる可能性が高いとされています。有効なワクチンはなく、流行地域では蚊に刺されないことが非常に重要です。
このウイルスは世界の広い範囲で発生がみられますが、北米だけでなく東ヨーロッパや地中海地域でも、夏から秋にかけて流行がみられるようになっています。

CDC(米国疾病予防管理センター)によりますと、6月4日時点で、3人の患者が報告されています。患者が発生した州は、カリフォルニア州、ミシシッピ州、テキサス州です。3人のうち、髄膜炎や脳炎などの神経侵襲性の患者は2人で、1人が死亡しました。また、非侵襲性の患者は1人でした。

なお、2012年の米国におけるウエストナイル熱患者の合計は5,674人で、そのうち286人(5%)が死亡しました。

蚊はウエストナイルウイルス以外にも多くの病気を人にうつします。蚊に刺されないように十分にご注意ください。また、死んだ鳥をみつけた場合、素手で処理しないようにしてください。

蚊に刺されないための対策

心配な場合には早めの受診を

海外で熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

FORTH感染症情報:

ウエストナイル熱

出典