2013年10月28日更新 ヨーロッパで麻しん患者が増加しています (更新1)

10月25日付で公表された欧州疾病予防管理センター(ECDC)の情報によりますと、ヨーロッパで麻しん患者が増加しています。

オランダでは麻しんの集団発生が続いており、10月16日時点で1,920人の患者が報告されました。先週、新たに122人の患者が発生し、このうち8人が入院しました。患者のほとんど(95%)が予防接種を受けたことがなく、多く(58%)は4歳から12歳の年齢層でした。今年5月に集団発生が始まってから、14人の医療従事者が患者として報告されました。14人のうち10人は予防接種を受けたことがなく、2人は2回の予防接種を受けており、2人は1回の予防接種を受けていました。

英国のウェールズでは、2つの学校で新たに9人の患者が報告されました。ウェールズでは、今年7月3日、スウォンジ(Swansea)を中心に年初から大規模な麻しんの集団発生が起こっていると公表されました。この集団発生の期間中に75,000人以上が予防接種を受けましたが、10歳から18歳の年齢層で未接種者が30,000人いると推計されており、その未接種者から新たな集団感染が発生し得ると懸念されています。

イタリアでは麻しんの集団発生が続いており、今年1月以降、約1,500人の患者が報告されています。ロンバルディア州で約500人の患者が報告されているほか、ピエモンテ州、エミリア・ロマーニャ州、リグーリア州、アブルッツォ州、トレンティーノ=アルト・アディジェ州の南チロルで、それぞれ100人以上の患者が報告されています。

麻しんは予防接種で予防することができる病気ですが、予防効果を確実にするためには、2回の接種が必要です。麻しんにかかったことがない方で、麻しんの予防接種を受けたことがない方や、1回しか接種していない方、または予防接種を受けたかどうかがわからない方は、渡航する前に、早めに医師の診察を受けて、予防接種について相談してください。

出典

ECDCCOMMUNICABLE DISEASE THREATS REPORT
Week 43, 20-26 October 2013
http://www.ecdc.europa.eu/en/publications/Publications/Communicable-disease-
threats-report-26-oct-2013.pdf[PDF形式:1.1MB]

参考

FORTH新着情報
ヨーロッパで麻しん患者が増加しています (2013年4月23日)
https://www.forth.go.jp/topics/2013/04231022.html