2014年02月03日更新 鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況について (更新15)

 21日付けで公表された世界保健機関(WHO)の情報によりますと、中国の国家衛生・計画出産委員会および香港特別行政区の衛生防護センター(CHP)は、129日、鳥インフルエンザAH7N9)ウイルスに感染した患者が新たに6人発生し、このうち1人が死亡したとWHOに報告しました。さらに、130日、中国の国家衛生・計画出産委員会は感染者のうち7例(うち死亡者1人含む)が鳥インフルエンザAH7N9)ウイルス感染が検査によって確定したとの報告がありました。

 129日に報告された患者の詳細は以下の通りです。

 6人の患者はすべて男性です。患者の年齢層は2歳から63歳で、福建省(1人)、広東省(1人)、香港特別行政区(1人)、浙江省(3人)から報告されました。現在、患者のうち4人の容態は重篤です。また、患者のうち4人は家きんとの接触があったか、生きた家きんのいる市場や環境に行ったことがあったと報告されました。

 中国の国家衛生・計画出産委員会から報告された患者の詳細は下記の通りです。

・浙江省温州市の37歳の男性で農業従事者。1月19日に発症しました。1月27日に病院に入院し、1月28日に別の病院へ転院しました。現在、容態は重篤です。この患者は、生きた家きんのいる市場へ行ったことがありました。
・浙江省杭州市の男性で60歳。1月23日に発症しました。1月28日に病院に入院し、現在、容態は重篤です。この患者は、生きた家きんとの接触歴がありました。
・浙江省杭州市の63歳の男性。1月24日に発症しました。1月27日に病院に入院し、現在、容態は重篤です。この患者は、生きた家きんのいる市場へ行ったことがありました。  
・福建省厦門(シアメン)市の2歳8か月の男児。1月26日に発症しました。1月28日に病院に入院し、容態は軽症です。この患者の家族は、アヒルのと殺や販売を行っていました。
・広東省広州市の17歳の男性。1月22日に発症しました。1月27日に病院に入院し、現在、容態は重篤です。 

 香港特別行政区の衛生保護センター(CHP)から報告された患者の詳細は以下の通りです。

・基礎疾患を持つ75歳の男性。1月20日から26日までの期間、単独で深セン市を旅行し、1月26日に深セン市で発症しました。1月28日に香港の病院に入院し、1月29日に死亡しました。深セン滞在中は、生きた家きんのいる市場近くに住む親戚宅に滞在していました。香港での彼の自宅における接触者5人は無症状ですが、経過観察のため病院に入院しています。死亡した男性の旅行歴、接触歴について現在調査を行っており、それと並行し、病室での同室患者4名、医療スタッフ、救急スタッフを含む接触者を対象に、さらなる調査が行われています。予備調査の結果、彼は香港の外で感染したものと考えられています。 

 1月30日に報告された患者の詳細は以下の通りです。

 7人のうち4人は男性です。患者の年齢層は56歳から78歳です。広東省(1人)、広西チワン族自治区(1人)、江蘇省(1人)、浙江省(1人)から報告されました。広西省では、確定診断をうけた最初の症例です。現在6人の容態は重篤です。7人は家きんとの接触があったか、生きた家きんのいる市場へ行ったことがありました。 

  ・浙江省寧波市の75歳の男性で農業従事者。1月21日に発症し、1月24日に病院に入院しま
  した。現在容態は重篤です。この患者は、生きた家きんのいる市場へ行ったことがありまし
  た。
  ・浙江省寧波市の76歳の男性。1月21日発症し、1月24日に病院に入院しました。現在容態
  は重篤です。生きた家きんのいる市場へ行ったことがありました。
  ・浙江省広州市の78歳の男性で農業従事者。1月25日発症し、1月27日に病院に入院しまし
  た。1月29日に別の病院に転院しました。現在容態は重篤です。生きた家きんのいる市場へ
  行ったことがありました。
  ・浙江省寧波市の64歳の男性。1月13日に発症し、1月16日に病院に入院しました。現在容
  態は重篤です。生きた家きんのいる市場へ行ったことがありました。
  ・江蘇省南京市の75歳の女性。1月18日に発症し、1月25日に病院に入院しました。現在容
  態は重篤です。生きた家きんのいる市場へ行ったことがありました。
  ・広東省江門市の67歳の女性。1月24日に発症し、1月25日に病院に入院しました。この患者
  は1月28日に死亡しました。生きた家きんとの接触がありました。
  ・広西省賀州市の56歳の女性。1月20日発症し、1月27日に病院に入院しました。現在容態
  は重篤です。生きた家きんのいる市場へ行ったことがありました。

 現時点では、人から人に感染が続いているという根拠はありません。

 中国政府は、サーベイランス及び状況分析の強化、患者管理と治療の強化、市民とのリスクコミュニケーションや情報提供の実施、国際的な協力と情報交換の強化、科学的な研究の実施を行っています。

 中国から香港に輸入された生きた家きんから鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスが検出されたと報告されており、生きた家きんからウイルスの感染が広がる可能性はありますが、現時点では、人や動物から鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスが国際的に広がっているという証拠はありません。

 これまでに鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスに感染した患者が報告された地域及びその近隣の地域では、特に、春節(旧正月)に関連して家きんの売買や輸送が増加すると予想され、これらの地域では今後も患者が散発的に発生することが予想されます。

 WHOは、鳥インフルエンザが発生している国への渡航者に対し、農場への立ち入りや、生きた家きんのいる市場での動物との接触、家きんをと殺する場所への立ち入り、家きんやその他の動物の排泄物で汚染されていると考えられる地表との接触を避けるよう助言しています。また、渡航者は石鹸と水で手をよく洗い、食品の安全と衛生習慣を遵守すべきです。

 WHOは、この事例に関して、入国時の特別なスクリーニングおよび渡航や貿易を制限することを推奨していません。

 鳥インフルエンザが懸念される地域を渡航している者や、その地域から帰国した者が重症の急性呼吸器症状を発症した場合には、常に鳥インフルエンザへの感染を考慮すべきです。

 WHOは、重症急性呼吸器感染症のサーベイランスを含むインフルエンザのサーベイランスの強化を継続するよう求めています。また、国際保健規則に基づき、人の感染例の報告を確実に行うために、通常と異なる傾向がみられた場合には慎重に検討し、国の保健に関連した事前計画の実行を継続するよう求めています。

 鳥インフルエンザA(H7N9)に関する指針と、現時点における技術的な情報は、WHOのホームページに掲載されています。
WHO Avian influenza A(H7N9) virus web site

 中国に滞在する方は、今後の情報に注意していただくとともに、手洗いや咳エチケットをこころがけてください。また、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしましょう。入国時に、発熱、咳、のどの痛みなどの症状がある場合は検疫所にご相談ください。

出典

WHO Global Alert and Response
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – update
http://www.who.int/csr/don/don_updates/en/index.html
http://www.who.int/csr/don/2014_01_31/en/index.html

参考

厚生労働省
鳥インフルエンザA(H7N9)について
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/h7n9.html

内閣官房
鳥インフルエンザA(H7N9)への対応について
http://www.cas.go.jp/jp/influenza/tori_inf/index.html

国立感染症研究所
インフルエンザA(H7N9)~新着情報~
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/3395-n7n9top.html