2015年09月16日更新 アメリカ大陸でのコレラの流行状況 (更新4)

 コレラは、コレラ菌によって、下痢や嘔吐が生じる病気です。症状が軽いこともありますが、重い下痢が起こることもあり、大量の水分が失われ、脱水から死亡することがあります。

 2015年9月9日付で汎米保健機関(PAHO)よりアメリカ大陸でのコレラに関する情報が発表されました。

アメリカ大陸でのコレラ発生状況
 2015年の初めから第32週までに、アメリカ大陸3か国(キューバ、ドミニカ共和国、ハイチ)から21,227人の患者が記録されています。ハイチだけでアメリカ大陸の総患者数の98%(20,830人)が報告されました。一方、ブラジルでは2015年第33週に連邦直轄区で、治療設備の汚水から採取された検体の中から毒素産生性コレラ菌O1型(小川型)が分離されました。この分離株は、リオ・デ・ジャネイロにあるオズワルド・クルズ財団(FIOCRUZ)の国家リファレンス研究所、腸内細菌感染症の診断研究室で確認されました。

 キューバでは、国の保健行政当局から2015年8月29日に、この数週間にオルギン州でコレラの孤発患者が確認されたことが報告されました

 ドミニカ共和国では、2010年11月の流行の始まりから2015年疫学第32週までに、死亡者490人を含む、コレラ疑似患者33,160人が記録されました。
 2015年の疫学第1週から第32週までに、死亡者12人を含む396人のコレラ疑似患者が登録されています。これは、2014年の同じ時期に記録された患者数の2倍を示しています。さらに、疫学第31週から第32週にかけて、Monseñor Nouel(モンセニョール・ノウエル)州のボナオ自治区で感染の集団発生が記録されました。ドミニカ共和国の疫学公報誌(第32週)によれば、灌漑用水路が集団感染に関係した主な感染源であると確認されました。

 ハイチでは、コレラ流行の始まり(2010年10月)から2015年8月8日までに、コレラの患者が合計745,401人に達しており、そのうち426,856人(累積の入院率57%)が入院し、8,965人が死亡しました。全国の累積患者死亡率は1.2%となっています。
 2015年1月から8月8日(第32週)までに、20,830人のコレラ患者が発生し、16,522人が入院(入院率79%)、179人が死亡(致死率0.9%)しました。毎週平均で、650人の新たな患者と6人の死亡者が発生していたことになります。2015年に疫学週数毎に記録された患者数と死亡者数は、前年の対応する週と比べて増加を示しています。

 これらの流行地へ渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、以下の対策を行ってください。

飲料水や歯みがき、うがいの水にはミネラルウォーターを使うか、十分に沸騰させた水を使うこと。氷は生水から作られている可能性があるので食べないこと。
食事は加熱されたものを、冷めないうちに食べること。
食事の前、トイレの後には石けんと水で十分に手洗いすること。
下痢になった場合、以下の作り方で作った水を十分にとり、できるだけ早く医療機関で診療を受けること。

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感染症情報 : 食べ物・水にご注意を! コレラ

出典

PAHO. Epidemiological Update. Cholera. 9 September 2015
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_view&Itemid=270&gid=31604&lang=en