2015年11月27日更新 タンザニアでコレラが流行しています(更新2)

2015年11月26日付で公表されたWHOの情報によりますと、タンザニアの健康保健省から新たなコレラの検査確定患者についてWHOに報告が行われました。感染は全国に拡がり、少なくとも150人の死亡者を含む9,871人の患者が報告されています。

11月25日までに、以下の地域が感染の影響を受けました。感染地域は、Dar es Salaam(ダルエスサラーム:4、482人)、 Tanga(タンガ:1,398人)、Singida(シンギダ:861人)、Mwanza(ムワンザ:504人)、Mara(マラ:436人)、Kigoma(キゴマ:353人)、Dodoma(ドドマ:284人)、Morogoro(モロゴロ:248人)、Arusha(アル-シャ:239人)、Pwani(プワニ:222人)、Kagera(カゲラ:128人) 、Shinyaga(シニャンガ:96人)、Lindi(リンディ:78人)、Geita(ゲイタ:48人)、Rukwa(ルクワ:28人)、Manyara (マニャラ:25 人) 、Tabora (タボラ:12人) Iringa(イリンガ:2人)、Kilimanjaro(キリマンジャロ:2人)です。

11月23日までに、Zanzibar(ザンジバル)自治政府は死亡者9人を含む患者425人の感染を報告しました。2つの島、Unguja(ウングジャ島)とPemba(ペンバ島)が感染の影響を受け、それぞれに223人と202人が報告されています。

日々に報告される患者数は減ってきています。しかし、これから迎える雨季と過去20年間で最強と予想されるエルニーニョ現象は、大規模な洪水と予想以上に大量の降雨をもたらす可能性があり、この病気の感染伝播を増強させ、国際的に拡大させる可能性があります。1997年には、同じような気象条件が史上最大のコレラ流行をもたらし、タンザニアだけで40,000人以上の患者がでました。

公衆衛生上の取り組み

健康保健省の主導によりコレラ対策委員会が、感染の流行を制御するために活動を続けています。個別の小委員会(調査活動、検査、患者管理、地域動員活動、物流、上下水道)を通じて、WHO本部やWHOアフリカ地域事務局(WHO-AFRO)、その他の加盟国の支援とともに、この国では厳格な感染制御対策が実施されています。

大規模な流行への警告と対策に取り組む支援団体であるGlobal Outbreak Alert and Response Network(GOARN)を通じて、バングラデシュにある下痢性疾患国際研究センターからの技術専門家が、活動の調整、調査活動、患者管理、飲料水を含む衛生環境の整備、健康維持の促進、地域動員活動などと、緊急支援センターの設立と運営といった数々の活動支援への援助を提供するために配備されました。

国における感染対策計画の整理は最終段階にあります。残留塩素の検査と水の塩素消毒が安全な水を利用する環境改善のために実施されています。総計で25人の上級アドバイザーが、一軒毎の戸別の地域動員活動を調整していくために訓練を受けています。感染の影響を受けた地域では、感染予防のための素因、必要性とギャップを明確にするために、速やかな評価が行われています。新しく感染の影響を受けた地域と動向を明らかにするとともに、地域において警戒要因に迅速に協調しながら対処するために、活動が続けられています。WHOと加盟国は、感染の集団発生を効果的に管理するために、この国にさらなる材を提供する活動を続けています。

WHOからのアドバイス

WHOは、現在、利用可能な情報に基づく判断として、コレラの感染が流行する如何なる国に対しても渡航や貿易の制限を勧めてはいません。

飲料水が媒介する疾患であるコレラは、コレラ菌に汚染された水を飲み、食品を食べる人々に感染し、重い下痢と脱水の症状を起こします。治療をしなければ、特に若年者と高齢者では、コレラは瞬く間にショックや死につながることがあります。

タンザニアへ渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、以下の対策を行ってください。

  • 飲料水や歯みがき、うがいの水にはミネラルウォーターを使うか、十分に沸騰させた水を使うこと。氷は生水から作られている可能性があるので食べないこと。
  • 食事は加熱されたものを、冷めないうちに食べること。
  • 食事の前、トイレの後には石けんと水で十分に手洗いすること。
  • 下痢になった場合、以下の作り方で作った水を十分にとり、できるだけ早く医療機関で診療を受けること。

図.吸収のよい水の作り方

感染症情報

出典

WHO. Disease Outbreak News. 26 November 2015
Cholera - United Republic of Tanzania
http://www.who.int/csr/don/26-november-2015-cholera-tanzania/en/