2015年12月08日更新 ジカウイルス発生状況について -パナマ

2015年12月2日付けで公表されたWHOの情報によりますと、パナマの国際保健規約(IHR)国家担当者から、PAHO/WHO(汎米保健機構)に対してジカウイルス熱患者3人が確定診断されたことが報告されました。

パナマの保健省は、11月27日、Guna Yala(グナ・ヤラ)自治区Alligandi地方Ustupu(ウストゥポ)島で発熱と発疹を伴う患者68人が報告されました。このうち、43人から検体が採取され、30人の患者には症状があり、その検体がゴーガス記念研究所の医学研究施設に検査のために送られました。全ての検体がPAHO/WHOによって提示されたアルゴリズムにしたがって検査され、デング熱とチクングンア熱には陰性との結果を得ました。症状のある患者30人から採取された検体のうち、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法により、3人の検体からジカウイルスに対して陽性の結果がでました。検査で確認された3人の患者は、29歳、48歳および58歳の女性です。

公衆衛生における取り組み

パナマの保健当局は以下の対策を取っています

  • 全国への感染流行への注意情報の発信
  • 媒介している蚊を制御する活動の強化(繁殖、蚊の密集、交尾行動の撲滅)
  • 全国での疫学調査体制の強化

WHOからのアドバイス

アメリカ大陸それぞれの地域でジカウイルスの感染の増加が考えられるときには、PAHO/WHOは、加盟国がジカウイルス感染者を発見し、確認する対応能力を確立し、維持すること、さらに潜在的な脅威に対して全ての公衆衛生レベルでその衛生サービスを準備すること、そして、この病気を媒介する蚊、特に媒介する蚊が棲息する地域で蚊を減らすこと、公衆衛生上の効率的な地域戦略を実施すること、を勧めています。

パナマなどジカウイルス熱が流行している地域へ渡航または滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、蚊に刺されないように対策をとってください。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

  • 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
  • また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
  • 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

出典

WHO.Disease Outbreak News. 5December2015
Zika virus infection- Panama
http://www.who.int/csr/don/05-december-2015-zika-panama/en/