2016年03月30日更新 鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況 (更新4)

 2016年3月29日付けで公表された世界保健機関(WHO)の情報によりますと、香港特別行政区健康局は、2016年3月18日に新たに鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス患者1人が確定診断されたことをWHOに報告しました。

報告の詳細
 患者は、81歳女性です。3月5日に広東省Kaiping(開平)市へ旅行に出かけました。3月10日、彼女は、全身倦怠感、頭痛、呼吸困難、発熱を発現し、3月10日から14日まで開平市で入院していました。3月17日、彼女は香港に戻った後に病院を受診し、続けて肺炎の治療のために入院しました。健康保護センターの公衆衛生検査施設部門で行った検査で、彼女は鳥インフルエンザA(H7N9)に陽性と判明しました。彼女は、さらなる治療のために別の病院に搬送されました。現在は安定した状態です。

 健康保護センターにおける最初の調査で、彼女は中国本土に滞在中に開平市の生鮮市場を訪れていたことが示されていました。その間に、彼女は捌いた家禽と触れていました。

公衆衛生における取り組み
 健康保護センターの健康部門は、患者との接触者の追跡と濃厚接触者の健康監視を行っています。

WHOのリスク評価
 ほとんどの患者は、感染した家禽または生きた家禽の市場を含むウイルスに汚染された環境を通してA(H7N9)ウイルスと接触しています。動物及び環境内では、ウイルスは検出され続けているため、さらなる患者(の発見)が予想されます。インフルエンザA(H7N9)ウイルスによる小規模な患者の集団発生は、医療従事者に関連したものを含めて、以前にも報告されていますが、現在の疫学的およびウイルス学的根拠からは、このウイルスが人と人との間で継続して感染伝播する能力は獲得してはいないと考えられています。したがって、さらに地域社会レベルの広がることはないと考えられます。

 A(H7N9)ウイルスの人への感染は稀ですが、深刻な公衆衛生上の影響を与える可能性があるものとして、ウイルスおよび/または人への感染伝播への挙動の変化を発見するために、厳密に監視しておく必要があります。WHOは、最新の情報に基づいて、疫学上の発生状況を評価し、引き続き、さらなるリスク評価を行っていきます。

WHOからのアドバイス
  WHOは、鳥インフルエンザの発生が確認されている国への渡航者に対し、養鶏場への立ち入り、生きた家禽類をさばく市場での動物との接触、家禽を解体する場所への立ち入り、家禽や動物の排泄物で汚染されているとみられるあらゆる物品との接触を避けることを勧めています。渡航者は石鹸と水で手をよく洗い、食品の安全と衛生習慣の維持に努めるべきです。

 WHOは、この事象に関連して、特別な入国スクリーニングおよび渡航や貿易の制限を行うことを推奨してはいません。鳥インフルエンザが懸念される地域を渡航中又は帰国した直後に、渡航者が重症の急性呼吸器症状を発症した場合には、常に鳥インフルエンザウイルスへの感染を鑑別診断として考えておくべきです。

 WHOは、国際保健規則(2005)に基づき、重症急性呼吸器感染症(SARI)のサーベイランスを含むインフルエンザのサーベイランスの強化を継続し、慎重に通常と異なる傾向がみられた症例については検討を重ねることを各国に促しています。さらに、国民の健康に備える活動を続けていくことを求めています。

 中国に滞在される方は、今後も情報に注意していただくとともに、手洗いや咳エチケットをこころがけてください。また、鳥に直接触ったり、病気の鳥や死んだ鳥に近寄ったりしないようにしてください。入国の際に、発熱、咳、喉の痛みなどの症状がある場合には検疫所に相談してください。

出典

WHO. Disease outbreak news, Emergencies preparedness, response. 29 March 2016
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus - China
http://www.who.int/csr/don/29-march-2016-avian-ah7n9-china/en/