2016年08月26日更新 ジカウイルス感染症の発生状況 (更新28)

 2016年8月25日付けでWHOより発表されたジカウイルス感染症(いわゆるジカ熱)の発生状況に関する報告です。ジカウイルス感染症の発生状況は以下のとおりです。

更新の要点

今週は、新しく蚊の媒介によるジカウイルス感染症が報告された国も地域もありません。
コスタリカ、ドミニカ共和国、ハイチが、新しくジカウイルスの感染との関係が示唆される小頭症やその他の中枢神経奇形が報告された国と地域に加わりました。
今週は、新しくジカウイルスの感染と関係するギラン・バレー症候群(GBS)が報告された国も地域もありません。
2016年夏期オリンピック・リオデジャネイロ大会が8月21日に終わりました。これまでのところ、国の健康保健当局から受けたWHOの報告書では、オリンピックに関連してジカウイルスへの感染が検査で確認された事例はありません。
WHOアメリカ大陸地域事務局からは、感染対策の運用計画が更新されました。
 ・WHOは、プエルトリコで媒介能力をもつ蚊の管理の集約、バハマでのジカウイルスの分子診断、
 チリでのジカウイルス緊急事態の発生状況におけるGBSの臨床管理、これらについて技術的なアド
 バイスを提供しました。

分析

全体として、世界のリスク評価は変わっていません。
ジカウイルスは媒介能力をもつ蚊が生息する地域では、地図の上で拡がりを続けています。
今週は、新たに大きな展開はありません。

発生状況

2007年以降、合計70の国と地域で蚊の媒介によるジカウイルスの感染伝播の証拠が報告されています(2015年以降は、67の国と地域です)。
 ・53の国と地域で、2015年以降に初めてジカウイルスの流行発生が報告されました。
 ・2016年に、国内感染の高い可能性、又は蚊の媒介によるジカウイルスの感染伝播の証拠が4か国(インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム)から報告されました。
 ・13の国と地域では、2015年までや2015年に地域内での蚊の媒介によるジカウイルスの感染の証
 拠が報告されていました。しかし、これらの国では、2016年には感染伝播が報告されていない、
 又は流行が終息しています。
2016年2月以降、11の国でジカウイルスの人から人への感染伝播が起きていた証拠が報告されました。
ジカウイルス感染症と関係する可能性の高い、又は先天性の感染が示唆される小頭症やその他の中枢神経奇形が、20の国と地域から報告されました。20か国のうち4か国からは、国内でジカウイルスの発生がなく、最近、ジカウイルス感染症が発生している国への旅行したことのある母親から、小頭症新生児が生まれたことが報告されています。
アメリカ合衆国では、ジカウイルスへの感染の可能性が検査確認された妊娠女性で、次のような事例がありました。
 ・先天性障害のあった新生児16例
 ・先天性障害による流産5例
アメリカ合衆国の管轄地域では、ジカウイルスへの感染の可能性が検査確認された妊娠女性で、次のような事例がありました。
 ・先天性障害のあった新生児1例
 ・先天性障害による流産1例
18の国と地域で、ギラン・バレー症候群(GBS)の発生率の増加、および/またはGBS患者でのジカウイルス感染の検査確認が報告されています。
ギニア・ビサウでは、7月1日に送られたジカウイルス確定患者の検体4本の遺伝子配列の結果を、現在も待っている状態です。2016年4月以降に確認された小頭症5例の調査が続けられています。WHOによる昆虫学者、疫学者と検査専門家の追加派遣が計画されています。
2016年夏期オリンピック・リオデジャネイロ大会が開催され、8月21日に終わりました。これまでのところ、国の健康保健当局から受けたWHOの報告書からは、オリンピックに関係する観客、選手など如何なる人からもジカウイルスへの感染が検査で確認された例はありません。発生状況は厳格に監視されています。ウイルスに1週間程の潜伏期間があるために、まだ数人の患者は発生するかもしれません。
WHOは、ジカウイルスの発生状況の中でのさまざまな話題に関する新たな助言や情報を作成しています(http://www.who.int/csr/resources/publications/zika/en/)。

出典

WHO. Situation Report, Emergencies. 25 August 2016
Zika virus, Microcephaly and Guillain-Barré syndrome
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/249573/2/zikasitrep25Aug16-eng.pdf?ua=1