2016年11月17日更新 トラコーマの撲滅 -モロッコ

 2016年11月15日に、WHO東地中海地域事務局(EMRO)から公表された情報によりますと、モロッコで公衆衛生上の問題であったトラコーマが撲滅されました。

 WHOは、11月15日、モロッコで公衆衛生上の問題であったトラコーマが撲滅されたことを(公式に)認めました。

 トラコーマは、世界で広く、失明の第1原因となっています。トラコーマは、感染者、特に感染した年少の子どもの目や鼻からの分泌物と接触することによって伝播します。42か国で感染が発生し、約190万人で目の障害や失明に関与しています。

 「この達成はモロッコの公衆衛生において感慨深いことです。」「これは、政策における意志、教育、啓発活動、調査活動、そして最も重要なものとして地域社会の関与に強いものであれば、障害をもたらす病気に打ち勝つことができる、ということを示しています。」とWHO事務局長Margaret Chan博士は述べています。

 1990年代、モロッコでは、WHOが推奨するSAFE戦略を実施し始めました。この戦略には、トラコーマの失明段階における睫毛乱生症(trichiasis)の手術、抗生物質による感染への治療、顔部の清潔保持、感染伝播の範囲を限られたものにしていく環境の改善など、包括的な介入が含まれています。

 (モロッコの)Errachidia、Figuig、Ouarzazate、Tata、Zagoraの各州では、深刻な感染の影響を受けた何千もの人々が外科手術を受けました。そして、その大部分が、国際トラコーマ・イニシアチブを通じて寄付された抗生物質アジスロマイシンを用いて医療従事者によって治療されました。

 「アジスロマイシンを使用できるようになって、感染の制御活動、現地での地域活動の関与、医療・保健従事者の動員が促進されました。これにより、村々や学校では、ほぼ全ての人にアジスロマイシンを配布できるようになりました。」と、モロッコ厚生大臣El Houssaine Louardi博士は述べました。

 これまでに、8か国で撲滅目標の達成が報告されました。また、トラコーマが常在する大部分の国々では、WHO世界トラコーマ撲滅同盟(GET2020)により支援され、2020年までに撲滅目標を達成するためにSAFE戦略の実施を加速させています。2015年には、世界中で185,000人を超える睫毛乱生症の患者が矯正手術を受け、5,600万人がアジスロマイシンで治療されました。

 公衆衛生上の問題としてこの病気を撲滅させるためには、2020年まで活動を拡大し維持する必要があり、世界で10億米ドルの資金が必要と見積もられています。

 「モロッコは、世界でトラコーマの撲滅を達成するという私たちの目標に大きく貢献しました。」「モロッコでのこの成功は、この他の顧みられない熱帯病でも、私たちの地域で同様に撲滅を達成できるという希望を与えてくれます。」とWHO地中海東部地域担当ディレクターのAla Alwan博士は述べています。

公衆衛生上の問題としてトラコーマが撲滅できたことの検証

 2015年に、顧みられない熱帯病に対するWHO対策戦略諮問グループは、すべての顧みられない熱帯病の撲滅に対し、疾患の撲滅、感染伝播の遮断、もしくは公衆衛生問題としての撲滅を目的とする標準プロセスを承認しました。熱帯病を公衆衛生上の問題として撲滅することを目的とするプロセスには、次のものが「検証」と定義されました。

1.公衆衛生上の問題としてのトラコーマの撲滅は、(i)15歳以上の成人において「健康システム上は未知」とされるトラコーマ睫毛乱生症の有病率0.2%未満であること; (ii)これまでにトラコーマが常在していた地域では、1〜9歳の小児でのトラコーマの炎症 - 小児の濾胞有病率が5%未満であること。

2.これまでに検証された国は、中国、ガンビア、ガーナ、イラン、メキシコ、モロッコ、ミャンマー、オマーン、です。

出典

EMRO/WHO. News, Media centre. 15 November 2016
Morocco eliminates trachoma - the leading infectious cause of blindness
http://www.emro.who.int/media/news/morocco-eliminates-trachoma-the-leading-infectious-cause-of-blindness.html