2017年04月20日更新 ポリオ-小児麻痺(10の事実)

 かつて、ポリオは世界中で恐れられ、突然に発症し、子どもを中心に生涯にわたる麻痺を起こす病気でした。WHOは、民間組織と公的機関を結ぶ最大の組織、世界ポリオ撲滅イニシアチブ(GPEI)の支援組織です。GPEIは、ポリオの99%を減少させました。現在、ポリオは、世界で最も貧しく、最も隔絶された地域社会の中だけに生き残り、最も脆弱な子どもに襲いかかっています。GPEIの目的は、ポリオ・ワクチンを最後の1人となる子どもにまで届け、これからの世代にポリオのない世界を作り上げることです。

事実1:ポリオで麻痺を起こす子どもが発生し続けています
 ポリオは、世界のほとんどの人々には遠い過去の記憶となりましたが、この病気はまだいくつかの場所に残っています。主に5歳より小さい子どもに発症します。感染した200人のうち1人には、不可逆的な麻痺(通常は脚)が起こります。麻痺した患者の中で5%から10%は、呼吸筋が動かなくなり死亡します。

事実2:私たちは、世界中からポリオを撲滅させる道程の99%のところにいます
 世界ポリオ撲滅イニシアチブ(GPEI)が結成されたとき、ポリオは年間35万を超える人々に麻痺を起こしていました。その時からみて、ポリオの患者数は、99%を超える減少をみせました。ポリオに対する予防接種によって、1,600万を超える人々が麻痺から救われました。

事実3:ポリオの伝播が終息していない国が3つあります
 その3か国は、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンです。これらの国は、政情の不安、弱い保健基盤、衛生設備の不十分な環境など、さまざまな課題に直面しています。ポリオは、これらの「感染が常在する」国から広がり、十分に予防接種を受けられていない他の国の子どもたちにも、感染を拡大させる可能性があります。

事実4:多くの病気とは異なり、ポリオは撲滅することができます
 野生型ポリオウイルスには3種あります。しかし、何れも人の体外で長期間生存することはできません。ワクチンを接種していない人を見つけることができければ、このウイルスは死に絶えてしまいます。1999年に、野生型ポリオウイルス2型が撲滅されました。2012年以降、世界のどこにも野生型ポリオウイルス3型の患者は確認されていません。

事実5:ポリオの予防には、安くて効果のあるワクチンを利用できます
 ポリオの予防には、ポリオ経口ポリオワクチン(OPV)と不活性化ポリオワクチン(IPV)という使用可能な2種類のワクチンがあります。OPVは経口ワクチンのため、ボランティアでも、誰でも、投与できます。 1回のOPVを投与するために、わずかに14 USセントしか掛かりません。

事実6:ポリオ撲滅への世界的な取り組みは公衆衛生における最大の官民共同の活動です
 実際、これは歴史上、国際的に協調しての取り組んだ公衆衛生上の最大のものです。世界ポリオ撲滅イニシアチブ(GPEI)は、WHO、国際ロータリー、米国疾病対策予防センター(CDC)、ユニセフ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団という5つの支援組織の協力を得ながら、各国政府の主導で行われています。この取り組みを支えているのは、2,000万人を超える世界中のボランティアのグローバル・ネットワークで、過去20年間に30億人におよぶ子どもに予防接種を行ってきました。

事実7:大規模なワクチン接種(活動)は短時間に(住民の)免疫力を高める手助けをします
 世界ポリオ撲滅イニシアチブ(GPEI)は、各国がポリオの調査活動や大規模な予防接種(活動)の実施を支援しています。まだ、インドにポリオが常在していたとき、増強のためのワクチン接種を64万人に行い、ワクチンの接種者230万人を動員し、ワクチン接種2億回分、(保存のための)氷パック630個を準備し、1億9,100万戸の家庭を訪問して、1億7200万もの子どもに予防接種を行いました。これが、国による予防接種たった1回のラウンドで行われました。

事実8:ポリオの撲滅には、すべての子供に予防接種を受けさせることが必要です
 これには、地球上で、最も遠く、最も不便な場所に住んでいる人々も含まれています。どの子どもにも何処にいても安全にワクチン接種が受けられ、紛争や険しい地形で遠く離れている人々(子どもたち)にも(ワクチンが)届けられるために、ロバからバイク、ヘリコプターまで、あらゆる輸送手段が使われています。

事実9:ポリオ基金のスタッフ、戦略、人的・物的資源は、定期的な予防接種のような(ポリオ以外の)健康維持の推進のためにも使われています
 (予防接種を受けていない)すべての子どもを見つけ、その地図を作成するための戦略が、定期予防接種のようなこの他の公衆衛生を推進する上で適用されています。(そうすれば)ワクチン接種チームは遠く離れた村にいる間に、他の健康維持のための介入を行うことで、追加費用がほとんどかからなくなります。例えば、ビタミンAはポリオ接種キャンペーンと並行して提供されています。ビタミンAは免疫力全体を高めるので、子どもが幅広い感染から逃れることができます。これにより、150万人以上の子どもの死が回避されました。

事実10:私たちはポリオを撲滅することができます
 2011年、インドでは、Rukhsar Khatoonというひとりの少女が、ポリオによる麻痺に侵された最後の子供でした。WHO東南アジア地域事務局は、2014年にポリオの終息を宣言し、世界は撲滅に向けた大きな飛躍を遂げました。現在、世界の住民の80%が、ポリオのない地域に住んでいます。世界は、保護する親、政府関係者、政治家から国際社会まですべての人々が力を合わせることができれば、ポリオの脅威から解放されます。

出典

WHO. Fact files, Media centre. Reviewed April 2017
10 facts on Polio eradication
http://www.who.int/features/factfiles/polio/en/