2017年06月01日更新 コレラ流行の発生- タンザニア

 アフリカにおける感染症の発生状況の週報[第20週(5月20日-26日)]が公表されました。ここでは、今週、新しく報告に加わったタンザニアでのコレラ流行について取り上げます。

コレラの発生状況

 (今年)1月以降、タンザニアでのコレラの患者数大きく減少してきました。2015年8月に首都ダルエスサラームで始まったこの大流行は、25州のうちの23州112地区に広がっていましたが、現在は、2州4地区まで縮小してきました。ところが、先週(5月21日までの週)、首都ダルエスサラームから22人とMorogoro(モロゴロ州)から17人、新たに(合計で)コレア疑い患者39人(死亡者5人)が報告されました。

 このことは、、先週ここで発生した患者33人から、わずかに増加したことを示しています。 モロゴロ州Kilombero地区からは5人の死亡が報告されました。以前にタンザニア本土(人口10万人あたり79人の感染)に比べて、はるかに累積感染率(人口10万人あたり293人)の高かったZanzibar(ザンジバル)では、この1週間での患者発生はなく、この3週間での患者は6人、死亡者はゼロでした。

 5月21日現在、2015年8月15日以降にタンザニア本土から報告された累積コレラ患者数は、死亡者395人(死亡率 1.6%)を含めて、患者25,238人です。ザンジバルから報告された累積患者数および死亡者数は4,337人と68人(死亡率 1.6%)でした。現在までのタンザニア全土での患者数は、29,575人(死亡者463人)で、死亡率は1.6%で変わりませんでした。

公衆衛生上の取り組み

•定期的に、コレラ対策委員会、小委員会、トップ級のテレビ会議が、感染の激しい地域の医療関係者、保健省、大統領府の間で開かれています。
•首都ダルエスサラームとモロゴロの感染リスクのある家庭には、十分な貯水袋や医療品の補充など、ダルエスサラームTemeke地区ではまとまった水の塩素処理など、飲料水、下水道、衛生環境(Water, Sanitation and Hygiene;WASH)への介入が続けられています。
•地元のラジオ、国営テレビ局、民間放送局を通して、地域社会での(感染に対する)注意の喚起や意識の向上への取り組みが伝えられています。
•速やかに、かつ正確にすべてのコレラ疑い患者を報告し、コレラ疑い患者の確定診断を行うために、(感染の発生している)地域では監視を続けています。

発生状況への認識

 これは、40,226人が感染し、2,268人が死亡した1997年のコレラ流行以降で、タンザニアの史上で2番目に大きいコレラの流行です。2017年のコレラ(患者)発生数は、2015年と2016年に比べて、大幅に減少し、最終的に終息させられる見通しが立ってきました。

 これは、全国、地域、各地区の長が、コレラの予防および制御のための対策を実施し、地域社会での意識向上と参加者の増加によるものと考えられます。

 しかし、5月には雨期が始まり、いくつもの都市では、下水道整備が不十分で、清潔な飲料水の利用環境も限られており、ほとんどの地域や地区ではトイレの普及率が低いため、患者の急増への脅威が高まっています。

 また、コレラの予防や制御への取り組みには、資金が適切というには不足した状態です。

出典

AFRO/WHO. Outbreaks and emergencies updates, Programmes. 26 May, 2017
Outbreaks and other emergencies updates, Week 21: 20 - 26 May 2017.
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/255579/1/OEW21-202652017.pdf?ua=1