2017年07月03日更新 新WHO事務局長の就任と方針演説

 2017年7月1日より、前WHO事務局長Margaret Chan氏の退任を受けて、エチオピア出身のTedros Adhanom Ghebreyesus氏が、新WHO事務局長に就任しました。その方針演説が述べられています。

方針演説

 誰でも、どこに住んでいても、すべての人が健康的で生産性のある生活を送ることができる世界を目指します。

すべての人が健康的で生産性のある生活を送ることができる世界
 私は、誰でも、どこに住んでいても、すべての人が健康的で生産性のある生活を送ることができる世界を思い描いています。私は、-持続可能な発展への目標に掲げられた- 持続的に発展することに対する世界への公約が、健康への社会的、経済的、政治的な決定要因に取り組み、世界中のどこに住んでいる人にも、健康と福祉を向上させる唯一の機会を提供するものであると確信しています。
 この目標と創造を達成するには、新たな課題に取り組み、持続可能な発展目標の健康への目的を達成できる、実行力があり、力強いWHOが必要です。私たちには、21世紀に見合ったWHOが必要です。それは、誰の下にも平等にあるということです。私たちには、金銭の透明性、(取り扱い)責任、そして(その)価値に重点を置き、効率的な運営と、十分な人的・物的資源の調達、そして結果を伴うWHOが必要です。

世界が目指す目標の中心に健康を置く
 人々が健康であれば、地域の社会も国全体も繁栄し、世界全体で恩恵が得られます。私は、保健医療への利用環境を創り、世界の安全保障、経済、発展の目標の中心的な要素である感染症から(人々を)守るために、加盟各国の首脳、幅広い分野の大臣、多国にわたる機関、国連組織、市民社会、民間領域の活動などとともに、関わっていきます。
 これには、国際保健規則(IHR)の実施、抗菌剤への耐性、気候および環境の変化、生活習慣病など、新たな脅威への対処なども含まれます。このような関わりによって、WHOと各国の保健当局が有効性をもって自分たちの核心となる役割を果たし、今以上に健康的で安全な世界を築く上でのWHOのリーダーシップを再確認し、最終的には、持続可能な発展目標に向かって進展させることができます。

真っ先に、人を置く
 すべての人への基本的な保健医療サービスに対する権利が、私の最優先事項です。私は、移民、国内移動民、障害者、また、僻村、都会のスラム街や低所得地域で暮らす人々、その他、生活する力の弱い人々など、(これらの)人々の意味ある声を聞き、そこから学び、そして、その人々や地域と関わる体制を築き上げていきます。
 私たちがそこから学ぶことのできる、このような関わりは、年齢、性別、収入、性的志向、宗教などに関係なく、私たちの人的・物的資源を動員する取り組みの中心に置き、担当当局にはすべての者の健康への責任を持たせるものです。

各国への関わりと連携の強化
 世界での健康を向上させるには、すべての加盟国およびあらゆる分野の人々と有効性のある関わりを創る必要があります。私のリーダーシップの下で、強化され、独立性をもつWHOは、成果指向型で、対処に敏感な、科学性に基づく、革新的思考に基づく手段を選び、全体の連携を最大限に引き出し、すべての関係者との間で確かな優先事項を選び設定していきます。特に、私は、国の主権を守ります。そのことは、各国が完全に平等な加盟組織として、自分たちの住民の健康に影響力のある方向へと導き、決定のためのテーブルに着くことを意味します。
 WHOの活動は、世界中で何億もの人々の生活と触れ合っています。すべての計画、すべての主導性、すべての調達資金の配分が、予算の中での統計や既定路線のはるかに上を行くものです。生活は保護されているのです。大人を夢見る子どもがいます。子供が生きて繁栄するのを見守る親がいます。病気のない地域の暮らし、緊急事態や災害にさらに万全な備えをしている国や地域があります。これが、加盟国や世界の支援組織と手と手を取り合っていくことで、創ることのできる、(いままでとは)異なるWHO(の姿)です。

出典

WHO. Programmes. July 2017
Vision statement by WHO Director-General
http://www.who.int/dg/vision/en/