2017年07月12日更新 コレラの発生状況- ケニア

 アフリカにおける感染症の発生状況の週報[第26週(6月24日-30日)]が公表されました。ここでは、コンゴ民主共和国、ソマリア、アンゴラ、タンザニアに引き続き、ケニアでのコレラの発生状況について取り上げます。

コレラの発生状況
 ケニアは、2014年12月以降、再燃したコレラの流行に見舞われてきました。この数週間でも、3つ大きな集団感染の伝播が記録され、コレラ患者の罹患率が急増しています。1つ目の集団感染は、2017年6月16日に始まりました。この集団感染は、ナイロビのホテルで開催された会議に出席した参加者の間で、一点を感染源として拡がりました。この事例に関連して、合計で患者146人が、ナイロビのさまざまな病院で治療を受けました。採取された検体25本のうち、国立公衆衛生研究所での細菌培養によって、18本(72%)で小川型コレラ菌が分離されました。この事例は、ケニア中央部で現在も潜行しているコレラの流行の中で発生しました。2017年4月16日から6月23日までに、ナイロビで死亡者2人(致死率0.7%)を含めて、患者293人が報告されました。検体39本で細菌培養が陽性と確認されました。

 2つ目の集団感染は、それぞれに難民キャンプ、GarissaカウンティのDadaab難民キャンプとTurkanaカウンティのKakuma難民キャンプで、紛争や食糧不安から逃れ、避難を求めてきた難民と関係しています。2017年4月2日から6月23日までに、GarissaカウンティDadaabキャンプでは、死亡者2人を含めて、患者330人が報告されています。この中には、細菌培養での確定診断患者44人が含まれています。TurkanaカウンティKakumaキャンプでは、2017年5月20日から6月21日にまでに、患者125人が報告されています。この中には、細菌培養での確定診断患者2人が含まれています。

 3つ目の集団感染は、ケニア西部Kericho郡とVihiga郡で報告されています。この地域では、しばしばコレラの流行が再燃しています。2017年5月14日から6月12日までに、細菌培養で確認された患者3人を含めて、患者103人が報告されました。

 地理的にこの他3か所から離れた沿岸Mombasaカウンティでも、患者2人の小規模な感染の発生が報告されました。

 ケニアでは、2017年1月1日から6月27日まで、死亡者9人(致死率1.0%)を含めて患者924人が報告されています。このうち、患者124人が検査で確認されています。ケニアでは47あるカウンティのうち11カウンティで、今年になって感染が発生しています。しかし、これらのうちの5つのカウンティでは、感染発生の制御が成功を治めています。2014年12月以降、累積患者数17,950人が報告されています。2015年には、10,568人、2016年には6,448人でした。

公衆衛生上の取り組み
•WHOと支援組織は、2017年1月以降、保健省の感染発生への対策を支援してきました。国およびカウンティの保健担当部局の関係者における調整基盤が確立され、感染の発生したカウンティでは引き続き会議が開かれています。警報がサブ・カウンティすべてに発令されました。
・WHOは、ケニアにおけるコレラ流行を、緊急対策の枠組みに基づいて、グレード1に当たると再評価しました。この緊急事態に対して、直ぐに、次の取り組みが行われました。
-感染の発生した地域での協力体制を強化し、(対策への)介入を管理するために、WHO
 国事務局(WCO)を再編し、発生管理チームを設立したこと。
-有効性のある対策が必要とされる支援レベルの確認。
-対策の運用計画の作成
・既に、支援組織との取り決めがあります。WHOは、疾病調査と協力体制において最もリスクの高い5つのカウンティを支援します。ユニセフは、一般医療と社会動員活動を支援します。

発生状況への認識
 ケニアは、毎年、コレラ流行の再燃を経験しています。しかし、周期的な大きな流行は、およそ5〜7年ごとに発生し、2〜3年間続きます。最近のWHO緊急リスク評価では、全体として、コレラ流行のリスクが国レベルおよび地域レベルで高く、世界レベルでは中程度であると明記されました。これらのリスク・レベルは、アフリカの角と呼ばれる一部地域で、干ばつ、紛争、政情不安定などの状況があり、その中で発生していることで、指定されました。また、この流行は、人口密度の高い首都ナイロビと国内と周辺諸国で大規模な人口移動が起きている2つの難民キャンプ(Kakuma とDadaab)がある地域で発生しています。これまでのケニアでの大規模な流行は、同様の状況に起因しており、感染の発生地や他の地域に伝播するリスクが高くなっています。

 この評価は、いくつかのカウンティで感染が制御され、現在、ナイロビでの流行は局在化してきているように見えることで行われています。しかし、難民の居住地域での流行発生は、依然として、懸念され、急速に拡大する可能性が残ります。現在の水不足や医療従事者のストライキ、来るべき選挙によって、緊急性と複雑さの度合いが増してきており、これらの要因が対策から気を逸らす可能性があります。しかし、感染の発生を阻止し、さらなる拡大を防ぐために、早期の準備と対策を実施するだけの機会があります。(このため)ケニア政府はWHOや支援組織に支援を要請しています。

出典

AFRO/WHO. Outbreaks and emergencies updates, Programmes. 30 June 2017
Weekly Bulletin on outbreaks and other emergencies. P.4. Week 26: 24 - 30 June 2017
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/255797/1/OEW26-243062017.pdf?ua=1