2017年08月08日更新 リンパ系フィラリア症の撲滅-トンガ

 2017年7月31日付けで公表されWPROの情報によりますと、トンガで公衆衛生上の問題としてリンパ系フィラリア症が撲滅されたことが、WHOにより認定されました。

情報の詳細

 太平洋の王国トンガは、人口こそ少ないものの、公衆衛生上において大きな目標を掲げています。WHOは、この国で公衆衛生上の問題として、リンパ系フィラリア症(象皮症としても知られる)が撲滅されたことを認定しました。

 リンパ系フィラリア症は、蚊によって媒介される病気で、リンパ管系に損傷を与え、重度の外見の変形や、激しい痛みおよび機能障害をもたらします。この病気に感染した人にとって、外見やそれに伴う偏見から受ける影響は深刻です。人々は生きる意欲を失い、しばしば抑うつ状態や不安などの心理的な影響に苦しみます。

 「リンパ系フィラリア症は凄惨な病気です。感染した人に、ひどい痛みと苦しみをもたらします。」とWHO西太平洋地域事務局長Shin Young-soo博士は語っています。

 Shin氏は、こうも続けています、「WHOは、トンガが公衆衛生上の問題として、この病気を撲滅したことを、心から歓迎します。今日から、トンガの子どもたちは、この極めて厄介であった病気に対し安全であることを知って、成長することができます。この国の人々の健康にとって、それは、どんなに素晴らしい成果であることでしょう。」と。

 この成果は、現地語で「kulokula fua」として知られるこの病気の感染伝播を止めるために、トンガが何十年も地道に取り組んできた結果です。

 トンガは、WHOが2000年にリンパ系フィラリア症を撲滅するために世界計画が開始されて以来、公衆衛生問題として、リンパフィラリア症の排除が達成されたことが検証されたWHO西太平洋地域で7つ目の国にとなりました。残る6か国は、カンボジア、中国、クック諸島、ニウエ、マーシャル諸島、韓国、バヌアツです。

 リンパ系フィラリア症は、WHOが分類する顧みられない熱帯病(NTD)のひとつです。これは、主に熱帯および亜熱帯地域の最も貧しい人々の間で発生しているさまざまな感染症のひとつが存在することを示しています。NTDは、重篤な病気を引き起こし、ときには死をもたらしますが、予防が可能です。地域社会での予防への取り組み、集約した患者管理、媒介する昆虫の駆除、人に感染を広げる可能性のある動物の病気の管理、安全な水の供給、上下水道などの衛生環境など、これらを提供する一連の公衆衛生上の戦略を通じて、多くのNTDを制御し、最終的には撲滅することができます。

 西洋太平洋地域においては、17の国と地域で未だに風土病として常在するリンパ系フィラリア症との闘いは、この地域でのWHOの活動の中でも重要な優先事項です。

 トンガでは、この病気に対し、長い歴史を持っています。トンガの人々の間では、足、腕、および陰嚢がしばしば腫れていることが、1770年に、キャプテン・クックによって発見されました。 1950年代には、この外見の変形と体力の消耗をもたらす病気の有病率は50%に近くなりました。1970年代と1980年代には、大量の薬物投与による管理によって、有病率が減少しましたが、撲滅の目標を達成するためには、この数十年の間に一貫したさらなる取り組みが必要とされました。

 トンガにおける「リンパ系フィラリア症」の長い歴史は、今日、この病気への勝利で終わらせたことで、すべて(の生活を)もっと豊かなものに変えていきます。これは、この国の保健省の揺るぎない支持とリーダーシップ、並びに支援者や支援組織からの強力な財政およびその他の支援、そして、最も重要なこととして、この病気が発生していたトンガの地域社会の活動の貢献なしには達成できなかったはずです。」

 「トンガは、大きな課題があったとしても、リンパ系フィラリア症などの顧みられない熱帯病を撲滅できることを示しました。WHOは、加盟国を支援して、この地域から、この病気の撲滅することに100%関わっていきます。そうすれば、誰もこの凄惨な病気に苦しむ必要はなくなります。」とShin博士は結んでいます。

出典

WPRO/WHO. Media release. 31 July 2017
Congratulations, Tonga! Pacific island state eliminates lymphatic filariasis as a public health problem
http://www.wpro.who.int/mediacentre/releases/2017/20170731/en/