2017年09月05日更新 マラリアのないヨーロッパの実現へ-Ashgabat声明

2017年9月4日付けで、WHO欧州地域事務局から、マラリアの感染伝播の再興を予防できていることに対する声明(Ashgabat声明)が発表されました。

Ashgabat声明

WHO欧州地域は、(それぞれの土地に)土着するマラリアの感染伝播の遮断を達成した世界で初めての地域として認識されています。2016年4月20日に、WHO欧州地域事務局長から宣言されました。私たちは、WHOと加盟各国、特に、この重要な目標に到達するための支援および役割を果たした、「エイズ、結核、マラリアと戦う世界基金」に感謝致します。

この成果は並外れたことではあるものの、脆く壊れやすいために、注意が必要です。WHO欧州地域は、マラリアが常在する他の地域からの感染輸入患者が入りやすく、あらゆる面で政治上の責任能力の弱体化が生じると、マラリアの終息した国で再興が起こり得ます。

WHO欧州地域の各国でマラリアの感染伝播の再興を予防することは、「健康2020」、「マラリアのためのグローバル技術戦略2016-2030」、「持続可能な発展のための到達目標と最終目標、国連アジェンダ2030」に向けた重要な一歩です。

タシケント宣言の条約加盟国である私たちは、マラリアの感染輸入を効率的に管理し、地域での感染の再興を防ぎ、如何なるマラリアの急激な再興をも防ぐことの責任を、次のことから再確認しました。

1.この地域で各国がマラリアの終息状態を維持するために、政治上の責任能力と、医療体制の強化に、適正なレベルの資金調達および投資を維持することを認識します

2.高度な警戒体制と対応能力の構築を含めて、マラリアの感染伝播の再確立を防止するために、健全な国家戦略の発展と実施を規制し、責任を果たします

3.この地域でマラリアの終息状況を確認するために、加盟国が毎年WHOにすべての情報の提出を続けることを再確認します

4.マラリアの再興防止に関して、国境を越えた一層の連携強化を図ることの必要性を強調します。この点で、私たちはヨーロッパのWHO地域事務所に、国境と地域を越えた調整を引き続き促進させてくれることを要望します。

5.WHO欧州地域のすべての加盟国に対し、この(マラリア終息の)認定を要請することの決定権は国家政府にあることを認めつつ、加盟国にはマラリアの撲滅の認定を受けることを要請していきます

6.WHO欧州地域事務局には、マラリアのないヨーロッパを維持することへの取り組みを強化し、(マラリア撲滅に)向き合っているこの地域の各国を、引き続き支援していくことを要請します

7.WHO欧州地域事務局には、マラリアの感染伝播の再確立を防止することに取り組む各国を支援するための援助組織との調整を要請します

8.蚊が媒介する他の感染症の再興にも対処するために、マラリアのないヨーロッパに向けた(これまでの)行程から学んだ教訓を取り入れることが不可欠であることに同意します

出典

EURO/WHO.Publications, Vector-borne and parasitic diseases.September2017
The Ashgabat Statement- Preventing the re-establishment of malaria transmission in the WHO European Region (2017)
http://www.euro.who.int/en/health-topics/communicable-diseases/vector-borne-and-parasitic-diseases/publications/2017/the-ashgabat-statement-preventing-the-re-establishment-of-malaria-transmission-in-the-who-european-region-2017