2017年09月08日更新 マラリアの発生- カーボヴェルデ

 アフリカにおける感染症の発生状況の週報[第35週(8月26日-9月1日)]が公表されました。この中から、カーボヴェルデでのマラリアの発生について取り上げます。

マラリアの発生状況

 カーボヴェルデでは、2017年7月に初めて患者が報告されて以来、マラリア原虫の国内感染の異常な増加が続いており、国内でのマラリア患者が地理上で分布を示しています。2017年8月4日に前回の報告がされて以降、8月28日までに、この国では、現地で感染したマラリア患者が50人報告されました。現地で感染した患者は、すべてSantiago(サンティアゴ)島にある首都Praia(プライア)で暮らしています。原因となる原虫は、顕微鏡検査と迅速診断検査(RDT)の両方から、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)と確認されています。これまでのところ、国内の他の地域へ、それ以上は拡大していません。最も感染の発生が多かった地区は、Achada、Santo Antonio、Varzeaとなっています。

 2017年1月1日から8月28日までに、合計で国内感染マラリア患者101人が報告されました。患者の大半64%(65/101)が男性で、報告された患者のうちの70%以上が20歳以上で占めていました。

 カーボヴェルデは、散発的な患者の発生は報告されていますが、マラリアの発生リスクが低い地域で、その多くは直近に旅行歴があります。通常、雨期に限定され、毎年9月から11月にかけて発生します。過去5年間、この時期に報告された国内感染患者が4人を超えることはありませんでした。

公衆衛生上の取り組み

・国内のWHO事務所とWHOマラリア感染制御プログラムは、現在、急激な患者の増加に対応するために、保健省に技術支援の提供を続けています。
・感染予防キャンペーンが、ラジオやテレビを通じて行われ、予防対策の実施と媒介する蚊の駆除が進められています。
・現地の青年グループが、マラリアの予防と制御のために、地元地域で一軒毎に教育を普及させるキャンペーンを続けています。

発生状況への認識

 カーボヴェルデは、アフリカでは数少ないマラリア発生率が非常に低い国です。この国では、2014-2017年のマラリア撲滅準備対策と2018-2020年の撲滅対策を取り入れました。しかし、マラリア撲滅法案は、未だに、政府と支援組織からは採択されてはいません。このため、このリスクの低い国で、感染伝播がピークとなる季節外にマラリアの国内感染の増加が見られる現状は、懸念を抱かせます。(マラリアへの)免疫力をもった人が限られているため、年齢に関係なく、すべての住民に感染と重症化への進展のリスクがあります。また、感染の発生に効果的に対処する能力には限界があります。(感染伝播がピークとなる)雨季が近づくにつれて、昆虫調査や媒介する蚊の駆除を含めた適切なマラリアの感染制御への戦略が作成され、実施されることが重要となります。さらなる調査で、リスク要因を確認し、感染流行への対策を導く必要があります。

出典

AFRO/WHO. Outbreaks and emergencies updates, Programmes. 1 September 2017
Weekly Bulletin on outbreaks and other emergencies. P.4. Week 35: 26 Aug - 1 Sep 2017.
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/258888/1/OEW35-268192017.pdf