2017年12月12日更新 コレラの発生 - ザンビア

 2017年12月11日にWHOから公表された情報によりますと、2017年10月6日から、ザンビアの首都ルサカではコレラの流行が保健省から宣言されています。

記事の詳細情報

 ザンビア保健省は、2017年10月6日に、Lusaka(首都ルサカ)でのコレラの流行を宣言しました。9月28日の流行の開始以来、12月7日までに、死亡者15人(致死率1.8%)を含め、患者547人が報告されました。9月28日から10月20日にかけてが、最初の流行期でした。10月21日から11月4日までは、報告された週毎の患者数が5人以下となっていました。ところが、11月5日から(再び)患者数の増加がみられ、11月26日から始まる週には合計136人の患者が報告されました。

 コレラ流行は、最初に、Chipata地区で発生し、2017年10月9日頃にKanyama地区に拡がりました。この流行は、ルサカ市西側の都市近郊の町村から東側Chelstone地区へと新しい患者(の発生)が拡がっていきました。感染の発生した地区には、Chipata、Kanyama、Chawama、Matero、Chilenje、Chelstonなどがあります。Chipata、Kanyama、MateroおよびBauleniのコレラ治療センターでは、現在も、患者62人が治療中です。患者の3分の1は5歳未満の子ども、3分の2は5歳以上でした。

 合計で検体282本に迅速診断検査が実施され、そのうちの230本が陽性となりました。310件の培養検査が行われ、このうち53件でコレラ菌O1小川型(Chipataで48件、Kanyamaで4件、Bauleniで1件)に陽性でした。Kanyama、Matero、Chipataでの(対策)活動が強化され、すべての地区で水質の調査と監視が続けられています。これまでのところ、検査された水源の約42%で糞便大腸菌または大腸菌に汚染されていたことが示されています。

公衆衛生上の取り組み

 現在、次のような公衆衛生上の対策が実施されています。
・保健省は、WHOや支援組織と連携しながら、この流行の制御に当たっています。
・患者を管理するために、Chawama、Chipata、Kanyama、Matero、Bauleniの5地区にコレラ治療センターが開設されました。これまでに、患者441人が無事に治療を終え、退院しました。
・コレラ流行に向けたガイドラインと基本となる操作手順の改正が行われ、医療従事者での共有が図られています。
・ルサカ地区の施設では、精力的に、調査活動、健康教育、塩素による消毒、接触者の追跡、環境の健康への影響調査が続けられています。
・地元の行政は、保健省と協力しながら、(細菌)汚染された取水源の閉鎖に着手し、感染の発生した地区に供給する水の改善を図り、WASH(健康/水と衛生の環境を整備する)活動を行っています。この活動には、家庭用塩素剤の提供、溜め込み式のトイレの消毒、水タンクの設置、浄水器の設置、水質の調査と監視の強化などが含まれます。
・ルサカ市議会は、ゴミの収集を強化し、Kanyama地区とChipata地区を優先地区に指定して、下水処理タンクを空にしました。

WHOによるリスクアセスメント 

 現在の流行は、ザンビア最大の都市ルサカで発生しています。感染が発生した中心地区ChipataとKanyamaは、人口が密集しており、十分な水と衛生環境の基盤が整備されていません。そのため、コレラの拡大には好条件となっています。この流行における感染伝播の根本原因には、(細菌)汚染された水の供給、(細菌)汚染された食べ物、不十分な衛生環境、低い衛生習慣への意識などが関係しています。

 雨季の到来と、十分な水と衛生環境が整備されていないことが重なり、ルサカおよびその他の地域では、流行のリスクが高まっています。(感染対策への)取り組みの準備の一環として、コレラ対策に向けた十分な供給物資が得られる必要があります。

 ザンビアは、近隣諸国から約6万人の難民(2017年9月時点)を抱えています。難民の大部分は、コンゴ民主共和国(DRC)から来ており、主にルサカから1,000km以上離れたNchelenge難民キャンプに居ます。難民の流入で人が溢れたことにより、集落には、一時居住施設、医療施設、WASH(健康/水と衛生の環境を整備する)を行うための施設などに高い必要性が生じました。ほとんどの難民、特に子どもは健康状態が悪くなっています。そのため、コレラが流行するリスクが高まっています。衛生環境は、受け入れ場所での課題です。DRCの安全への状況を考えると、さらなる難民の流入が予想されます。

WHOからのアドバイス

 WHOは、コレラ治療センターで適切かつ適時に患者を管理すること推奨しています。飲み水と衛生設備の利用環境を向上させ、感染の発生した地域での衛生管理と食べ物の安全対策の向上を図ることが、コレラの感染制御への最も有効な手段です。経口コレラワクチンは、流行の制御にも使用することができます。公衆衛生上の伝達されるべき重要な情報が提供される必要があります。

 WHOは、入手できた情報に基づく限り、ザンビアへの旅行や貿易に関するいかなる制限にも行うべきではないと助言しています。

出典

WHO. Disease outbreak news, Emergencies preparedness, response. 11 December 2017
Cholera - Zambia
http://www.who.int/csr/don/11-december-2017-cholera-zambia/en/