2017年12月28日更新 住血吸虫症(10の事実)

 WHOより世界の住血吸虫症の発生情報についての記事が掲載されています。

 住血吸虫症(Schistosomiasis)は、住血吸虫(Schistosoma)属の糞便虫(Trematode worms)が原因によって引き起こされる急性および慢性の寄生虫症です。2016年に少なくとも2億600万人が治療を必要としました。何年にもわたって治療を繰り返せば、罹患率を低下させ予防することができます。住血吸虫症の感染制御に向けたWHOの戦略では、プラジカンテルによる定期的に狙いを定めた治療を実施することで、この病気の罹患率を減らすことに焦点が当てられています。これには、リスクに曝されているすべての人への定期的な治療が含まれています。

事実1 :かなり多くの人々が住血吸虫症の治療を必要としています
 2016年に、少なくとも2億600万人が住血吸虫症の治療を必要としたと推定されています。実際に、2016年に報告された患者数は8,920万人でした。

事実2:感染は、(住血吸虫で)汚染された淡水に接することで生じます
 人々は、日常的に、農業、家事、職業、遊びなどの間に(住血吸虫で)汚染された淡水の水源に接することで感染します。

事実3 :住血吸虫の幼生は、淡水の巻貝から放出されます
 寄生虫の幼生が淡水の巻貝から放出され、寄生虫を含んだ水と接している間に皮膚を突き破って侵入することで、人は感染します。

事実4:住血吸虫症は熱帯と亜熱帯地域に広く常在しています
 住血吸虫症は、安全性を欠いた水源や不十分な衛生環境を伴う貧困な地域に、特に広く常在しています。少なくとも、治療を必要としている人々の90%がアフリカに住んでいると見られています。

事実5:移動民の増加で、この病気が新たな地域に持ち込まれています
 都会への移動民の増加や住民の移動(自体)が増えていることで、住血吸虫症が新たな地域に持ち込まれています。人口規模の拡大やそこでの電力と(生活)水の需要は、しばしば、ダムの建設などの開発計画と環境の変化をもたらし、このことは感染の伝播を促進させます。

事実6:住血吸虫症の経済と健康への影響はかなりのものです
 子どもには、大抵は治療によって影響が回復しますが、住血吸虫症は、貧血や、発育障害、記憶力の低下などを引き起こします。一部の患者では、住血吸虫症は人の(臓器)機能にも影響を及ぼし、死亡原因にもなります。会陰部の脱出、出血、性交時痛などの症状を伴う女性生殖器への住血吸虫症の感染(FGS)は、不妊症を起こすことがあります。

事実7:尿や糞便の検体で、住血吸虫症を検出することができます
 泌尿生殖器に寄生する住血吸虫症は、尿中の血液の存在(血尿)によって簡単に検出することができます。消化管に寄生する住血吸虫症は、腹痛や下痢、血便を引き起こすことがあり、糞便検体で診断します。

事実8:プラジカンテルが住血吸虫症の治療に使えます
 住血吸虫症の治療は、(感染)リスクのある住民への大規模なプラジカンテルを使った利用を基本とします。WHOはすべての種類の住血吸虫症に対してプラジカンテルでの治療を推奨しています。この薬剤は、有効かつ安全で、大規模(住民への)治療キャンペーンでは無料で配布されています。

事実9:WHOは治療方法を作成し、推奨しています
 WHOは、コミュニティに到達し、プラジカンテルによる大規模(住民への)予防的治療を簡素化し、地域に行きわたらせるための単純化方法と推奨事項も作成しています。この他にも、住血吸虫症の感染制御の手段には、衛生環境の改善、清潔な飲料水の供給、健康教育、および淡水の巻貝の駆除などがあります。

事実10:WHOは、プラジカンテルと実施に向けた人的・物的資源の利用環境の向上を奨励しています
 WHOは、住血吸虫症の感染制御に向けて人的・物的資源と医薬品を提供するために、保健省、(医薬品)開発の関係機関、製薬分野、非営利団体、および地域社会とを繋ぐ役目を果たしてきました。

出典

WHO. Fact files, Media centre. Updated December 2017
10 facts about schistosomiasis
http://www.who.int/features/factfiles/schistosomiasis/en/