2018年02月26日更新 ラッサ熱の流行- リベリア

 ラッサ熱は、西アフリカの風土病で、毎年、12月から6月に季節に伴う流行が発生します。2018年2月22日にWHOから公表された情報によりますと、リベリアからもラッサ熱患者が報告されました。

記事の詳細

 2018年1月9日に、リベリアNimba(ニンバ)郡Gantaの病院に、発熱、頚部痛、体幹の疼痛、嘔吐を発症したギニア人患者が入院しました。患者は、1月11日に死亡するまで、リバビリンで治療されました。患者は、2017年12月29日に、初めて症状を自覚しました。リベリアで入院する前に、彼女は、ギニアNzérékoré(ンゼレコレ)州Diéckéで治療のために医療施設を受診しました。そこで、腸チフスとマラリアの治療を受けました。

 2018年1月10日に、検体が採取され、リベリア国立中央検査施設でのRT-PCR法検査によってラッサ熱に陽性と判明しました。この患者は、Gantaで、1月11日に安全と尊厳を保って埋葬が行われました。

 リベリアでは、1月18日までに、Gantaの病院の16人と家族12人、合計28人の接触者が確認されました。ギニアでは、医療従事者22人を含む28人の接触者が確認されました。1月18日までに、患者との接触者2人が症状を示しました。しかし、両者ともに、ラッサ熱に対するRT-PCR法検査は陰性でした。その他の接触者は、現在、経過観察期間をすべて完了しています。

 ラッサ熱は、リベリアに常在する病気です。2017年1月1日から2018年1月23日までに、Bong[ボン]、Grand Bassa[グランドバッサ]、Grand Kru[グランドクル]、Lofa[ロファ]、Margibi[マージビ]、ニンバの6郡から91人の疑い患者が報告されました。これらの患者のうち、死亡者15人(確定患者における致死率は45.4%)を含む33人が検査で確認されました。

公衆衛生上の取り組み

・リベリアでは、この事態に対応するためにニンバ郡調査室が責任をもって主導しています。
・緊急対策チームがGantaに派遣され、調査の指示がギニアDiéckéに出されました。国境を越えた疫学調査も行われています。
・ギニアでは、疫学専門家、感染症専門医、検査技師によって詳しい調査が行われています。
・調査活動が、地区と郡レベルで強化されています。両国で、接触者の追跡と精力的な患者の探索が行われています。
・ギニアDiecké Primary Healthcare Center(総合医療センター)では、接触者24人と有熱者3人から合計27検体が採取されました。
・感染制御への対策がDiecké の公立と民間の医療施設で強化されています。
・Diecké の公立と民間の医療施設および入国地点では、模式図入りのラッサ熱の情報提供書を利用できるようになっています。
・リベリアのニンバ郡とギニアのDiéckéでは、ラッサ熱のリスクと予防法への注意を高めるために、地域社会の参画や注意力の向上への活動が行われています。
・潜在的に国境を越えて伝播することがあるため、リベリアとギニアのWHO事務所はこの事態に対して、互いに情報を共有し、協調して対処しています。

WHOのリスク・アセスメント

 ラッサ熱は、急性ウイルス性出血熱です。ネズミの尿や糞で汚れた食べ物や日用品に触れることで人に感染します。人から人への感染、検査施設での感染も起こります。この病気の全体での致死率は、約1%です。しかし、重篤な入院患者の間では15%もしくはそれ以上になります。早期の治療と電解質の補正で生存率を向上させることができます。ラッサ熱は、毎年、リベリアの各地や西アフリカ(の国々)で流行を起こしています。

 リベリアで毎週報告されるラッサ熱患者数の傾向は、2017年1月から2018年2月18日に至るまで安定した状態に留まっています。公衆衛生上の取り組みは、リベリアのニンバ郡と国境を接するギニアの地域で備えておくことに焦点を当てる必要があります。症状のある患者の発見、接触者の追跡、検査への支援、リスク情報の普及活動などを続けることが必要です。リベリアの各郡での人々の動き、ニンバ郡とギニアとの国境を越える大量の人々の動きはありますが、この病気の大規模な感染伝播も、ギニアでの集団感染の発生も報告はされていません。

WHOからのアドバイス

 ラッサ熱の予防は、ネズミが家に侵入しないように衛生環境をよくすることに左右されます。医療施設の環境では、関係者は、患者の世話をする際、院内感染を予防するために、標準的な感染の予防と制御のための対策を徹底することが必要です。稀な例ですが、ラッサ熱が常在している地域から戻った旅行者が、この病気を他の国に感染輸出することがあります。西アフリカから戻ってきた有熱者、特にラッサ熱が常在する国の農村地域や病院にいたことのある有熱者には、ラッサ熱の診断を鑑別に入れる必要があります。ラッサ熱が疑われる患者を見つけた医療従事者は、速やかに地元と​​国の専門家に連絡し、アドバイスを求め、検査施設での検査を手配する必要があります。

出典

WHO. Disease outbreak news, Emergencies preparedness, response. 22 February 2018
Lassa Fever - Liberia
http://www.who.int/csr/don/22-february-2018-lassa-fever-liberia/en/