2018年03月28日更新 リステリア症を予防するために-WHO/AFRO

 2018年3月20日に、AFRO(WHOアフリカ地域事務局)から公表された情報によりますと、南アフリカ共和国で発生したリステリア症の集団感染について、その製品が輸出されているアフリカ16か国にも注意が呼びかけられています。

記事の内容

 WHOは、2017年に南アフリカ共和国で始まったリステリア症の集団発生への備えと対策のための支援を、アフリカ16か国に到達させています。この集団感染は、現在も、アフリカ大陸の他の国々に脅威を与えています。

 南アフリカ共和国で広く消費されている食肉製品が細菌で汚染された結果、2017年1月以降に200人近くの南アフリカ人が死亡しています。これらの製品は、西アフリカ2か国と南部アフリカ開発調整会議(SADC)の14か国に輸出されています

※アンゴラ、ボツワナ、コンゴ民主共和国、ガーナ、レソト、マダガスカル、マラウイ、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、スワジランド、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ

 南アフリカ共和国の保健当局は、最近、国内Polokwane(ポロクワネ)の工場が発生源であると断定しました。これにより、食料品の国内外からの返品を促しました。しかし、リステリア症は長い潜伏期間をもつ潜在力があり、課題に大掛かりな全国での返品プロセスが関係することを考えると、さらに患者が発生する可能性があります。

 ナミビアでは、リステリア症の患者1人が確認されました。この患者は、3月初旬に入院しました。この患者が南アフリカ共和国での集団感染に関係しているのかについて調査が進められています。

 WHO健康緊急プログラム、世界規模の感染症に対する警戒と対応ネットワーク(GOARN)と国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)は、感染発生の可能性に備え、発見し、対処するための能力を向上させるために、特にリスクのある16か国と共同で対策に当たっています。

 直ちに行うべき行動には、リステリア症への関心を高め、積極的な調査活動と診断検査を強化し、確実に緊急対策チームを整備しながら、緊急対策の計画を主導し強化することなどがあります。こうした取り組みを支援するために、南アフリカ共和国、レソト、スワジランドに専門家が派遣されました。

 WHOアフリカ地域事務局長Matshidiso Moeti博士は、次のように述べています。「この集団感染は、この地域のそれぞれの国が食品の安全と疾病への監視体制を強化すべきことを呼び覚ましています。」

 細菌で汚染された製品、その製造会社、そして患者から分離されたリステリア菌株は、分離されたリステリア菌株の全ゲノム(遺伝子)配列を決定することで結び付けられました。WHOは、現在の集団感染において、どの事例が関係しているかを判断するために、さらなる遺伝子配列の決定への支援を行っています。

 南アフリカ共和国は、リステリア症に対する地域レベルでの備えと対策に取り組むために、3月にSADC(各国)保健相会議を開催しました。閣僚らは、国際基準に沿って、地域協力、情報交換、国家食品安全システムの強化を行うことを確認しました。

 WHOは、現在、感染源が特定された製品の返品の他には、今回の南アフリカ共和国におけるリステリア症の集団感染に関連する如何なる貿易措置も勧めてはいません。

 それぞれの国には、サルモネラ菌、カンピロバクター属、大腸菌、リステリアなど、一般的な食品由来の病原菌に注意を払い、国際保健規則(2005年)に沿ってリステリア症の感染発生をWHOに届け出るとともに、WHOガイドラインを利用した食品由来の病気への調査と対策を強化することが促されています。

出典

AFRO/WHO. News, South Africa, Countries. 20 March 2018
WHO supports 16 African countries to protect against Listeriosis
http://www.afro.who.int/news/who-supports-16-african-countries-protect-against-listeriosis