ポリオ(急性灰白髄炎)
Polio (Acute poliomyelitis)
ポリオはポリオウイルスによる中枢神経系病変により急性麻痺症状をきたす疾患です。日本では、1964年より実施されている経口生ワクチンの定期接種の成果により、現在ポリオの発生はみられなくなりました。
しかし、1975年(昭和50年)から1977年(昭和52年)生まれの人は、予防接種によるポリオ免疫の獲得が特に低いことが指摘されています。ポリオ常在国に渡航するときや、自分の子どもがポリオワクチン接種を受けるときには(ワクチンとして投与されたポリオウイルスが循環し変異を起こしたポリオウイルスでポリオを発症することがあるため)、ポリオワクチンの追加接種が勧められています。
1 病原体と感染経路
ポリオウイルスはピコルナウイルス科エンテロウイルス属(Enterovirus)に属し、1,2,3型の3種類があります。1型は大流行の原因となることが多く、また麻痺型ポリオ患者からよく分離されます。
ポリオウイルスは感染者の糞便や唾液などに排泄され、汚れた手指や飲食物、玩具などを介して、まれに汚染された飲食物(ミルクや水など)を通して経口的に感染します。
2 症状
潜伏期間は3〜21日、通常7〜12日です。感染しても90〜95%は無症状です。4〜8%は軽症であり、かぜのような症状や胃腸症状(咽頭(のど)痛、咳、発汗、下痢、便秘、悪心など)を示します。0.5〜1%はこの症状に髄膜炎症状を伴います。感染者の0.1%が麻痺型ポリオを呈します。典型的な麻痺型ポリオでは、1〜2日のかぜ症状の後、解熱に前後して急性の筋肉、特に下肢の麻痺が起きます。麻痺は下肢に起きることが多いです。
3 治療方法
対症療法だけで特別の治療法はありません。安静保温、麻痺肢の固定と温湿布、後遺症に対する理学療法を行います。
4 予防方法
- ○ポリオワクチンの予防接種
日本では定期接種を生後3ヶ月から90ヶ月未満の間に、6週間以上の間隔をあけて2回行います。
ポリオワクチン未接種の小児が流行国へ渡航する場合、スケジュールを早めて接種します。またポリオワクチンの接種を受けている場合は、流行国やポリオの根絶国でも衛生状態の悪い地域への渡航の場合、追加で1回接種することを考慮します。(定期接種を2回受けていれば、年齢を問わず1回接種すればよいと考えられています。)
- ○手洗いの励行
流行国では、食事の前に手洗いを十分に行い、経口感染を予防します。
5 ポリオのリスクのある地域
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出典:WHO International travel and health 2009 |
【2009年4月更新】
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