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検疫所最新ニュース(2010年)

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2000年 1999年

黄熱の流行 − ブラジル

CDC Travelers’ Health, Outbreak Notice 2010年2月26日

○流行状況

ブラジル南部全域、特にリオ・グランデ・ド・スル(Rio Grande do Sul)州とサンパウロ(São Paolo)州で、黄熱の患者が発生しています。黄熱は、サハラ以南のアフリカと南米の熱帯地域で発生し、感染した蚊に刺されることによって人に広がります。症状には、突然の発熱、悪寒、頭痛、背部痛、悪心、嘔吐があります。

2008年12月から2009年4月まで、ブラジルの南端にあるリオ・グランデ・ド・スル州では、黄熱と確定診断された患者20人が報告されました。このうち9人が死亡しました。リオ・グランデ・ド・スル州での黄熱患者の報告は、1966年以降初めての報告でした。ブラジル保健省は、この状況に対応して、黄熱の感染リスクのある地域として、州都であるポルト・アレグレ(Porto Alegre)を含む数ヶ所の自治体を加えました。

2009年2月から4月まで、ブラジル南部のサンパウロ州では、黄熱と確定診断された患者28人が報告され、このうち11人が死亡しました。患者は、黄熱の感染リスクがあると報告された地域外の自治体で発生しました。ブラジル保健省は、この状況に対応して、黄熱の感染リスクのある地域として、サンパウロ州の数ヶ所の自治体を加えました。

○黄熱の感染リスクのある地域

現在、ブラジルでは、以下の州への渡航者に黄熱ワクチン接種を推奨しています。

以下の州全域:
アクレ(Acre)州、アマパ(Amapá)州、アマゾナス(Amazonas)、首都ブラジリアを含む連邦直轄区(Distrito Federal)、ゴイアス(Goiás)州、マラニョン(Maranhão)州、マットグロッソ(Mato Grosso)州、マットグロッソ・ド・スル(Mato Grosso do Sul)州、ミナスジェライス(Minas Gerais)州、パラー(Pará)州、ロンドニア(RondÔnia)州、ロライマ(Roraima)州、トカンティンス(Tocantins)州

以下の州の指定地域:
バイーア(Bahia)州、パラナ(Paraná)州、ピアウイ(Piauí)州、リオ・グランデ・ド・スル州 、サンタカタリーナ(Santa Catarina)州

イグアスの滝を訪れる渡航者に対しても、ワクチン接種が推奨されています。

以下の沿岸部の都市への渡航者に対しては、ワクチン接種は推奨されていません:
リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)市、サンパウロ(São Paulo)市、サルバドル(Salvador)市、レシフェ(Recife)市、フォルタレザ(Fortaleza)市

ブラジル国内の、黄熱の感染リスクのある地域については、以下の地図を参照してください。

ブラジルの黄熱のリスク地図 (CDC、英語)

州内の一部地域で流行している州の、特定の自治体での黄熱の感染リスクについての情報は、ブラジル保健省の、黄熱リスク地域を検索するためのポータルサイトを参照してください。

ブラジル保健省のポータルサイト (ポルトガル語)

○渡航者に対する推奨

ブラジルでは、現在、入国に際し、黄熱ワクチン接種を要求していません。しかし、黄熱の感染リスクのある地域に渡航する前には、黄熱ワクチン接種が強く推奨されます。

黄熱は、感染した蚊に刺されることによって広がりますので、渡航者は、蚊に刺されないように予防手段を講じることについても注意が必要です。




黄熱についてはこちらをご覧下さい:
感染症情報:黄熱
国別情報:ブラジル
黄熱予防接種要求国


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パンデミック・インフルエンザ(H1N1)−更新

WHO(GAR)  2010年2月26日

○今週の更新情報

2010年2月21日現在、世界中の213以上の国や地域から少なくても16,226人を超える死亡例を含む、パンデミック・インフルエンザH1N1 2009の検査確定症例が報告されています。

WHOは、WHO地域事務局や加盟国との頻繁な協議や、複数のデータのモニタリングを通して、流行の経過を積極的に監視しています。

最新の状況:

北半球の温帯地域では、パンデミック・インフルエンザウイルスは多くの国の全域で検出され続けていますが、ほとんどの場所では、全体としてのインフルエンザの活動性は弱まり続けています。現在、感染が最も活発な地域は、南・東南アジアの一部と、東部・南東部ヨーロッパの限られた地域です。

東南アジアでは、パンデミック・インフルエンザウイルスの流行が続きましたが、全体としての呼吸器疾患の活動性は、数ヶ国を除き、低いままで変化はありませんでした。ブルネイでは、2月に、インフルエンザの活動性が地理的に広範囲にわたっていると報告され、これに関連して、呼吸器疾患が増加傾向にあり、強くなっていました。ミャンマーとタイは、2月前半に、インフルエンザの地理的な広がりに関連して、呼吸器疾患が増加傾向にあると報告しましたが、両国ともに、現在の全体的な強さは弱いままです。タイは、直近の報告週で、約3分の1の県では、医療機関受診者の5%超がILIによる受診であったと報告しました。東アジアでは、ウイルスのサーベイランスデータによれば、パンデミック・インフルエンザウイルスと季節性のB型インフルエンザウイルスの同時流行が続いていると示唆されます。モンゴルにおいて、最近、ILIの活動性が増加したのは、季節性のB型インフルエンザウイルスの流行が増加したことによるのかもしれません。日本と韓国では、全体的なインフルエンザの活動性は減少し続けており、ベースラインの水準に戻っています。香港と台湾では、パンデミック・インフルエンザウイルスは低い水準での流行が続いており、全体的なILIの活動性は、活動性のピークがみられた秋に比べ、かなり低い状態です。南アジアでは、全体的なインフルエンザの活動性は低いままですが、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は、インド西部で続いています。

ヨーロッパでは、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は、中部と南東部ヨーロッパ全域で続いていますが、全体的な活動性は低いままでした。ギリシア、ブルガリア、トルコ、スロバキア、モルドバ、ロシアの一部は例外で、呼吸器疾患の活動性が中等度との報告が続きました。グルジア、スロバキア、ロシアの一部では、呼吸器疾患が増加傾向であるとの報告が続きましたが、この活動性の増加は、呼吸器感染症を起こす他のウイルスの流行によるものかもしれません。20検体以上の定点呼吸器検体を検査している国で、最近の報告週にインフルエンザの陽性検体が20%を超えたと報告した国はありませんでした。

北アフリカと西アジアでは、ほとんどの国では、呼吸器疾患の割合は減少し続けたか、ベースラインに戻っており、パンデミック・インフルエンザウイルスの流行は低い水準で続いています。アフガニスタンでは、医療機関に対する影響が中等度の、呼吸器疾患の増加傾向が報告されましたが、この最近の増加がインフルエンザウイルスの流行に関連しているかどうかは不明です。

サハラ以南のアフリカでは、限られたデータですが、ほとんどの地域では、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は散発的な状態が続いたと示唆されます。西アフリカでは、数ヶ国で、パンデミック・インフルエンザの確定患者数のわずかな増加が報告され続けており、この地域で感染が始まっているようだということを示していますが、データは非常に限定されたものです。

アメリカ大陸では、熱帯地域も、北部の温帯地域も、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は低い水準で続いていますが、大部分の地域では、全体的なパンデミック・インフルエンザの活動性は、減少か、低いままの状態が続きました。中米とカリブ海沿岸諸国では、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は持続していますが、大部分の地域では、全体的な活動性は低いか、変化がないままです。

パンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009ウイルスは、世界中で流行している優勢なウイルスとしてとどまっています。最近、中国で、季節性のB型インフルエンザウイルスの検出割合が増加したことに加え、アフリカとアジアの一部で、季節性のH3N2とB型のウイルスが低い水準で流行しています。

要約しますと、パンデミック・インフルエンザウイルスは熱帯地域で広く流行が続いており、ヨーロッパの一部の地域で流行が続いています。世界の多くの地域で呼吸器疾患の活動性が増加しているのは、B型インフルエンザウイルスとRSウイルスの感染が増加していることによります。季節性のH3N2インフルエンザはアジアと東アフリカ地域で検出され続けています。

グローバルインフルエンザサーベイランスネットワーク(GISN)は、パンデミック・インフルエンザウイルスや季節性のインフルエンザウイルス、その他のインフルエンザウイルスを含む、人に感染する、あるいは人に感染する可能性のあるインフルエンザウイルスの世界的な広がりを監視し続けています。ウイルス学的なサーベイランスと抗ウイルス薬に対する耐性についてのより詳しい情報は、下記のウイルスのサーベイランスデータの更新情報を参照してください。

ウイルスのサーベイランスデータの更新情報

パンデミック・インフルエンザA(H1N1)2009ウイルスのオセルタミビル耐性についての更新情報

(*):温帯地域とは、北回帰線の北にある、または南回帰線の南にある地域、そして、熱帯地域とは北回帰線と南回帰線の間にある地域と定義します。
(**):略記として、 インフルエンザ様疾患(ILI)、急性呼吸器感染症(ARI)、重症急性呼吸器感染症(SARI) と記載しています。

WHOによるパンデミック(H1N1)2009感染患者のための臨床管理ガイドライン

WHOによるパンデミック(H1N1)2009インフルエンザとその他のインフルエンザウイルスの薬理学的管理のためのガイドライン

インフルエンザの活動性とウイルスの亜型(第6週:2010年2月7日〜2月13日)

説明:示されたデータは最近2週間で、Flunet、WHOの地域事務所、保健省のウェブサイトに報告された最近のデータを反映しています。インフルエンザ陽性検体のパーセントは、季節性あるいはパンデミック・インフルエンザの陽性検体すべてを含んでいます。円グラフは、インフルエンザ陽性検体の全数でのウイルスの亜型の分布を示しています。概要がつかめるように、利用できる国のデータは、同じようなインフルエンザの感染様式を示す広い地域でまとめています。

質的な指標(第29週〜第6週:2009年7月13日〜2010年2月13日)

質的な指標としてモニターされている事象:インフルエンザの地理的な広がり、呼吸器疾患の傾向、急性呼吸器疾患の強さ(急性呼吸器疾患患者が人口に占める割合)、パンデミックが医療サービスに及ぼす影響

全世界的調査のために更新されたWHOの暫定ガイダンス
パンデミックの全世界的なモニタリングとサーベイランスの目的と方法については、この暫定ガイダンスを参照してください。

以下のリンク先に示されている地図は、質的な指標を示します。各週、約60ヶ国の情報を示しています。モニタリングは継続中であり、報告は時間が経過するとともに完全なものになると思われます。

質的な指標の定義
質的指標を示した地図

  1. インフルエンザの地理的な広がり
  2. 前週と比較した呼吸器疾患の傾向
  3. 人口における急性呼吸器疾患の強さ
  4. 医療サービスに及ぼす影響

2010年2月21日現在、IHR(国際保健規則)によってWHOに公式報告された、パンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の検査確定診断症例数

感染者が確認された国と、死亡例が確認された国を示した地図

前回の更新情報(2月19日付)から、新たにパンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の確定例が報告された国や地域:ニジェール

前回の更新情報(2月19日付)から、新たにパンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の死亡例が報告された国や地域はありません

地域 死亡者数
アフリカ地域事務局(AFRO) 167
アメリカ地域事務局(AMRO) 7484超
東地中海地域事務局(EMRO)  1018
ヨーロッパ地域事務局(EURO) 4266超
東南アジア地域事務局(SEARO) 1601
西太平洋地域事務局(WPRO) 1690
総数 16226超

死亡者の報告数は、多くの死亡者で検査を実施しないか、インフルエンザに関連していると認識されないので、実際の死亡者数を下回ります。



厚生労働省ホームページ:新型インフルエンザ対策関連情報
各国の感染症関連情報について
在アメリカ日本国大使館
在メキシコ日本国大使館


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チクングニヤ熱−モルディブ

Eurosurveillance, Volume 15, Issue 8 2010年2月25日

チクングニヤウイルスは、蚊によって媒介されるアルファウイルスで、アフリカとアジアの熱帯地域で流行がみられる、急性熱性発疹性疾患です。チクングニヤ熱は、インド洋の島での再興と、その後、南アジアに広がったことにより、海外渡航者での報告が増加しています。さらに、アフリカと南アジアの数ヶ国ではウイルスの流行がみられ、渡航者で疾患が発生することに関与しているのかもしれません。この病気は、インド洋では、ケニアで2004年、レユニオン島で2005年、インド南部で2006年に最初の流行が起こり、アウトブレイクが広範囲に続き、モルディブ諸島では2007年に発生したと思われています。ここでは、2009年1月にチクングニヤ熱のアウトブレイクが始まったと報告された、モルディブのマレ島から帰国したフランス人の渡航者におけるチクングニヤ熱の患者について報告します。

患者は30代の男性で、周期的に繰り返す発熱(40℃まで)と、頭痛、全身の筋肉痛、主に指・手首・膝・足首に起こったひどい関節痛、かゆみのある発疹が3日間続き、ボルドーの大学病院にある内科・熱帯疾患科の渡航者クリニックを受診しました。モルディブのマレ島の北部に14日間滞在して、2日前に帰国しました。

受診時、軽い斑状発疹が体幹と手足にみられ、右膝と手足の小関節がわずかに腫れていました。

受診後に熱は下がりましたが、ひどい関節痛は、対症療法を行ったものの、12月末まで、6週間以上続きました。

この地域は、おそらく、インド洋地域で、最も人気のある渡航先の1つでしょう。このことは、この地域から帰国した渡航者で、症状が出現して、医療機関を受診する人が増加することにつながるのかもしれません。そのため、このような患者では、チクングニヤ熱は、デング熱とともに、インドやインド洋地域で同じように流行し、症状も似ていると思って、重要な鑑別診断として考慮に入れなければなりません。

モルディブでは、10年以上、デング熱が、蚊によって媒介される疾患として報告された唯一の疾患でした。ネッタイシマカやヒトスジシマカはデングウイルスを媒介しますが、チクングニヤウイルスも媒介します。モルディブでは、どちらも確認されており、マレ島では媒介蚊として、ネッタイシマカが優勢です。最初のチクングニヤ熱のアウトブレイクは、2006年12月から2007年4月に起こりましたが、集団免疫がなかったため、突然の発生で、高い発病率でした。病気の流行は、西アフリカやマレーシアのように、ウイルスが流行しない20〜30年の間隔をあけて起こるかもしれません。渡航者での確定診断がついた輸入例は、インド洋地域でチクングニヤ熱の流行が広がって、ウイルスが風土的に流行しているという仮定を支持します。




チクングニヤ熱についてはこちらをご覧下さい:
感染症情報:チクングニヤ熱
国別情報:モルディブ


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黄熱患者の発生−カメルーン

WHO(GAR)  2010年2月24日

黄熱患者の発生

2010年2月17日、カメルーン保健省は、西部地域のBanjoun 地区( district) とFantun 地区( district)において、3例の黄熱を報告しました。

最初の症例は、Bandjoun 地区Bandrrefan 村(village)の28才男性です。その男性は、2009年12月末に、腹痛、黄疸、発熱で発症しました。黄熱予防接種歴はなく、受診3日後の2010年1月7日に死亡しました。

同時期に、2例目として、同じ村の19才男性が、その地区病院を受診した3日後の2010年1月23日に死亡したと報告されました。  その2番目の症例は、通常の黄熱サーベランスを通じて、確認されました。

その両方の症例からの検体はカメルーンのパスツールセンターと、セネガルのダカールにあるパスツール研究所の、黄熱の地域レファレンスセンターの検査により確定されました。

2例の同定に引き続き、2009年12月、Bandjoun 地区に隣接するFantun 地区において流行調査が行われました。その調査により、3番目の症例として、2009年10月に死亡した40才男性が、確認されました。その症例は後の検査により、黄熱と確定されました。 この患者に接触した77人の血清が採取されましたが、全員、黄熱は陰性と分析されました。

カメルーンでは、2009年5月に740万人が住む62のリスク地区において、大規模な予防接種キャンペーンが実施されました。しかし、Banjoun 地区 とFantun 地区の両方の地区は、2009年5月に予防接種キャンペーンが実施された際、黄熱の患者がみられなかったので、予防接種キャンペーンの地区ではありませんでした。

保健省は、Banjoun 地区 とFantun 地区の254,355人に対して予防接種を計画しています。カメルーンは、黄熱ワクチンの世界的な緊急用の備蓄を管理する黄熱に対するワクチン供給の国際調整グループ(YF-ICG)からの支援を要求しています。ICGは、世界保健機関を通じてGAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)により資金提供される予防接種キャンペーンへの援助を承認しています。




地図入りパンフレット:
黄熱の流行 - カメルーン

黄熱についてはこちらをご覧下さい:
感染症情報:黄熱
黄熱予防接種要求国


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狂犬病−アメリカ

CDC United States Rabies Surveillance Data, 2008  2010年2月23日

○アメリカの狂犬病

2008年、49州とプエルトリコで、動物の狂犬病が6,841例、人の狂犬病が2例報告されました。

原因となった動物の93%は野生動物で、7%が飼育されていた動物でした。主な動物としては、アライグマが2,389例(34.9%)、コウモリが1,806例(26.4%)、スカンクが1,589例(23.2%)、キツネが454例(6.6%)、ネコが294例(4.3%)、イヌが75例(1.1%)、ウシが59例(0.9%)を占めていました。

人の感染例の2例のうち、1例はカリフォルニア州で報告されました。メキシコからの移民で、おそらく、メキシコオヒキコウモリに関連した、新たに確認された変異株の狂犬病ウイルスが原因でした。別の1例は、ミズーリ州からの報告でした。ヒガシアブラコウモリとシルバーコウモリに関連した変異株の狂犬病ウイルスが原因でした。

現在、アメリカ国内で確認されている、狂犬病ウイルスを保有している動物の境界を示した地図

この地図では、アライグマ(raccoons)、スカンク(skunks)、キツネ(foxes)、コヨーテ(coyotes)の分布を示しています。

○ニューヨーク市 アッパー・マンハッタンのアライグマに狂犬病ワクチンの接種

アメリカ ニューヨーク市 保健精神衛生局 プレスリリース2010年2月16日

保健部はニューヨーク市民に、野生動物を避け、ペットに狂犬病ワクチンを接種するように注意しています。

保健部は、アライグマを狂犬病から守り、周辺地域を狂犬病から守るため、セントラル・パークの内外のアライグマに対して、狂犬病ワクチン接種を開始すると発表しました。昨年12月以降、保健当局は、セントラル・パークとアッパー・マンハッタンで、狂犬病のアライグマを30匹以上記録しました。集団発生を封じ込めるために、保健部、公園部、セントラル・パーク管理委員会、アメリカ農務省が連携してワクチン接種に努力します。野生生物の専門家は、セントラル・パーク、モーニングサイド・パーク、リバーサイド・パークの周辺で、人道的にアライグマを罠で捕らえ始めます。捕らえた動物に、ワクチンを接種し、接種が済んだことを識別するためにタグを付けて、同じ場所に放ちます。罠で捕獲し、ワクチンを接種し、放つという努力は、4週間から8週間続く予定で、当局は、この春に生まれるアライグマにワクチンを接種するため、次の夏にも繰り返す予定です。罠は、ペットや、公園を訪れる人々が混乱しないように、離れた場所に置かれ、それぞれの罠には、緊急時の市の連絡先が表示されます。ニューヨーク市では、狂犬病は、他の動物に比べて、アライグマで多くみられます。ワクチン接種に努力することは、アライグマの間での感染を予防する他、狂犬病のアライグマが、ペットや人を咬んだり、引っかいたりする機会を減らします。市内では、そのようなことは稀ですが、保健局では12月以降、3例の暴露を記録しました。犬が咬まれた事例が1例、人が咬まれた事例が1例、病気のアライグマを看病しようとした人が関係している事例が1例ありました。犬も人も、暴露後のワクチン接種を受け、発症した犬も人もいませんでした。マンハッタンでは、今年、これまでに39匹のアライグマが狂犬病の検査で陽性になりました。保健部の狂犬病サーベイランス報告はオンラインで利用でき、定期的に更新されています。

保健部の狂犬病サーベイランス報告

ニューヨーク市で発見された狂犬病の動物数 2003年から2010年(2010年は2月16日まで)

行政区 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
ブロンクス 6 13 26 6 14 13 14 0
ブルックリン 0 0 1 0 0 1 0 1
マンハッタン 0 0 0 1 0 0 12 39
クイーンズ 0 0 1 2 1 1 1 0
スタテンアイランド 0 1 0 35 29 4 1 0

狂犬病から身を守るために:

  • 野生動物や、野良犬、野良猫に触らないでください。餌をやらないでください。
  • ゴミは、しっかりと密封容器に入れてください。
  • 攻撃的な振る舞いの動物から離れてください。
  • 病気にかかっているようにみえる動物や、著しく人懐っこい動物からも離れてください。
  • ニューヨーク市でそのような動物を発見したら、311に電話をするか、管轄している警察を呼んでください。
  • 攻撃した動物や、攻撃しそうな動物を発見した場合には、911に報告してください。

もし動物に咬まれたり、引っかかれたりした場合は:

  • すぐに、多量の石けんと流水で傷をよく洗ってください。
  • すぐに医療機関を受診してください。
  • その動物がペットではなく、捕獲できるようであれば311に電話をしてください。
  • その動物がペットであれば保健部が監視するので、所有者の名前、住所、電話番号を伝えてください。
  • 咬まれたことを、報告して下さい。
    平日9時から5時:Animal Bite Unit (212-676-2483)
    平日夜間、週末:212-POISONS (764-7667)


感染症別情報:狂犬病
在アメリカ日本国大使館


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パンデミック・インフルエンザ(H1N1)−更新

WHO(GAR)  2010年2月19日

○今週の更新情報

2010年2月14日現在、世界中の212以上の国や地域から少なくても15,921人を超える死亡例を含む、パンデミック・インフルエンザH1N1 2009の検査確定症例が報告されています。

WHOは、WHO地域事務局や加盟国との頻繁な協議や、複数のデータのモニタリングを通して、流行の経過を積極的に監視しています。

最新の状況:

流行状況は、先週の更新情報から大きな変化はありません。北半球の温帯地域では、東部・南部ヨーロッパ、南アジア、東アジアの限局した地域で、パンデミック・インフルエンザの感染が続いており、感染は活発ですが、減少しています。西アフリカの数ヶ国では、患者数の増加が報告されましたが、広範囲な感染が起こっていると結論づけるのには、まだ根拠が不十分です。タイとジャマイカで、呼吸器疾患の活動性が増加傾向にあると報告されましたが、この呼吸器疾患の原因は、現時点では不明です。

東南アジアでは、数ヶ国で呼吸器疾患が増加傾向にあると報告されましたが、全体的な活動性は低いままでした。タイでは、インフルエンザの散発的な感染が数ヶ月続いた後、呼吸器疾患の活動性が増加し、24県でILIの増加が目立ったと報告されましたが、国全体としての活動性は低いままです。ミャンマーとインドネシアでは、インフルエンザの活動性が局地的に増加し、呼吸器疾患が増加傾向にありますが、全体的な活動性は低いと報告されました。南アジアでは、インドの北部と西部で、インフルエンザの感染が続いていますが、インド、ネパール、バングラデシュ、スリランカでの全体的なインフルエンザの活動性は減少し続けているか、低いままでした。東アジアでは、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は続いていますが、ほとんどの国(中国、日本、韓国)では着実に減少しています。北朝鮮は例外で、呼吸器疾患の活動性が増加傾向にあると報告されました。西アジアでは、多くの国で、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染が続いていますが、この地域全体としての現在の活動性は低いままです。

北アフリカでは、パンデミック・インフルエンザの感染は続いていますが、活動性は、過去1ヶ月以上、かなり低下したとの報告が続いています。サハラ以南のアフリカでは、限られたデータですが、ほとんどの地域では、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は散発的なものかもしれないと示唆されます。西アフリカでは、数ヶ国で、パンデミック・インフルエンザの確定患者数の増加が報告され続けていますが、この地域で、呼吸器疾患の活動性が増加傾向にあると報告している国はありません。

ヨーロッパでは、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は、中部と南東部ヨーロッパ全域で続いていますが、ほとんどの地域では、全体的な活動性は低いままでした。ギリシア、ブルガリア、トルコ、スロバキア、モルドバ、ロシアだけが、呼吸器疾患の活動性が中等度と報告しました。スロバキアとロシアでは、数週間、ARI/ILIの増加が報告されましたが、この2ヶ国の活動性の増加は、呼吸器感染症を起こす他のウイルスの流行によるものかもしれません。20検体以上の定点呼吸器検体を検査している12ヶ国のうち、ハンガリーだけが、インフルエンザの陽性検体が20%を超えたと報告しました。

アメリカ大陸では、熱帯地域も、北部の温帯地域も、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は低い水準で続いていますが、大部分の地域では、全体的なパンデミック・インフルエンザの活動性は、減少か、低いままの状態が続きました。中米とカリブ海沿岸諸国では、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は持続していますが、大部分の地域では、全体的な活動性は低いか、変化がないままです。ジャマイカでは、呼吸器疾患の活動性が増加傾向にあると報告されましたが、全体的な活動性は低いままです。

パンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009ウイルスは、世界中で流行している優勢なウイルスとしてとどまっています。最近、中国で、季節性のB型インフルエンザウイルスの検出割合が増加したことに加え、アフリカとアジアの一部で、季節性のH3N2とB型のウイルスが低い水準で流行しています。

グローバルインフルエンザサーベイランスネットワーク(GISN)は、パンデミック・インフルエンザウイルスや季節性のインフルエンザウイルス、その他のインフルエンザウイルスを含む、人に感染する、あるいは人に感染する可能性のあるインフルエンザウイルスの世界的な広がりを監視し続けています。 ウイルス学的なサーベイランスと抗ウイルス薬に対する耐性についてのより詳しい情報は、下記のウイルスのサーベイランスデータの更新情報を参照してください。

ウイルスのサーベイランスデータの更新情報

パンデミック・インフルエンザA(H1N1)2009ウイルスのオセルタミビル耐性についての更新情報(PDF)

(*):温帯地域とは、北回帰線の北にある、または南回帰線の南にある地域、そして、熱帯地域とは北回帰線と南回帰線の間にある地域と定義します。
(**):略記として、 インフルエンザ様疾患(ILI)、急性呼吸器感染症(ARI)、重症急性呼吸器感染症(SARI) と記載しています。

WHOによるパンデミック(H1N1)2009感染患者のための臨床管理ガイドライン

WHOによるパンデミック(H1N1)2009インフルエンザとその他のインフルエンザウイルスの薬理学的管理のためのガイドライン

インフルエンザの活動性とウイルスの亜型(第5週:2010年1月31日〜2月6日)

説明:示されたデータは最近2週間で、Flunet、WHOの地域事務所、保健省のウェブサイトに報告された最近のデータを反映しています。インフルエンザ陽性検体のパーセントは、季節性あるいはパンデミック・インフルエンザの陽性検体すべてを含んでいます。円グラフは、インフルエンザ陽性検体の全数でのウイルスの亜型の分布を示しています。概要がつかめるように、利用できる国のデータは、同じようなインフルエンザの感染様式を示す広い地域でまとめています。

質的な指標(第29週〜第5週:2009年7月13日〜2010年2月6日)

質的な指標としてモニターされている事象:インフルエンザの地理的な広がり、呼吸器疾患の傾向、急性呼吸器疾患の強さ(急性呼吸器疾患患者が人口に占める割合)、パンデミックが医療サービスに及ぼす影響

全世界的調査のために更新されたWHOの暫定ガイダンス
パンデミックの全世界的なモニタリングとサーベイランスの目的と方法については、この暫定ガイダンスを参照してください。

以下のリンク先に示されている地図は、質的な指標を示します。各週、約60ヶ国の情報を示しています。モニタリングは継続中であり、報告は時間が経過するとともに完全なものになると思われます。

質的な指標の定義
質的指標を示した地図

  1. インフルエンザの地理的な広がり
  2. 前週と比較した呼吸器疾患の傾向
  3. 人口における急性呼吸器疾患の強さ
  4. 医療サービスに及ぼす影響

2010年2月14日現在、IHR(国際保健規則)によってWHOに公式報告された、パンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の検査確定診断症例数

感染者が確認された国と、死亡例が確認された国を示した地図

前回の更新情報(2月12日付)から、新たにパンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の確定例が報告された国や地域はありません。

前回の更新情報(2月12日付)から、新たにパンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の死亡例が報告された国や地域はありません。

地域 死亡者数
アフリカ地域事務局(AFRO) 167
アメリカ地域事務局(AMRO) 7433超
東地中海地域事務局(EMRO)  1018
ヨーロッパ地域事務局(EURO) 4056超
東南アジア地域事務局(SEARO) 1562
西太平洋地域事務局(WPRO) 1685
総数 15921超

死亡者の報告数は、多くの死亡者で検査を実施しないか、インフルエンザに関連していると認識されないので、実際の死亡者数を下回ります。



厚生労働省ホームページ:新型インフルエンザ対策関連情報
各国の感染症関連情報について
在アメリカ日本国大使館
在メキシコ日本国大使館


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アフリカのデング熱

Eurosurveillance Volume15, Issue7 2010年2月18日

○アフリカからイタリアへのデングウイルス3型の輸入例-2009年10月

2009年10月に、アフリカからイタリアに帰国した渡航者に、原因不明の出血熱を示唆する症状が出現して入院しました。患者はすぐに特別な感染管理病棟に移され、調査の結果、デングウイルス3型に感染したと確定されるまで感染管理病棟に入っていました。この事例は、他の国で発生している未知のアウトブレイクの定点として、渡航者の重要性を改めて主張しています。また、デング熱の初期の症状は他の出血熱の症状に似ているので、確定診断が得られるまで、患者を迅速に隔離することの重要性を強調しています。

症例

2009年10月、イタリアに20年間住んでいる40歳代のセネガル人男性が、セネガルの故郷の村に4ヶ月滞在した後、マドリード経由で帰国し、3日後に北イタリアのトリノ市のA病院を受診しました。彼は、セネガルの村に滞在中、村からは出ず、保健医療センターの受診もしませんでした。最初の症状は、マドリードからトリノへの飛行中、持続する発熱(38℃)と、持続する頭痛が出現し、パラセタモールの治療にもかかわらず、受診前2日間で悪化しました。入院当日の検査では、血小板が5,000細胞/mm3、肝機能検査では、ASTが3,539U/L、ALTが815U/L、LDHが3,609U/L、γGTPが112U/Lでした。患者は、最初、トリノの感染症病院(病院B)に転院し、2日後に、ウイルス性出血熱の疑いで、新興感染症とバイオテロの国立レファレンスセンターである、ローマの国立感染症病院(病院C)に転院しました。患者はその夜に、特別な感染管理病棟に入院しました。その後、患者の症状は改善し、入院後9日目に退院しました。

○最近の西アフリカにおけるデングウイルス3型の拡大

アフリカでは、サーベイランスシステムがないか、限られているので、アフリカ大陸でのデング熱の疫学についてはほとんどわかっていません。帰国したヨーロッパ渡航者から得られる血清学的データとウイルス学的データは、このしばしば不備である情報を補う重要なデータです。過去数年、デングウイルス3型が西アフリカで発生し、ヨーロッパに帰国した渡航者から発見されてきました。カーボヴェルデにおける最初のデング熱の流行は、2009年9月から12月までの間で、17,000人を超える患者が発生しており、このことは、デングウイルスが、世界中で新たな地域へと拡大していることを示しました。

はじめに

デングウイルスは熱帯・亜熱帯の国に広く分布し、日中に刺すヤブカ(Aedes)属の蚊によって感染します。アフリカの国々では、サーベイランスシステムがないか、実施が不十分で、デングウイルスの活動性についての情報の不足が原因となり、しばしば認知されていません。

発熱のある渡航者を対象とする、デングウイルス感染の検査に基づくサーベイランスは、世界中、特にサーベイランスが限られている地域で、流行しているデングウイルスの異なる型に関する有益な情報を提供するかもしれません。このため、ヨーロッパの輸入ウイルス性疾患-共同検査対応ネットワーク(ENIVD-CLRNネットワーク)は、アウトブレイクの支援、特に、欧州連合(EU)加盟国、欧州経済領域・欧州自由貿易連合(EEA/EFTA)の加盟国と加盟候補国に対して、アウトブレイクを起こしやすい疾患、輸入例や稀な、あるいは未知の病原体、病原体の意図的な放出に関連するアウトブレイクを発見、調査、対応することへの支援を提供しています。

2009年末に、カーボヴェルデ諸島で、17,000人を超えるデング熱の大規模なアウトブレイクが起こりました。デングウイルスがカーボヴェルデ諸島で検出されたのは、これが初めてでした。同じ時期にセネガルで、デングウイルスが検出され、西アフリカから帰国した渡航者の輸入例が数例報告されました。本稿は、西アフリカに焦点を当て、アフリカのデングウイルスの歴史的な報告の簡潔な再検討と、最近のアウトブレイクとヨーロッパのデングウイルス感染の輸入例の関連を要約します。

西アフリカのデングウイルス

アフリカにおけるデングウイルス感染の負荷は、まだ推計されていません。デング熱とデング出血熱の発生についての記録は乏しいですが、アフリカの国々での、軽症と重症のデング熱感染がまれであると結論づけることはできません。異なるデングウイルスの型の流行についての記録も不十分です。しかし、アフリカのアウトブレイクと血清学的調査や、関連した渡航者のデングウイルス感染について、若干の情報が発表されています。

1956年に実施された後ろ向きの血清学的調査で、1927年に南アフリカのダーバンでデングウイルスの流行が起こったことが示唆されています。この報告は、アフリカでデングウイルスの流行が記録された最初の報告です。しかし、1960年代の終わりまでは、アフリカでデング熱のアウトブレイクを起こすウイルスは分離されませんでした。デングウイルス1型は1964年にナイジェリアで発見されました。それ以来、西アフリカでは、デングウイルス1、2、4型が流行していますが、主に報告されてきたのはデングウイルス2型でした。ウイルスは、主に、セネガルとナイジェリアで、蚊の唾液での感染サイクルに関係する野生の蚊(Aedes luteocephalus、Ae. taylori 、Ae. furcifer)で検出され、人では、森林での感染サイクルに接点のあった数名の患者から検出されました。また、コートジボワール、ブルキナファソ、ギニアでも、蚊の唾液での感染サイクルで、デングウイルス2型が検出されました。最近では、2005年に、ガーナから帰国した渡航者で確認されました。西アフリカで、デングウイルス4型が最近発見されたのは1980年代で、セネガルのダカールの住民2人でした。

アフリカでのデングウイルス3型の最初の記録は、モザンビークのペンバで1984年から1985年に起こったアウトブレイクに関するもので、デング出血熱で2人死亡者が出ました。それから、デングウイルス3型は、1993年に、ソマリアとペルシャ湾の周辺地域で発見されました。系統学的な研究で、これらのアウトブレイクは、インド亜大陸から入ってきたウイルスに起因することが示唆されました。西アフリカでのデングウイルス3型の最初の流行は、2006年にカメルーンからスペインに帰国した渡航者で確認され、その後、2007年に、セネガルからスペインに帰国した渡航者で発見されました(C. Domingoらの未発表データ)。西アフリカにおけるデングウイルス3型についての最初の論文は2008年に発表されましたが、そのとき、コートジボワールではデングウイルス3型と黄熱の同時流行がみられました。

アフリカからヨーロッパへのデングウイルスの輸入例

ヨーロッパへのデングウイルスの輸入例の報告は1990年代から増加しました。その報告のいくつかは、単一の国から、あるいはネットワークからの発表や報告であり、アフリカでデングウイルスに感染した渡航者の頻度は、東南アジアやアメリカ大陸への渡航者に比べて、相対的に低いことを示しています。この分布は、主に、世界中のデングウイルスの活動性と、渡航先として特定の国々の人気という2つの要因によります。ヨーロッパの輸入感染症サーベイランス(TropNetEurop)によって、1999年と2000年に481人のヨーロッパの渡航者を対象として行われた研究では、デング熱の8%がアフリカからの輸入例で、他のヨーロッパの研究と同様の割合でした。フランスでは、2002年から2005年のデング熱の輸入例のうち、アフリカからの事例が14%でした。オーストリアでは、15年間(1990年から2005年)の分析で、アフリカからの輸入例は10%であり、フィンランドでは、10年間(1999年から2009年)の分析で、アフリカからの輸入例は同様に10%でした。2008年に、TropNetEuropに報告されたアフリカからのデング熱の輸入例は4%に低下しました。

西アフリカからのデングウイルスの輸入例(2006年から2008年)

最近、西アフリカの数ヶ国から帰国した渡航者のデング熱の事例が記録されており、特に、この地域で最近確認されたデングウイルス3型に起因しています。

最近、デングウイルスが確認された西アフリカ諸国の地図(2006年から2009年)

2006年1月から2008年8月に、フランスでは西アフリカからの輸入例が19人報告されました。そのうち、11人がコートジボワールへの渡航者(2006年1人、2007年3人、2008年7人)、4人がブルキナファソ(2006年1人、2007年3人)、ベナンが2人(2006年)、セネガルが1人(2007年)、マリが1人(2008年)でした。この期間に検出されたデングウイルスは、2007年に、ブルキナファソで1型、コートジボワールで2型、ガボンでは2型がチクングニヤと同時にアウトブレイクを起こしていました。2008年には、マリとセネガルで2型が確認されました。さらに、2008年の5月から7月の間に、日本人の渡航者と、コートジボワールから帰国したフランスの国外在住者で、デングウイルス3型が発見されました。デングウイルス3型は、2008年に東アフリカでも発見されており、エリトリアから帰国したフィンランドの渡航者で発見されました(O. Vapalahtiの私信)。

西アフリカにおけるデングウイルス3型の最近の活動性

2009年10月上旬に、休日に祖国に渡航後、イタリアに帰国したセネガル人のデング熱が報告されました。デングウイルス3型の診断は、ローマの国立感染症研究所で行われました。同時に、フランスでもセネガルから帰国した渡航者のデングウイルス3型の患者を報告しました。(C. Renaudatの私信)。また、ProMEDでも、セネガルのケドゥンゴ地域とダカールでのデングウイルスのアウトブレイクを記載した文書が送られました。ダカールのパスツール研究所で、発熱のある患者からデングウイルス3型が確認されました(A. Sallの私信)。

一方、2009年9月上旬(第40週)に、カーボヴェルデ諸島で、前例のないアウトブレイクが発見されました。これは、カーボヴェルデ諸島におけるデング熱感染の最初の報告です。第45週に患者の数が最も多く(5,512人)、第47週に1,447人に低下し、最終的に、第53週で5人の患者が出ました。2009年末までに、カーボヴェルデの22の自治体のうち18の自治体から、6人の死亡を含む、合計17,224人の患者が報告されました。サンチャゴ島のプライアで最も患者が多く(13,000人)、次いで、フォゴ島のサン・フェリペで多く報告されました(3,000人)。ダカールのパスツール研究所で検査された最初の検体は、デングウイルス3型の流行を確認しました。

ヨーロッパで最近輸入されたデングウイルス3型の患者と、西アフリカで確認されたアウトブレイクは、この地域でこの型が拡大していることを示唆しています。

この地域で最近起こったデングウイルス3型の感染について遺伝学的な関係を調べるために、ENIVD-CLRN研究所から提供されたシークエンスを用いて、系統学的なアプローチを使った調査を行いました。デングウイルス3型は地理的に異なった4つの遺伝子型(T、U、V、W)に分類されます。1980年代の終わりにスリランカで発生した病原性の強いV型の系統の出現が、主に、アジアとアメリカ大陸における、この疾患の高い発病率とデング出血熱の発生に関連していました。1984年から1993年に東アフリカで検出されたデングウイルス3型は、すべて、このV型の系統に属していました。

デングウイルス3型の遺伝学的系統樹

また、地理的に離れたアウトブレイクでの分離株で、ENIVD Spain ex Cameroon 2006系統、 Japan ex Ivory Coast 2008系統、Saudi Arabia 2004系統 (上図に示されています)、Eritrea in 2008系統 (図には示されていません。E. Huhtamoらの未発表データ)は、デングウイルス3型のV型に属しています。2009年にセネガルで流行したデングウイルス3型とイタリアの渡航者から分離されたウイルスはV型に属しており、2008年にコートジボワールで流行したデングウイルス3型と近縁でした。したがって、カーボヴェルデ島で起こったデングウイルス3型は、貿易や旅行で行き来が盛んな、地理的に近い、西アフリカから持ち込まれたものと思われます。

将来の展望

西アフリカにおける、最近のデングウイルス3型の拡大は、この地域から帰国したヨーロッパの渡航者で最初に発見され、輸出国の積極的なサーベイランスのための警報となりました。

しかし、アフリカのほとんどの国では、黄熱とHIV感染のサーベイランスの準備はされていますが、デングウイルスの特異的診断法が不足しており、新しい診断器具が必要としています。そのような技術移転の最近の例として、パリとダカールにあるパスツール研究所が、アビジャンのパスツール研究所にデングの鑑別診断法を提供しました。この協力モデルは、他のアフリカ諸国でも必要です。

アフリカにおけるデングウイルスの積極的なサーベイランスが不十分である限り、ヨーロッパに帰国する発熱した渡航者の研究は、アフリカ大陸でのウイルスの活動を検出する助けになるでしょう。

ENIVD-CLRNの一部として、ヨーロッパの渡航者におけるチクングニヤとデングウイルス感染の輸入例に関する共同研究が2010年に始まる予定です。研究の目的は、チクングニヤとデングウイルス感染の、遺伝子型の分布を含む、世界的な流行分布地図を完成させることです。

これによって、臨床医がヨーロッパの輸入例について、臨床症状、徴候、分析データを比較できるようになるでしょう。ヨーロッパに帰国する渡航者のサーベイランスは、アフリカにおけるデングウイルスの分布について、我々の知見を向上させ続けるでしょう。




詳しくは、こちらをご覧ください:
感染症情報:デング熱

→ 国別情報:タイ
→ 国別情報:シンガポール
→ 国別情報:台湾
→ 国別情報:インドネシア
→ 国別情報:フィリピン
→ 国別情報:インド
→ 国別情報:ブラジル
→ 国別情報:マレーシア
→ 国別情報:ボリビア


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チクングニヤ熱

CDC Travelers’ Health, Outbreak Notice 2010年2月18日

○流行状況

2006年以降、アジアとインド洋地域の一部でチクングニヤ熱の活動性が報告されています。数ヶ国は、この疾患に対するサーベイランスを強化しており、この地域全体で患者の報告が続いています。

チクングニヤ熱は感染した蚊が人を刺すことによって広がる病気です。症状としては、突然の発熱、関節痛(腫れがある場合とない場合があります)、悪寒、頭痛、悪心、嘔吐、背部痛、発疹などです。チクングニヤ熱は、主に、アフリカとアジアの地域に存在します。2007年、イタリアでチクングニヤの限局した感染が起こりました。

以下の例は、アジアとインド洋地域における最近のチクングニヤの流行について注目しているものです。

○インドネシア

チクングニヤのアウトブレイクはスマトラ島の南部にあるランプンで報告されました。2009年12月後半から2010年1月上旬までに、6,700人のチクングニヤ熱患者が報告されました。2009年には12の州から43,206人の患者が報告されましたが、チクングニヤ熱による死亡者の報告はありませんでした。

○タイ

2009年、チクングニヤ熱の大規模なアウトブレイクが起こりました。プーケットなどの観光地を含む南部で特に発生しました。タイ保健省によると、50以上の県から49,069人を超える患者が記録されました。タイの報告は、国全体でチクングニヤウイルスの流行が続いていることを示しています。

○マレーシア

2009年、マレーシア保健省が、4,430人を超えるチクングニヤ患者を報告しました。死亡者の報告はありませんでした。最も影響が及んだ地域は、北部のサラワク・クダで、ケランタン、スランゴル、ペラと続きます。チクングニヤの活動性は2010年も続き、最初の5週間で、さらに325人の患者が報告されました。患者は、主に、サラワクで発生しました。



国立感染症研究所 感染症情報センター
在インドネシア日本国大使館
在タイ日本国大使館


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鳥インフルエンザ流行状況−エジプト更新

WHO(GAR)  2010年2月17日

エジプト

エジプト保健省は、2人の新たな鳥インフルエンザH5N1に感染した患者を公表しました。

1例目の患者はMenofya 地域(Governorate)Ashmon地区(District)の32歳男性です。2月6日に発症し、2月8日に入院し、オセルタミビルによる治療を受け、状態は安定しています。2例目の患者は、Menofya 地域(Governorate)Elsadat地区(District)の29歳の妊婦です。2月6日に発症し、2月12日に入院し、オセルタミビルによる治療を受けましたが、2月13日に死亡しました。

感染源の調査によると、2人の患者は死鳥や病鳥との暴露があったと示されました。

これらの患者は、WHOのグローバル・インフルエンザ・サーベイランス・ネットワーク(GISN)の国立インフルエンザセンターである、エジプト中央公衆衛生検査所で確定されました。また、エジプト当局は、以前にも2例の死亡患者があったことを報告しました。

Helwan 地域 (Governorate)Helwan地区(District)の37 歳男性で、1月31日に発症した症例、Menofya 地域(Governorate)Elsadat地区(District)の29歳女性で、1月27日に発症した症例です。

エジプトでは、鳥インフルエンザA(H5N1)と確定された患者99名中、30名が死亡しています。

*WHOに報告された鳥インフルエンザ確定例(2010年2月17日現在)

  2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 総計
患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数
アゼルバイジャン 0 0 0 0 0 0 8 5 0 0 0 0 0 0 0 0 8 5
バングラデシュ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0
カンボジア 0 0 0 0 4 4 2 2 1 1 1 0 1 0 0 0 9 7
中国 1 1 0 0 8 5 13 8 5 3 4 4 7 4 0 0 38 25
ジブチ 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0
エジプト 0 0 0 0 0 0 18 10 25 9 8 4 39 4 3 99 30
インドネシア 0 0 0 0 20 13 55 45 42 37 24 20 21 19 1 1 163 135
イラク 0 0 0 0 0 0 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 3 2
ラオス 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 0 0 0 0 2 2
ミャンマー 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0
ナイジェリア 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1
パキスタン 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 3 1
タイ 0 0 17 12 5 2 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 25 17
トルコ 0 0 0 0 0 0 12 4 0 0 0 0 0 0 0 0 12 4
ベトナム 3 3 29 20 61 19 0 0 8 5 6 5 5 5 0 0 112 57

総計

4 4 46 32 98 43 115 79 88 59 44 33 73 32 10 4 478 286


地図入りパンフレット:
鳥インフルエンザ流行状況−エジプト更新
高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)発生国及びヒトでの発症事例(PDF)

検疫所で掲示している鳥インフルエンザ注意喚起ポスター:
鳥インフルエンザの流行について(PDF)

厚生労働省ホームページ:新型インフルエンザ対策関連情報
国立感染症研究所 感染症情報センター
在インドネシア日本国大使館
在ベトナム日本国大使館
在タイ日本国大使館
在カンボジア日本国大使館
在中国日本国大使館
在トルコ日本国大使館
在エジプト日本国大使館
在パキスタン日本国大使館


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パンデミック・インフルエンザ(H1N1)−更新

WHO(GAR)  2010年2月12日

○今週の更新情報

2010年2月7日現在、世界中の212以上の国や地域から少なくても15,292人を超える死亡例を含む、パンデミック・インフルエンザH1N1の検査確定症例が報告されています。

WHOは、WHO地域事務局や加盟国との頻繁な協議や、複数のデータのモニタリングを通して、流行の経過を積極的に監視しています。

最新の状況:

北半球の温帯地域では、全体的なパンデミック・インフルエンザの活動性は、ほとんどの国で低下し続けました。感染が活発に続いている地域のほとんどは、遅れてピークを迎えた地域で、特に、北アフリカ、南アジア、東アジアです。注目すべきこととして、セネガルが、西アフリカで、過去1ヶ月間にパンデミックH1N1 2009の最初の患者が確定された3番目の国(西アフリカ全体で5番目の国)となりました。このことが、西アフリカにおいて、これまでは地域でパンデミック・インフルエンザウイルスの感染が広がる重要な時期ではなかったのが、より広範囲に感染が広がる時期の始まりを告げることになるのかを決めるのには、現時点では根拠が不十分です。

北アフリカでは、パンデミック・インフルエンザの感染は続いていますが、活動性は、地域全体で過去1ヶ月以上、かなりの低下がみられました。モロッコでは、ILIの水準がベースライン近くに戻り、エジプトでは、確定患者数がかなり減少しました。

南アジアと東南アジアでは、パンデミック・インフルエンザの感染は地域全体で広範囲な流行が続いていますが、全体的な活動性は、ほとんどの地域で減少し続けているか、低いままです。インドでは、インフルエンザの感染は続いており、特に西部で目立ち、それより少数ですが、北部でもみられています。タイでは、全体的な活動性は低いままで、前週と変わりませんが、中部と北部で、インフルエンザの活動性が局地的に増加したことが報告されました。

東アジアでは、パンデミック・インフルエンザの感染は地域全体で続いていますが、ほとんどの地域で、全体的な活動性は大幅に低下しました。中国では、パンデミック・インフルエンザウイルスと季節性インフルエンザウイルスが、同時に流行が続いていますが、この数週間、B型の季節性インフルエンザウイルスが優勢になっています。日本では、インフルエンザの活動性は、他の地域よりも大きな活動性がみられた沖縄を含み、季節性のベースラインに向かって減少し続けています。韓国では、ILIの水準がベースラインに近づき、かなり減少しました。

ヨーロッパでは、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は、広く流行が続いており、特に、中部、南部および東部ヨーロッパ全域で続いていますが、全体的な活動性は、冬の流行期の早期にみられた活動性のピークから、かなり減少しました。20検体以上の定点呼吸器検体を検査している15ヶ国では、インフルエンザの陽性検体が占める割合は、0〜14%の範囲でした。最近、スロバキア、スロベニア、ロシアでは、ARIの割合がわずかに増加していますが、インフルエンザウイルスの検出と関係しているようにはみえず、たぶん、呼吸器感染症を起こす他のウイルスの流行によるものだと思われます。

サハラ以南のアフリカでは、限られたデータですが、サーベイランスデータをWHOに報告しているほとんどの国で、パンデミック・インフルエンザの感染は局地的で、全体的な活動性は低いかもしれません。

アメリカ大陸では、熱帯地域も、北部の温帯地域も、大部分の地域で、全体的なパンデミック・インフルエンザの活動性は、減少し続けているか、低いままです。中米とカリブ海沿岸諸国では、パンデミック・インフルエンザの感染は持続していますが、大部分の地域では、全体的な活動性は低いか、変化がないままです。グアテマラでは、呼吸器疾患が増加傾向にあり、強い感染が報告されましたが、この増加した活動性は、インフルエンザウイルスの検出の増加と関係しているようにはみえず、たぶん、呼吸器感染症を起こす他のウイルスの流行によるものだと思われます。

南半球の温帯地域では、パンデミック・インフルエンザの散発例が報告され続けていますが、地域での持続した感染はみられていません。パンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009ウイルスは、世界中で流行している優勢なウイルスとしてとどまっています。最近、中国で、季節性のB型インフルエンザウイルスの検出割合が増加したことに加え、アフリカ、東アジア、東南アジアの一部で、季節性のH3N2とB型のウイルスが低い水準で流行していており、その他の大陸では、散発的に検出されているだけです。

グローバルインフルエンザサーベイランスネットワーク(GISN)は、パンデミック・インフルエンザウイルスや季節性のインフルエンザウイルス、その他のインフルエンザウイルスを含む、人に感染する、あるいは人に感染する可能性のあるインフルエンザウイルスの世界的な広がりを監視し続けています。 ウイルス学的なサーベイランスと抗ウイルス薬に対する耐性についてのより詳しい情報は、下記のウイルスのサーベイランスデータの更新情報を参照してください。

ウイルスのサーベイランスデータの更新情報

パンデミック・インフルエンザA(H1N1)2009ウイルスのオセルタミビル耐性についての更新情報(PDF)

(*):温帯地域とは、北回帰線の北にある、または南回帰線の南にある地域、そして、熱帯地域とは北回帰線と南回帰線の間にある地域と定義します。
(**):略記として、 インフルエンザ様疾患(ILI)、急性呼吸器感染症(ARI)、重症急性呼吸器感染症(SARI) と記載しています。

WHOによるパンデミック(H1N1)2009感染患者のための臨床管理ガイドライン

WHOによるパンデミック(H1N1)2009インフルエンザとその他のインフルエンザウイルスの薬理学的管理のためのガイドライン

インフルエンザの活動性とウイルスの亜型(第4週:2010年1月24日〜30日)

説明:示されたデータは最近2週間で、Flunet、WHOの地域事務所、保健省のウェブサイトに報告された最近のデータを反映しています。インフルエンザ陽性検体のパーセントは、季節性あるいはパンデミック・インフルエンザの陽性検体すべてを含んでいます。円グラフは、インフルエンザ陽性検体の全数でのウイルスの亜型の分布を示しています。概要がつかめるように、利用できる国のデータは、同じようなインフルエンザの感染様式を示す広い地域でまとめています。

質的な指標(第29週〜第4週:2009年7月13日〜2010年1月30日)

質的な指標としてモニターされている事象:インフルエンザの地理的な広がり、呼吸器疾患の傾向、急性呼吸器疾患の強さ(急性呼吸器疾患患者が人口に占める割合)、パンデミックが医療サービスに及ぼす影響

全世界的調査のために更新されたWHOの暫定ガイダンス
パンデミックの全世界的なモニタリングとサーベイランスの目的と方法については、この暫定ガイダンスを参照してください。

以下のリンク先に示されている地図は、質的な指標を示します。各週、約60ヶ国の情報を示しています。モニタリングは継続中であり、報告は時間が経過するとともに完全なものになると思われます。

質的な指標の定義
質的指標を示した地図

  1. インフルエンザの地理的な広がり
  2. 前週と比較した呼吸器疾患の傾向
  3. 人口における急性呼吸器疾患の強さ
  4. 医療サービスに及ぼす影響

2010年2月7日現在、IHR(国際保健規則)によってWHOに公式報告された、パンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の検査確定診断症例数

感染者が確認された国と、死亡例が確認された国を示した地図

前回の更新情報(2月5日付)から、新たにパンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の確定例が報告された国や地域:セネガル

前回の更新情報(2月5日付)から、新たにパンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の死亡例が報告された国や地域はありません

地域 死亡者数
アフリカ地域事務局(AFRO) 167
アメリカ地域事務局(AMRO) 7261超
東地中海地域事務局(EMRO)  1018
ヨーロッパ地域事務局(EURO) 3648超
東南アジア地域事務局(SEARO) 1523
西太平洋地域事務局(WPRO) 1675
総数 15292超

死亡者の報告数は、多くの死亡者で検査を実施しないか、インフルエンザに関連していると認識されないので、実際の死亡者数を下回ります。



厚生労働省ホームページ:新型インフルエンザ対策関連情報
各国の感染症関連情報について
在アメリカ日本国大使館
在メキシコ日本国大使館


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鳥インフルエンザ流行状況−2009年のまとめ

WHO(WER)  2010年2月12日

○高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)の人における感染事例の更新情報

2009年の1年間で、WHOに報告されたH5N1ウイルス感染の検査確定症例は、5ヶ国の73人でした。この報告は、これらの患者のまとめです。

この時期の地理的分布

H5N1ウイルス感染の検査確定症例は73人報告され、カンボジア(1人)、中国(7人)、エジプト(39人)、インドネシア(21人)、ベトナム(5人)から報告されており、これらの国は、すべて、人のH5N1感染例が以前にも報告された国です。これらの国では、家禽で、高病原性のH5N1ウイルスが流行していると考えられていますが、カンボジアは例外で、家禽での感染は散発的に起こっていると考えられています。

これまでの年同様、北半球の冬と春に、患者数の増加が報告されました。動物での集団発生報告も、同じ時期に増加している傾向がみられました。

性別・年齢分布

2009年の患者の男女比は、ほぼ同じでした(男性患者数は35人、女性患者数は38人、男女比は0.92)。しかし、インドネシアでは、女性が男性の2倍多く報告されました(男女比は0.5)。

患者の年齢範囲は、生後6ヶ月から57歳で、中央値は5歳でした。低い中央値は、主に、エジプトで発生した事例が高率に小児であったことによります。エジプトの患者は、全世界の53%を占めました。エジプトの患者の年齢は、他のどの国よりも若く、中央値は3歳で、患者の80%は10歳未満の小児でした。

予後

2009年の、全体としての死亡率は44%で、その前の2年間よりも低かったですが、2005年の死亡率と同程度でした。死亡率は国によってかなり差がありました。エジプトでは2003年以降、死亡率が最も低かったです(10%)。報告があったすべての国で、10歳未満の死亡率は、10歳以上の死亡率に比べて低かったです(10歳未満の死亡率は24%、10歳以上の死亡率は71%、オッズ比は7.8、95%信頼区間は2.7〜22.4)。それまでの年とは対照的に、すべての国で、女性の死亡率が男性の死亡率よりも高かったですが、有意差はありませんでした(女性の死亡率は50%、男性の死亡率は37%、オッズ比は1.7、95%信頼区間は0.7〜4.3)。このパターンは国によって様々でした。

検討

2008年に比べて、2009年のH5N1患者数は、ほぼ倍になり、特定の家禽の集団でウイルスの流行が続いているので、H5N1は、依然として、動物の健康と、人への健康の双方にとって懸念事項です。死亡率は、依然として高いままですが、国によって違いがあります。これらのデータからは、この違いが生じる原因を決定することはできません。国の格差を説明しうるものとして、暴露の型や強さ、受診行動、検査や治療の実施、あるいはウイルス株の病原性さえも含むかもしれません。国によって、患者の年齢分布が著しく異なるので、分析に用いることができる患者数が相対的に少なくなり、危険因子を直接比較することが困難です。現時点では、このウイルスは、依然として、人から人へ感染する能力は示しておらず、人への感染は稀で、散発的な、鳥のウイルスのままです。家族2人を含む、人から人への持続的な感染はなかった3人の集団発生が、2009年に記録されました。

すべての患者が、家禽での高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスの流行が続いている国あるいは、再度持ち込まれた国で発生したということは注目に値します。世界的には、多くの国で、家禽での発生をより良く管理していることが、ウイルスの流行を減少させ、人への暴露のリスクを減少させています。しかし、ウイルスが流行しているときにはいつでも、人の暴露と患者発生は想定され続けます。家禽での流行を減らし、人の暴露のリスクを減少させるための努力は強化されなければなりません。

インフルエンザウイルスは絶えず変異し、警戒は継続すべきです。人と動物でのインフルエンザのサーベイランスは、疫学的、臨床的、ウイルス学的な変化を適時に検出できるようにするために、強化されなければなりません。速やかで包括的な評価と世界的な対応を確実に行うために、世界的に、情報を迅速に共有することが重要です。



地図入りパンフレット:
高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)発生国及びヒトでの発症事例(PDF)

検疫所で掲示している鳥インフルエンザ注意喚起ポスター:
鳥インフルエンザの流行について(PDF)

厚生労働省ホームページ:新型インフルエンザ対策関連情報
国立感染症研究所 感染症情報センター
在インドネシア日本国大使館
在ベトナム日本国大使館
在タイ日本国大使館
在カンボジア日本国大使館
在中国日本国大使館
在トルコ日本国大使館
在エジプト日本国大使館
在パキスタン日本国大使館


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鳥インフルエンザ流行状況−インドネシア更新

WHO(GAR)  2010年2月12日

インドネシア

インドネシア保健省は、1人の新たな鳥インフルエンザH5N1に感染した患者を公表しました。

ジャカルタ首都特別州、南ジャカルタ地区の25歳女性で、2010年1月25日に死亡しました。H5N1ウイルス感染の検査結果が陽性でした。この患者は、たぶん、家禽との直接接触によって感染したものと考えられます。

インドネシアでは、これまでに、163名の確定例のうち、135名が死亡しました。

*WHOに報告された鳥インフルエンザ確定例(2010年2月12日現在)

  2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 総計
患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数
アゼルバイジャン 0 0 0 0 0 0 8 5 0 0 0 0 0 0 0 0 8 5
バングラデシュ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0
カンボジア 0 0 0 0 4 4 2 2 1 1 1 0 1 0 0 0 9 7
中国 1 1 0 0 8 5 13 8 5 3 4 4 7 4 0 0 38 25
ジブチ 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0
エジプト 0 0 0 0 0 0 18 10 25 9 8 4 39 4 7 0 97 27
インドネシア 0 0 0 0 20 13 55 45 42 37 24 20 21 19 1 1 163 135
イラク 0 0 0 0 0 0 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 3 2
ラオス 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 0 0 0 0 2 2
ミャンマー 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0
ナイジェリア 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1
パキスタン 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 3 1
タイ 0 0 17 12 5 2 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 25 17
トルコ 0 0 0 0 0 0 12 4 0 0 0 0 0 0 0 0 12 4
ベトナム 3 3 29 20 61 19 0 0 8 5 6 5 5 5 0 0 112 57

総計

4 4 46 32 98 43 115 79 88 59 44 33 73 32 8 1 476 283


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鳥インフルエンザ流行状況−エジプト更新

WHO(EPR)  2010年2月10日

エジプト

エジプト保健省は、新たな鳥インフルエンザH5N1に感染した患者1名を公表しました。

この患者は、Helwan地域(Governorate) Helwan地区(District)の37歳の男性です。1月31日に発症し、2月6日に入院し、オセルタミビルによる治療を受けましたが、重篤な容態です。

患者は、WHOのグローバル・インフルエンザ・サーベイランス・ネットワーク(GISN)の国立インフルエンザセンターである、エジプト中央公衆衛生検査所で確定されました。

エジプトでは、鳥インフルエンザA(H5N1)と確定された患者97名中、27名が死亡しています。

*WHOに報告された鳥インフルエンザ確定例(2010年2月10日現在)

  2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 総計
患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数
アゼルバイジャン 0 0 0 0 0 0 8 5 0 0 0 0 0 0 0 0 8 5
バングラデシュ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0
カンボジア 0 0 0 0 4 4 2 2 1 1 1 0 1 0 0 0 9 7
中国 1 1 0 0 8 5 13 8 5 3 4 4 7 4 0 0 38 25
ジブチ 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0
エジプト 0 0 0 0 0 0 18 10 25 9 8 4 39 4 0 97 27
インドネシア 0 0 0 0 20 13 55 45 42 37 24 20 20 19 0 0 161 134
イラク 0 0 0 0 0 0 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 3 2
ラオス 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 0 0 0 0 2 2
ミャンマー 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0
ナイジェリア 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1
パキスタン 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 3 1
タイ 0 0 17 12 5 2 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 25 17
トルコ 0 0 0 0 0 0 12 4 0 0 0 0 0 0 0 0 12 4
ベトナム 3 3 29 20 61 19 0 0 8 5 6 5 5 5 0 0 112 57

総計

4 4 46 32 98 43 115 79 88 59 44 33 72 32 7 0 474 282


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鳥インフルエンザ流行状況−エジプト更新

WHO(EPR)  2010年2月8日

エジプト

エジプト保健省は、2人の新たな鳥インフルエンザH5N1に感染した患者を公表しました。

1例目は、Daqahliya地域(Governorate) Banha地区(District)の40歳の女性です。1月31日に発症し、2月2日に入院し、オセルタミビルによる治療を受けました。容態は安定しています。

2例目は、Menofya地域(Governorate) Elsadat地区(District)の29歳の女性です。1月27日に発症し、2月3日に入院し、オセルタミビルによる治療を受けました。容態は安定しています。

感染源の調査では、2人とも病死した家禽に暴露していたことが示されました。患者は、WHOのグローバル・インフルエンザ・サーベイランス・ネットワーク(GISN)の国立インフルエンザセンターである、エジプト中央公衆衛生検査所で確定されました。

エジプトでは、鳥インフルエンザA(H5N1)と確定された患者96名中、27名が死亡しています。

*WHOに報告された鳥インフルエンザ確定例(2010年2月8日現在)

  2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 総計
患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数 患者数 死亡患者数
アゼルバイジャン 0 0 0 0 0 0 8 5 0 0 0 0 0 0 0 0 8 5
バングラデシュ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0
カンボジア 0 0 0 0 4 4 2 2 1 1 1 0 1 0 0 0 9 7
中国 1 1 0 0 8 5 13 8 5 3 4 4 7 4 0 0 38 25
ジブチ 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0
エジプト 0 0 0 0 0 0 18 10 25 9 8 4 39 4 6 0 96 27
インドネシア 0 0 0 0 20 13 55 45 42 37 24 20 20 19 0 0 161 134
イラク 0 0 0 0 0 0 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 3 2
ラオス 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 0 0 0 0 2 2
ミャンマー 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0
ナイジェリア 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 1 1
パキスタン 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 3 1
タイ 0 0 17 12 5 2 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 25 17
トルコ 0 0 0 0 0 0 12 4 0 0 0 0 0 0 0 0 12 4
ベトナム 3 3 29 20 61 19 0 0 8 5 6 5 5 5 0 0 112 57

総計

4 4 46 32 98 43 115 79 88 59 44 33 72 32 6 0 473 282


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ペスト:地域別罹患率・死亡率の検討-2004年〜2009年

WHO(WER)  2010年2月5日

はじめに

ペストは、しばしば、再び現れることのなさそうな、過去あるいは古代に問題となった病気としてみなされます。しかし、世界中で続いているアウトブレイクは、しぶとく存在していることの証拠です。ペストは、野生の齧歯類が感染している広大な地域が存在しており、特に、アフリカ、アジア、アメリカでは地域特有に存在するので、その脅威が継続しています。ペストは、主に農村部の病気ですが、マダガスカルとタンザニアでは、都市部の住民でアウトブレイクが起こりました。ペストが地域特有に存在している国では、ペストが持つ伝染性と、その臨床経過が急速であること、そして治療しなければ死亡率が高いことから、ペストは重要な関心事です。

改正前の国際保健規則では、加盟国はWHOに、人のペストの全数報告を求められていました。しかし、2007年6月に改正規則が発効し、この要求は変更されました。改正規則では、ペストが存在していると知られていなかった地域でのペストの発生のように、国際的な公衆衛生上の脅威となりうる、いかなる事象でもWHOに通知するように求めています。しかし、ペストの発生に関する一定のデータは、国の保健部門を通じて入手することができます。WHOに報告された人のペスト患者数は、概して、実際の患者数よりも低かったです。過少報告となる理由には、臨床症状がしばしば非特異的で診断がなされていないことや、検査による確定診断の方法がしばしば不足していることがあります。さらに、多くの国では、人での発生例がなかったので、ペストのサーベイランス体制を廃止しました。このことは、ペスト菌がもはや流行していないという誤った印象を与えるかもしれません。しかし、アルジェリア、リビア、ペルーでは、数十年の静寂の後に数回のアウトブレイクが勃発しました。

迅速診断テストの開発と商品化は、アフリカでのより良い患者管理とサーベイランスに貢献しました。これらのテストの有用性の改善と、より広範囲な使用は、他の大陸でも同様の影響を与えると期待されています。さらに、WHOは、地域ごとに異なるペストの生態環境、人の感染における危険因子、保健制度の能力を考慮して、ペストが特有に存在する地域ごとに、特別のガイドラインを製作してきました。このガイドラインは、サーベイランスとコントロール活動の強化を目指しています。症例定義は、2006年にマダガスカルで開催されたペストの国際会議で改正されました。

この検討は、WHOによって集められた、人のペストのデータ分析に基づいています。この分析では、2004年から2009年までを扱っており、国や地域におけるペストの罹患率と死亡率の傾向と同様に、世界的な傾向を強調します。これは、2004年に発表された、以前の分析の追跡調査です。

○方法

この分析は、WHOの情報や、保健省からの報告、発表された研究、会議の議事録など、複数の出典から得られた情報の系統的検討に基づきます。抽出されたデータには、ペストの発生数、死亡数、検査、予防とコントロールのための活動についての情報が含まれました。データの図表化と記述分析は、ペストの傾向や分布の様式と同様、世界・地域・国での罹患率や死亡率の規模を測定するために実施されました。

○結果

データは、2004年から2009年までの間、アフリカ、アジア、アメリカの16ヶ国から、843人の死亡者を含む、合計12,503人のペスト患者が報告されたことを示しています。世界全体での死亡率は6.7%でした。全体的に見ると、2004年から2009年までの間、ペスト患者が毎年報告されているのは、4ヶ国(コンゴ民主共和国、マダガスカル、ペルー、アメリカ)でした。アフリカが最も強い影響を受けており、8ヶ国で、814人の死亡者を含む12,209人の患者が報告されましたが、これは、全世界の患者数の97.6%、全世界の死亡者数の96.6%を占めています。患者数と死亡者数では、アフリカに次いで、アジアに多く、4ヶ国で149人の患者が報告され、そのうち死亡者は23人でした。アメリカでは、2ヶ国で145人の患者が報告され、そのうち死亡者は6人でした。

○アフリカ

アフリカでは、2005年にペストの発生が増加し、その後、2009年に低下しました。アフリカは、年平均で2,034人の患者発生があり、世界で最も高い発生率でした。コンゴ民主共和国とマダガスカルの2ヶ国は、最も深刻な影響を受けており、両国で、アフリカの患者数の92.3%を占めました。さらに、この2ヶ国が、アフリカで観察された発生の増加の大部分を占めていました。しかし、両国は2009年に年間発生数の相当な減少を記録し、その結果、アフリカでその年に観察された患者数の減少に寄与しました。6.3%という累計死亡率は、この地域では、異常に低かったです。しかし、死亡率は、国の中や国々の間でかなり変動し、コンゴ民主共和国では、アウトブレイクで40%を超える死亡率を報告しました。

コンゴ民主共和国は、2004年から2009年の間に、累計7,811人のペスト患者を報告し、そのうち死亡者は402人(死亡率5.1%)でした。これは、アフリカの年間発生数の64%を占め、全世界での年間発生数の62.5%を占めました。人のペスト症例はすべて、オリエンタル州からの報告でした。累積死亡率は5.1%と低く見えますが、2005年と2006年に、バ・ウエレ(Bas-Uèlè)とイシロ(Isiro)という地区で大きな肺ペストのアウトブレイクがあり、そのときの死亡率は40%を超えました。コンゴ民主共和国でのペストの高い発生率は、1990年代の紛争に関連しており、紛争に伴う保健医療制度の破壊と人々の移動に関連していました。2005年以降に発生が増加しているのは、戦闘時に衰退した後に、報告の改善が行われ、保健医療制度を復活させる努力が進行中であることが起因しているのかもしれません。別の要因として可能性があるのは、オリエンタル州イツリ(Ituri)地区で、自然界でペストが存在している地域の広がりが観察されたことです。しかし、コントロールの方法を改善することは、影響があるようです。2009年は、2001年以降最も低い発生報告数(患者618人、そのうち死亡者27人)であり、アウトブレイクは報告されませんでした。

2004年から2009年の間に、マダガスカルでは、累計3,454人のペスト患者が報告され、そのうち死亡者は364人(死亡率10.5%)でした。マダガスカルにおける、人のペストの発生数は、2004年に98人の死亡者を含む1,214人の患者が報告されてから減少し続けています。2009年では、前の5年間(2004〜2008年)に比べて、報告された患者数と死亡者数は最も低い数(患者数289人、そのうち死亡者数38人)でした。この減少は、アフリカでの全体的な発生数の増加を和らげました。特に、2005年以降に減少がみられ、主に、コンゴ民主共和国での発生数の増加が、アフリカの発生数の増加に起因しました。

2009年、ウガンダでは、死亡者1人を含む26人の散発例が報告され、リビアのトブルク(Tobruk)では、死亡者1人を含む5人の患者が発生したアウトブレイクが報告されました。トブルクは、自然界でペストが存在している地域ですが、25年以上、人でのペストは報告されていませんでした。2007年、ウガンダでは277人の患者、ザンビアでは425人の患者が報告されました。アルジェリアの最近のアウトブレイクは、2003年に起こりましたが、その後、2008年に4人の患者と1人の死亡者が記録されました。タンザニアでは、4年間発生報告がなかった後、2008年に133人の患者が報告されました。

○アメリカ

2004年から2009年までの間、アメリカ大陸では、145人の患者が報告され、そのうち死亡者は6人でした(死亡率4.1%)。この時期における全世界のペスト患者数の1.2%を占めました。発生が報告されたのは、ペルーとアメリカだけです、この2ヶ国は、この期間、毎年発生報告がありました。2009年、ペルーでは、Ascope郡で15人の患者が発生したアウトブレイクが起こりました。ペルーでは、全体で128人の患者が報告され、そのうち死亡者は2人でした(死亡率1.6%)。アメリカでは、全体で27人の患者が報告され、そのうち死亡者は5人でした(死亡率18.5%)。ボリビア、ブラジル、エクアドルは、自然界にペストが存在していることが知られ、以前には患者発生報告のあった国ですが、この期間の発生報告はありませんでした。

○アジア

アジアは、全世界のペスト患者の1.2%を報告しました(患者数は149人、そのうち死亡者数は23人;死亡率は15.4%)。全体として、アジアでは、1999年から2003年の期間に比べて、かなり低下しました。2004年、インドでは、ウッタルカーシー(Uttarkashi)のDangud Village という地域で、腺ペストの局地的なアウトブレイクが報告されました。2007年、インドネシアでは、東ジャワ(East Java)州のパスルアン(Pasuruan)という地域でアウトブレイクが報告されました。パスルアンのアウトブレイクでは、71人の患者が出て、そのうち1人が死亡しました(死亡率1.4%)。中国とモンゴルでは、特に、伝統的に狩猟とマーモット(タルバガンというリス科の齧歯類、別名モンゴルマーモット)を食べる時期に関係した季節である夏と秋に、アウトブレイクが報告されました。2008年、中国の林芝県(チベット自治区)で、肺ペストの死亡者2人が出たアウトブレイクが報告されました。2009年、中国西部の青海省で、3人の死亡者を含む12人の肺ペスト患者のアウトブレイクが報告されました。

○終わりに

示したデータの信頼性は、国のペストのサーベイランス体制や、第一線の医療スタッフの診断能力、検査室の能力によって、かなり変化します。アフリカの常在国の大部分では、また、検体が採取されなかったり、適切に採取されなかったり、検査室が脆弱で処理できなかったりするので、確定診断率が最も低くなっています。ペストの患者を管理するために、関係する分野のスタッフにどの程度の臨床経験があれば、検査室の能力の乏しい状態を補えるのかを推計することは困難です。このことは、流行した国のうち、数ヶ国で報告された死亡率が著しく低いことを説明するかもしれません。

我々の調査結果では、人でのペストの発生は、2005年以降、全体的に増加傾向にあることを示しており、全世界で年間平均2,083人の患者が発生していました。全世界での平均発生数は、1998年以降、大きな変化がないようにみえます。我々は、また、コンゴ民主共和国とマダガスカルでは、人でのペストという負荷が高い状態が続いており、相当数の肺ペストのアウトブレイクが、コンゴ民主共和国のオリエンタル州で起こったことを確認しました。しかし、2009年には、両国ともに、発生数はかなりの低下が報告され、コントロール手段の改善がなされ続けています。特にコンゴ民主共和国では、継続した下降傾向となるかどうか注意されています。

リビアとペルーは、両国とも、長い静寂の後に、人のペストのアウトブレイクを経験しました。これらのアウトブレイクは、2003年のアルジェリアのアウトブレイク同様、長年にわたって発生がなくても再度発生することが知られているので、疾患の報告がない状態が続いている国や地域であっても、人でのペストの発生がないということで安心してはならないことを示しています。人でのペストの発生がないということは、単に、自然界で流行しているペスト菌と人の接触が減ったということを意味するのかもしれません。したがって、ペストの常在地、特にアフリカでは、人のペストを管理するために、サーベイランスを強化し、コントロール手段を改善していく、断固とした努力を続ける必要があります。同時に、すべての地域において、あらかじめ、自然界のペストの存在が静かなうちに、起こりうるアウトブレイクに対応するために、適時に発見してコントロールを行うための十分な能力を整える必要があります。




ペストについてはこちらをご覧下さい:
感染症情報:ペスト


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パンデミック・インフルエンザ(H1N1)−更新

WHO(GAR)  2010年2月5日

○今週の更新情報

2010年1月31日現在、世界中の209以上の国や地域から少なくても15,174人を超える死亡例を含む、パンデミック・インフルエンザH1N1の検査確定症例が報告されています。

WHOは、WHO地域事務局や加盟国との頻繁な協議や、複数のデータのモニタリングを通して、流行の経過を積極的に監視しています。

最新の状況:

北半球の温帯地域では、全体的なパンデミック・インフルエンザの活動性は、2009年10月下旬から11月の間にピークを越えて以降、大部分の地域で低下し続けているか、低いままです。数ヶ所の地域、特に、北アフリカ、東部ヨーロッパと東アジアの限られた地域では、依然として活発な徴候がありますが、感染は下火になっています。

北アフリカでは、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染は、依然として活発で、地理的に広範囲にわたっていますが、全体としての活動性は、2009年12月下旬から2010年1月上旬にピークに達した後、減少しています。2010年1月の間、モロッコでは、パンデミック・ウイルスの分離数でかなりの減少がみられ、エジプトでは、新規患者数でかなりの減少がみられました。西アジアでは、パンデミック・インフルエンザの感染は依然として、広範囲にわたっているが、地域的に広がっていますが、全体的な活動性は低いままでした。

南アジアと東南アジアでは、パンデミック・インフルエンザの感染は依然として活発ですが、地理的な広がりは、局地的か、地域的な広がりです。全体的な呼吸器疾患の活動性の強さは、ほとんどの地域で、低いか中等度であると報告されました。インドでは、インフルエンザの活動性は、国の全域で減少が続いていますが、現在、感染が最も活発に起きているのは西部の州です。インドでは、パンデミックH1N1患者数の全体的なピークは2009年12月中旬で、患者の大部分は北部と西部の州で確認されました。タイでは、全体的なILIの活動性は、依然として低いままですが、中部と北部の数県で、インフルエンザの活動性が局地的に増加したことが観察されました。

東アジアでは、パンデミック・インフルエンザの感染は、全域で、依然として活発で、地理的に広範囲に広がっていますが、全体的な活動性は低下し続けています。日本では、全体的なインフルエンザの活動性は減少し続けていますが、南部の沖縄では、他の地域よりも高い感染が続いています。韓国では、ILIの割合は、活動性の大きな波は2009年11月上旬から中旬にかけてピークに達した後、ベースライン近くまで低下し続けています。モンゴルでは、ILIの活動性は、2009年11月上旬以降、上昇が続いていましたが、ILIの水準は、最近、想定されている季節性の範囲に下がりました。中国の北部・南部では、ILIの割合は、最近の季節性インフルエンザでみられた水準に戻りましたが、検査された呼吸器検体の約30%でインフルエンザが陽性であったことから、インフルエンザウイルスの活発な感染が持続していることが示唆されます。中国で注目すべきこととして、この数週間で、パンデミック・インフルエンザH1N1の流行が低下し続けていますが、それに伴って、季節性のB型インフルエンザウイルスの流行が増加しています(検出されたインフルエンザウイルスのうち、パンデミックH1N1は34%を占め、季節性のB型ウイルスは66%を占めています)。香港でも、2009年9月から10月の早期に活動性がピークに達し、そのピークよりもかなり低い水準にありますが、パンデミック・インフルエンザウイルスの活発な感染が続いています。

ヨーロッパでは、大部分の地域では、全体的な活動性は低いままですが、限られた数ヶ国では、パンデミック・インフルエンザウイルスの感染が依然として活発です。20検体以上の定点呼吸器検体を検査している国のうち、少なくても7ヶ国(アルバニア、ブルガリア、チェコ、グルジア、ギリシア、ルクセンブルク、ルーマニア)では、検体のうち20%を超える検体でインフルエンザ陽性であったと報告されましたが、この7ヶ国すべての国で病気の割合は、早期にみられた活動性のピークよりも、かなり低いままでした。スロバキア、ベラルーシ、ロシアでは、過去2週にわたって、ILI/ARIが少し増加したと報告されました。定点の呼吸器検体のうち、インフルエンザ陽性検体が占める割合は、全体として、2009年11月上旬に45%とピークに達した後、14%に低下しています。

アメリカ大陸では、熱帯地域も、北部の温帯地域も、大部分の地域で、全体的なパンデミック・インフルエンザの活動性は、減少し続けているか、低いままです。中米とカリブ海沿岸諸国では、パンデミック・インフルエンザの感染は持続していますが、大部分の地域では、全体的な活動性は低いか、変化がないままです。

南半球の温帯地域では、パンデミック・インフルエンザの散発例が報告され続けていますが、地域での持続した感染はみられていません。

パンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009ウイルスは、世界中で流行している優勢なウイルスとしてとどまっています。最近、中国で、季節性のB型インフルエンザウイルスの検出割合が増加したことに加え、アフリカ、東アジア、東南アジアの一部で、季節性のH3N2とB型のウイルスが低い水準で流行していており、その他の大陸では、散発的に検出されているだけです。

グローバルインフルエンザサーベイランスネットワーク(GISN)は、パンデミック・インフルエンザウイルスや季節性のインフルエンザウイルス、その他のインフルエンザウイルスを含む、人に感染する、あるいは人に感染する可能性のあるインフルエンザウイルスの世界的な広がりを監視し続けています。 ウイルス学的なサーベイランスと抗ウイルス薬に対する耐性についてのより詳しい情報は、下記のウイルスのサーベイランスデータの更新情報を参照してください。

ウイルスのサーベイランスデータの更新情報

(*):温帯地域とは、北回帰線の北にある、または南回帰線の南にある地域、そして、熱帯地域とは北回帰線と南回帰線の間にある地域と定義します。
(**):略記として、 インフルエンザ様疾患(ILI)、急性呼吸器感染症(ARI)、重症急性呼吸器感染症(SARI) と記載しています。

質的な指標(第29週〜第3週:2009年7月13日〜2010年1月24日

質的な指標としてモニターされている事象:インフルエンザの地理的な広がり、呼吸器疾患の傾向、急性呼吸器疾患の強さ(急性呼吸器疾患患者が人口に占める割合)、パンデミックが医療サービスに及ぼす影響

全世界的調査のために更新されたWHOの暫定ガイダンス
パンデミックの全世界的なモニタリングとサーベイランスの目的と方法については、この暫定ガイダンスを参照してください。

以下のリンク先に示されている地図は、質的な指標を示します。各週、約60ヶ国の情報を示しています。モニタリングは継続中であり、報告は時間が経過するとともに完全なものになると思われます。

質的な指標の定義
質的指標を示した地図

  1. インフルエンザの地理的な広がり
  2. 前週と比較した呼吸器疾患の傾向
  3. 人口における急性呼吸器疾患の強さ
  4. 医療サービスに及ぼす影響

2010年1月31日現在、IHR(国際保健規則)によってWHOに公式報告された、パンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の検査確定診断症例数

感染者が確認された国と、死亡例が確認された国を示した地図

前回の更新情報(1月29日付)から、新たにパンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の確定例が報告された国や地域:モーリタニア、チャド

前回の更新情報(1月29日付)から、新たにパンデミック・インフルエンザ(H1N1)2009の死亡例が報告された国や地域はありません

地域 死亡者数
アフリカ地域事務局(AFRO) 167
アメリカ地域事務局(AMRO) 7261超
東地中海地域事務局(EMRO)  1014
ヨーロッパ地域事務局(EURO) 3605超
東南アジア地域事務局(SEARO) 1474
西太平洋地域事務局(WPRO) 1653
総数 15174超

死亡者の報告数は、多くの死亡者で検査を実施しないか、インフルエンザに関連していると認識されないので、実際の死亡者数を下回ります。



厚生労働省ホームページ:新型インフルエンザ対策関連情報
各国の感染症関連情報について
在アメリカ日本国大使館
在メキシコ日本国大使館


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