|
A.
コンゴ民主共和国の感染症情報
1 感染症の流行状況
コンゴ民主共和国内では、次のような病気がみられます。
食べ物・水から感染する病気 |
虫が媒介する病気 |
その他の疾患 |
○腸チフス、パラチフス |
○マラリア |
○B型肝炎 |
○A型・E型肝炎 |
○黄熱 |
○狂犬病 |
○コレラ、赤痢 |
○ペスト |
○エイズ |
○食中毒 |
○トリパノソーマ症 |
○破傷風 |
○寄生虫疾患 |
○リーシュマニア症 |
|
○ポリオ |
○フィラリア症 |
|
| |
○デング熱 |
|
|
○感染症流行状況
現在、次のような感染症が発生・流行しています。
・エボラ出血熱:エボラ出血熱流行の終息−コンゴ民主共和国(2009年2月18日)
・原因不明:コンゴ民主共和国で原因不明な疾患の流行(2007年8月31日)
・ポリオ:コンゴ民主共和国でポリオ患者の発生-更新(2007年8月22日)
・ポリオ:アンゴラ、コンゴ民主共和国でポリオ患者の発生(2007年7月31日)
・髄膜炎菌性疾患:コンゴ民主共和国で髄膜炎菌性疾患の流行(2007年2月6日)
コンゴ民主共和国は熱帯地域に属しており、国土の3分の1はいわゆるジャングルで熱帯雨林気候にあたり平均気温20℃以上で雨が多く、報告されている風土病のほとんどがこの地域に集中しています。首都キンシャサは熱帯性気候に属しており最高気温30℃、平均気温20℃で湿度は80%と高く、10〜5月が雨季で暑さが激しく、6〜9月がいわゆる乾季にあたり雨はほとんど降りません。
また、マラリア、破傷風、性病、狂犬病、熱帯地方特有の寄生虫疾患も季節にかかわらずに発生しています。特にマラリアはジャングルに限らず都市でも流行しています。ウイルス性出血熱であるエボラ出血熱が、1995年5月、首都キンシャサから300q離れたキクウィトで流行し、244名の死者が出ました。2001年には髄膜炎菌感染症の流行、2000年にはマールブルグ病の流行がWHOから報告されています。
WHOによると、コンゴ民主共和国では、2001年11月にはじまったコレラ流行で、3月14日現在、Katanga州で502名の死亡患者を含む6,601名のコレラ患者が発生しました。
2002年7月に始まったコレラ流行では、Katanga州で、67名の死亡患者を含む2,636名のコレラ患者が発生しました。最も流行が激しかった地域はMalemba
Nkulu, Kabala, Butombe, Songwe, Twite-Mwanzaでした。
また、2002年10月20日現在、Kasai Orientalで41名の死亡患者を含む394名のコレラ患者発生を報告しました。最も流行した地域はMbuji-Mayi市と、Miabi,
Tshilenge, Katende地域でした。
2002年1年間に1,431名の死亡患者を含む23,163名のコレラ患者発生をWHOに報告しました。
また、WHOによると、2002年にはコンゴ民主共和国でインフルエンザが流行しました。
2002年10 月に始まったインフルエンザの流行により、11月22日現在、赤道州Bosoboloでは死亡患者約500名を含む患者4,000名以上が報告されました。また、2002年11月22日までにインフルエンザ様の症状を示す患者が赤道州のDjolu、Bosobolo、Karawa、Genema保健区でも患者が発生しました。予備検査によりインフルエンザウイルスA型が検出されました。
| ◎2002年、全国の空港検疫所でコンゴ民主共和国から帰国した旅行者からの病原菌の検出はありません。また、感染症発生動向調査においてもコンゴ民主共和国で感染した報告はありません。(国立感染症研究所:感染症週報より) |
|
2 コンゴ民主共和国での病気の予防方法
旅行中はどうしても疲れや飲み過ぎ、食べ過ぎで知らない間に抵抗力が落ちて病気にかかりやすくなります。
そこで病気を予防する上で注意したいことを紹介します。
(1)注意したい食べ物
| ◎アイスクリームなど: |
屋台で売っているアイスクリ−ムなどの乳製品は細菌が発育しやすいものが多く入っているため不衛生的な店や温度の管理が悪いところの物は避けてください。 |
| ◎生野菜・果物: |
市場や屋台などで蝿がたかっているようなものは避けてください。赤痢や食中毒、寄生虫の心配があります。果物は自分で皮を剥いて食べるものなら大丈夫です。 |
| ◎生 水・氷: |
都市では水道設備が一応ありますが水質は悪く、病原体や肝炎ウイルスに汚染されていることもあるので絶対に飲まないようにしましょう。煮沸や濾過をした水やミネラルウォ−タ−が安全です。氷も生水から作られていることも忘れずに。 |
|
(2)注意したいこと
| ◎蚊
に 注 意 : |
マラリアを媒介する蚊は夕方から活動しますので外出時には肌を露出しない服装をすること、また、寝る時には蚊帳を張ること。防虫スプレ−や蚊取り線香を忘れずに。マラリア予防薬は副作用の問題もありますが、2週間以上の流行地滞在者には必要かもしれません。
この他、黄熱(予防接種で予防可能)やバンクロフト糸状虫も蚊によって感染するために蚊に刺されないように! |
| ◎裸
足 は 禁 物: |
住血吸虫と呼ばれる寄生虫の幼虫は、水中におり皮膚を食い破って侵入します。同じように破傷風菌は、土の中におり傷口から感染します。感染予防のために、裸足で歩いたり、河川などで水遊びをしないようにすることです。 |
| ◎ハ
エ に 注 意: |
コンゴ民主共和国にはツェツェバエと呼ばれる吸血性のハエがいます。このハエに刺されるとトリパノゾ−マ(原虫:寄生虫の一種)が体内に侵入し、睡眠病(アフリカトリパノゾ-マ症)になってしまいます。この感染症は意識障害を起こし死亡することもありますのでハエに刺されない服装をするか、防虫スプレ−などで防御してください。なお、予防接種はありません。 |
|
3 予防接種
黄熱の常在国に指定されています。1歳以上のすべての入国者に黄熱の予防接種証明書呈示が要求されます。また、地方への旅行や長期滞在の場合には、一般にA型肝炎、破傷風、狂犬病、ポリオなどの予防接種が勧められます。予防接種は、これまでの予防接種歴、滞在期間、旅行形態、出発までの期間でかわりますので、詳しいことはお近くの検疫所に問い合わせてください。
4 マラリア情報
(WHO INTERNATIONAL TRAVEL AND HEALTH 2003)
年間を通して全土に熱帯熱マラリアが存在しています。 マラリアの中でも熱帯熱マラリアは、放置すると重症化したり死に至る熱病です。もし流行地滞在中や、流行地を離れた後4週間以内に38℃以上の熱が出たら、すみやかに医療機関でマラリアの相談をしてください。
マラリアは蚊によって感染する熱病です。防虫剤等で蚊を防ぎましょう。マラリアに有効なワクチンはなく、予防薬を服用する方法があります。副作用に注意が必要ですが、感染リスクが高く適切な治療を受けることができない地域に滞在する場合には、流行地滞在の1週間前から流行地を離れてから4週間まで服用する方法があります。
予防薬としては、メフロキン(Mefloquine) [商品名
メファキン (Mephaquin), ラリアム(Lariam)など、週1回服用]が有効です。日本でも認可されており、医療機関での処方となります。
B.
コンゴ民主共和国の医療情報
1 病気になった時
(1)処置
コンゴ民主共和国(旧ザイ−ル)では、熱帯地域特有の病気や風土病が流行しており、コレラ、赤痢、腸チフス、マラリアをはじめ各種の寄生虫疾患、肝炎など60種を越える感染症や風土病が蔓延しています。
これだけ感染症が蔓延している地域を旅行すると、日本と異なる気候のために体力の低下が引き金となって病気に感染しやすくなります。
日本にない病気もあり、抗生剤の乱用などの素人療法で逆に治療が遅れ、取り返しがつかなくなる危険があります。一時的に日本より持参した市販薬を使用するのは差し支えありませんが、体調に異常がある方は速やかに現地の病院を受診してください。
(2)コンゴ民主共和国(旧ザイ−ル)の医療機関
病院と呼ばれる医療機関は都市にしかありません。その医療機関も絶対に信頼できるものではありませんが、医療技術のレベルはアフリカ諸国のなかでは比較的良い方でしょう。
現地の医師は、フランス人などで日本人医師がいません。国立総合や私立病院もありますがどちらも設備や衛生面に多少不安があるため、簡単な治療、手術であれば問題ありませんが、緊急を要する疾病では応急処置程度を行い、患者の移動が可能であれば南アフリカへ移送します。より大きな手術が必要であればヨ−ロッパ、若しくは日本への移送を行うべきでしょう。
なお、日本と違い健康保険が利用できませんので私立の病院では風邪でも数千円程度請求されることがありますし、重症の場合には近隣の先進国へ移送されるケ−スもありますので、できれば海外旅行傷害保険に加入されることをお勧めします。また、医薬品の購入はおおむね自由に購入できるようです。現地の一般市販の医薬品は、信頼のおける薬局で購入すること、その際には製造年月日や開封されていないことを確かめてください。マラリアの予防薬(ニバキン)の購入は可能です。
日本語で診察を受けることができ、日本人が利用しやすい医療機関は確認できていません。旅行中に病気やケガをした時にはホテルでドクターを呼んでもらって下さい。
在コンゴ民主共和国
(旧ザイ−ル)日本大使館 |
Ambassade du Japon, Building
Citibank 2eme etage, Avenue Colonel Lukusa, Gombe,Kinshasa,
R. D. du Congo.
TEL (871)761214141 |
| 警察・消防・救急 |
連絡先は不明であり、当てにならない場合が多いので、速やかに日本大使館へ連絡のこと。 |
|
2 帰ってからの過ごし方
帰国して最初に受けるのは検疫です。滞在先で下痢、腹痛、発熱など体に異常があれば健康相談室で相談してください。最近では、赤痢やコレラでも軽い症状で済んでしまうことがありますが、感染力は強く、自分で大丈夫と思っていても家族や会社の人に感染することもありますので・・・・。
また、潜伏期間といって感染してから一定期間経たないと発病しない病気(マラリアやウイルス性疾患あるいはアフリカ独特の風土病)が数多くあります。検疫時は何ともなかったのに数日してから症状が出ることがあり、その時(症状が出た時)には速やかに医師の診察を受けましょう。診察を受ける際には、滞在した国と期間、蚊やノミ、ダニなどの虫に刺されていたらそのことや、食べたものについても説明されると診断の役に立ちます。
帰国時に体に異常があればお気軽に検疫所へ相談してください。 |