本文へスキップ
 ホーム予防接種 > 予防接種・健康相談(Q&A) 

新着情報予防接種・健康相談(Q&A)

海外には、日本で発生していない病気が常在している国があります。海外へ行かれる方は、事前に情報を入手し病気から自分を守る準備をしましょう。
福岡検疫所、福岡空港検疫所支所では、予防接種に関する事や海外での健康上のご相談をお受けしています。お気軽にご相談ください。

Q1.海外旅行を予定していますが、予防接種は必要ですか?

Q2.予防接種は1回受ければ大丈夫ですか?

Q3.予防接種の副作用(副反応)にはどんなものがありますか?

Q4.子供を海外に連れて行くときはどんな予防接種を受ければよいですか?

Q5.留学するときはどんな予防接種を受けたらよいですか?

Q6.入国時に予防接種済み証明書を要求する外国はありますか?

Q7.海外旅行するのにどんな準備をしたらよいですか?

Q8.海外にはどんな感染症がありますか?

Q9.海外旅行する時にどんな薬を準備したらよいですか?

Q10.海外の飲料水は大丈夫ですか?

Q11.海外での食事はどんなことに注意したらよいですか?

Q12.マラリアの対策はどうしたらよいですか?

Q13.もし海外で下痢になったらどうしたらよいですか?

Q14.現地で具合が悪くなったときはどうすればよいですか?

Q15.海外で高い山に登る計画をたてていますが、どんな準備が必要ですか?

Q16.帰国してからはどんな注意が必要ですか?






Q1.海外旅行を予定していますが、予防接種は必要ですか?   

A1.入国に際して必要となる予防接種は、主にアフリカや中南米の国々で要求される黄熱だけです。しかし、現地での生活で病気から自分を守るための予防接種や現地の学校や保育園などに入るために必要な予防接種もあります。受ける予防接種の種類は、旅行先や目的、滞在期間、季節などによって違いがあります。

Q2.予防接種は1回受ければ大丈夫ですか?

A2.予防接種の種類や、これまでに接種した予防接種歴によって回数は変わります。一種類のワクチンでも数回(2〜3回)接種する必要のあるものもあります。複数の種類の予防接種を接種する時や同じものでも複数回接種する場合などはかなり時間を要しますので、海外旅行が決まったら体調の良いときに早めに受けることをお勧めします。

Q3.予防接種の副作用(副反応)にはどんなものがありますか?

A3.接種するワクチンによって違いますが、まれに、注射部位の腫れや発赤、痛み、硬結(しこり)、または発疹、発熱、頭痛、倦怠感等をみることがあります。いずれも一過性で2〜3日中にほとんどが回復します。高熱、けいれん、その他症状が異常と思われたときには、速やかに医師の診察を受け、予防接種を受けた検疫所へご連絡ください。

Q4.子供を海外に連れて行くときはどんな予防接種を受ければよいですか?

A4.幼児を海外に同行する場合には、原則として日本で行われている定期予防接種を可能な限り終了させておきましょう。それらの予防接種に加え、年齢、海外渡航先の衛生状態、病気の流行状況、感染した場合の病気の重さなどを考えて任意の予防接種の種類を選択し、接種しましょう。また、長期に先進国に滞在する場合、幼稚園や小学校の入学に際して日本とは全くことなる予防接種が必要となることがあります。詳しくは渡航先国の在日大使館やお近くの検疫所などでおたずねください。

Q5.留学するときはどんな予防接種を受けたらよいですか?

A5.海外で学校に入るためには、仮に日本で完璧に予防接種を済ませていても、留学先の実情に合った追加の接種が必要なことがあります。また、高校や大学へ留学する場合は、現地校指定のワクチンや接種様式を日本の斡旋団体に確認の上、準備しましょう。

Q6.入国時に予防接種済み証明書を要求する外国はありますか?

A6.海外渡航時に接種証明書が必要な予防接種は、現在では黄熱だけです。黄熱ワクチンは、特定の国では入国の際に接種証明書を提示しないと入国できません。主にアフリカや中南米の熱帯地域の国々です。これらの流行国からインドや東南アジアの国へ入国するときには要求されますので、帰国時の乗り換えの時に必要となる場合もあります。黄熱流行地が変わる場合もありますので、詳しくは渡航先国の在日大使館やお近くの検疫所などでおたずねください。

Q7.海外旅行するのにどんな準備をしたらよいですか?

A7.健康で海外旅行をするにために次のような事を準備しましょう。

@旅行が決まったら、渡航先の衛生状態や感染症の発生状況などを調べましょう。

A渡航先での感染症に合わせた予防接種を受けましょう。旅行先の衛生事情や旅行の仕方(パックツアー、冒険旅行など)、自分の年齢、健康状態によって必要な予防接種は異なります。渡航先の情報を集め、予防接種についてよく理解した上で、予防接種の種類を選択しましょう。

B病気に対する正しい予防知識を身につけましょう。

C体調を整えましょう。

D持病がある方は、かかりつけの医師と相談し、必要があれば日程に合わせた薬などを準備してもらいましょう。現地の病院で診察や投薬を受ける際に備えて旅行用英文診断書も準備しましょう。

Q8.海外にはどんな感染症がありますか?

A8.感染症とは、細菌、ウイルス、原虫など各種の微生物や寄生虫によって起きる病気を言います。東南アジア、中南米、アフリカには、風土病と呼ばれるその地域特有の感染症があります。また、感染症には感染する経路から分類すると主に次のようなものがあります。

@食べ物からうつる病気(食中毒、コレラ、赤痢、A型肝炎など)

A昆虫からうつる病気(マラリア、デング熱、黄熱、日本脳炎、ペストなど)

B動物からうつる病気(狂犬病、ラッサ熱など)

Cヒトからうつる病気(AIDS、エボラ出血熱、B型肝炎など)

D皮膚が水や土に接触したときにうつる病気(住血吸虫、破傷風など)

Q9.海外旅行する時にどんな薬を準備したらよいですか?

A9.海外では医薬分業(病院と薬局が分かれている)が進んでおり、病院で診察を受けて処方箋をもらわないと薬を入手できない場合があります。ドラッグストアや薬局などで薬を簡単に購入できる地域もありますが、服用方法が難しかったり、強い副作用があったりするので注意が必要です。短期間であっても、日本で購入した使い慣れた医薬品を携帯するようにしましょう。また、粉薬は通関の際、麻薬と間違われることもありますので、薬品名が印刷されたタイプのものを選びましょう。持病がある人は病院で処方されている常用薬を少し多めに持参しましょう。特に心疾患・高血圧・喘息・糖尿病・慢性腎不全などの慢性疾患をもつ人や粉薬を多く持参される人は、あらかじめ主治医に内服薬を含め、英文で診断書を作成してもらってください。内服薬は国内の商品名ではなく、一般名を記載してもらいましょう。

〈携行薬品の種類〉

内服薬 総合感冒薬、総合胃腸薬、解熱鎮痛剤、消化剤、整腸剤、便秘薬など
外用薬 消毒薬、目薬、湿布、軟膏(湿疹、日焼け止め)、うがい薬、防虫スプレーなど
衛生用品 体温計、救急絆創膏、生理用品、安全ピンなど
医師の処方が必要な薬 抗生物質、入眠剤、精神安定剤、ホルモン剤など
その他 スポーツ飲料の粉末

Q10.海外の飲料水は大丈夫ですか?

A10.日本は、安心して水道水を飲める国ですが、世界的に見て、水道水を安全に飲める国はそう多くはありません。国によっては、水道水の衛生処理が不十分で雑菌などで汚染されている恐れがあります。例えばロシアでは水道水が原因で、しばしばA型肝炎の流行が起こっています。水道水を飲用する場合には、一般的には3〜5分間煮沸しましょう。氷も生水で作られていますので、衛生状態の悪い国では氷入りの飲み物は控えましょう。ヨーロッパやアメリカ、オセアニアの一部の地域、韓国、中国の都市部などではミネラルを多く含む硬水のため、軟水に慣れた日本人は一過性の下痢を起こすことがあります。発展途上国では、現地で製造された水は避け、欧米で製造された製品を求めるようにしましょう。また、ウィスキーの水割りなども菌は死ぬわけではありませんので、くれぐれも注意しましょう。

Q11.海外での食事はどんなことに注意したらよいですか?

A11.無理なスケジュールなどで疲労をためないようにし、暴飲暴食を慎んで体調を整えておくだけでも、かなりの消化器系感染症を防ぐことができます。

@魚介類・肉類:十分に火の通ったものを食べましょう。衛生状態がよい地域でも、日本の夏季のような気候の時には、生ものは避けましょう。調理から時間がたつとそれだけで食中毒を起こす菌が繁殖しやすくなります。特に屋台などでは作りたてを食べるのが原則です。

A野菜:生野菜は避け、加熱したものを食べます。特に熱帯・亜熱帯地域、衛生状態のよくない地域では、注意しましょう。

B乳製品・卵製品:傷みやすいものなので、調理後時間がたっているものは要注意です。衛生状態のよくない国では、アイスクリームやヨーグルトは避けた方がよいでしょう。牛乳は加熱して飲みましょう。

C果物:衛生状態の良くない地域では、自分で皮をむいてすぐに食べましょう。カットした状態で売られている場合は、細菌や原虫で汚染されていることがあるので避けましょう。

Q12.マラリアの対策はどうしたらよいですか?

A12.現在、マラリアの予防接種はありませんので、蚊に刺されないようにすることが第一の予防です。蚊に刺されないようにするには次のような対策をとりましょう。

@衣服の工夫:長袖シャツ、長ズボンの着用。場所によっては昆虫ネットや手袋も用意しましょう。衣類は厚手の木綿製が最適で、やや大きめの明るい色のものが望ましいです。

A行動上の注意:マラリアを媒介する蚊は、夕暮れ時から夜明け前直後までが人を刺す時間帯なので、夕暮れ以降の外出は極力避けましょう。

B昆虫忌避剤の使用:ディート(DEET)入りの昆虫忌避剤を肌の露出部に丁寧にぬります。子供には30%以上の高濃度のディート入りのものは使用しないようにしましょう。また使用前には皮膚の一部に塗ってかぶれがないかどうかを確認しましょう。汗をかいた時は2〜3時間毎に塗りましょう。

C殺虫剤や蚊帳の使用:窓をきちんと閉め、窓に網戸があるなしにかかわらず夜寝るときには蚊帳の使用をお勧めします。そして寝る前に部屋の隅々まで殺虫剤を散布したり、蚊取線香や電子蚊取器なども積極的に使用しましょう。また、マラリア予防薬の内服については副作用を伴うため、渡航先や期間、夕暮れ時以降の野外活動の可能性などを考慮し専門医との相談の上、服用するかどうかを決めることが望まれます。

Q13.もし海外で下痢になったらどうしたらよいですか?

A13.高脂肪の食事が原因であれば、脂肪の少ないメニューに変え、消化酵素剤や整腸剤を服用しましょう。下痢は、体内に入った悪いものを排出しようとする一種の体の防衛反応です。したがって、むやみに下痢止めを飲まないようにしましょう。まず、身体から失われた水分と塩分を補給することが大切です。スポーツ飲料の粉末を持参し、ミネラルウォーターで溶かして飲むか、ジュースや清涼飲料水と塩味のクラッカーをかじることや、コップ1杯の砂糖とひとつまみの塩を入れたものでも効果的です。さらに、腸内細菌を強化する整腸剤などを併用するとよいでしょう。ただし、次のような場合は要注意です。血の混じった下痢、発熱と嘔吐を伴った下痢、白色または水様性の激しい下痢をしたり、ツアーの何人かが同じパターンの下痢になったなどの場合は、すぐに病院に行く必要があります。

Q14.現地で具合が悪くなったときはどうすればよいですか?

A14.出発前に渡航先の医療機関情報を調べておきましょう。緊急時の場合、短期間の旅行なら、ホテルにたずねると病院を教えてもらえます。またツアーで参加している場合は、添乗員が優良病院をリストアップしていますのでたずねてください。長期間の滞在者は、現地の日本大使館や日本人会に問い合わせるなどして情報を集めてください。

Q15.海外で高い山に登る計画をたてていますが、どんな準備が必要ですか?

A15.高山病とは、高度2,000m以上(70歳以上の高齢者は高度1,500m以上)での酸素不足が招くトラブルの総称です。一般の旅行者は登山目的でなければ高山病にならないと錯覚しがちですが2,000m以上であれば、観光目的でも発症する可能性は高いので注意しましょう。

高山病の予防には、

@できるだけゆっくりと高地へ上がっていくこと。

A飛行機で高地に到着した初日は、できるだけ安静にしていること。

B充分な休息と水分補給、それに保温を大切にすることです。

しかし、海抜3,000m以上の空港に着陸する南米ツアーや、自動車などで短時間に高度を上げるときは予防薬の使用も考えましょう。ただし日本では市販薬ではないので旅行医学の専門医師や高山病の知識のある医師に相談しましょう。

Q16.帰国してからはどんな注意がいりますか?

A16.もし、旅行中に感染症にかかると、帰国後に病状が悪くなったり、自覚のないまま周りの人に感染させてしまうかもしれません。旅行中や帰国時、発熱や下痢など体調が悪い時には、入国する空港や港の検疫所の健康相談室へお入りください。検疫所では、帰国時の検疫で健康相談やデング熱・マラリアの検査を無料で行っています。また、感染症にかかってもすぐに症状が現れるとは限りません。帰国後、しばらくたってから熱や下痢などの症状が出る場合もありますので、具合が悪くなったら速やかに医療機関を受診するか、検疫所に相談してください。その際には、必ず旅行先や滞在期間などを医師に申し出てください。

 

    

福岡検疫所

〒812-0031
福岡県福岡市博多区沖浜町8-1

(総務)TEL 092-291-4092
   FAX 092-291-4096
(検疫)TEL 092-291-4101
(食品)TEL 092-271-5873