エボラ出血熱
病原体
エボラウイルス(フィロウイルス科)です。
流行地
ザイール型、スーダン型、コートジボアール型、ブンディブギョ型およびレストン型があり、レストン型はフィリピンのカニクイザル由来でヒトでの病原性はありませんが、それ以外のエボラウイルスはヒトで出血熱を引き起こします。1976年のスーダンおよびコンゴ民主共和国(旧ザイール)での流行が最初です。その後、他のアフリカ諸国にも広がりウガンダ(2000年)、ガボン(2001年)、コンゴ民主共和国(2001年~2003年)、スーダン(2004年)で発生しています。
なお、最新の情報は海外感染症情報をご覧下さい。
感染経路
コウモリや霊長類などが媒介している可能性が指摘されてはいますが、自然界からヒトへの感染経路は依然不明です。感染源になるのは、患者の血液、体液、排泄物、唾液などで、これらとの直接接触および医療機関や家族内での濃厚接触により感染が成立し、空気感染はありません。
潜伏期
2~21日です。
症状
エボラウイルスの血液を介しての感染力は強く、針刺し事故ではほぼ100%の確率で感染が成立します。発症は突発的で、進行の具合は重症インフルエンザに似ています。発熱、筋肉痛、頭痛、咽頭痛にはじまり、おう吐、下痢、出血(吐血、下血)が出現します。致死率は50~90%です。
治療法
特異的な治療法はなく、対症療法が中心となります。
予防等
現地では、コウモリや霊長類といった野生動物との接触は避けましょう。患者の血液、体液、分泌物にウイルスが含まれていますので、医師や看護師など医療従事者は、ガウン、マスク、手袋、ゴーグル、長靴着用などによる接触感染防止策を講ずる必要があります。ワクチンはありません。
2014年4月 更新