結核

流行地

結核菌による慢性感染症です。わが国ではほとんどすべてヒト型結核菌による感染ですが、アフリカではアフリカ菌による感染も相当数みられます。
WHO の推計によると、世界総人口の約1/3にあたる20億人が結核に感染、うち毎年800万人を超える新規結核患者が発生し、200万人もの死亡者を数え、流行は今も世界的に拡大を続けています。
増加するHIV 感染者における結核との重複感染や、高齢者や免疫抑制状態にある者における感染拡大、治療薬剤の多剤耐性獲得などの問題より現在では、結核は「再興感染症」として再び注目すべき疾患となっています。

感染経路

結核患者の咳やくしゃみ由来の飛沫核を直接吸入することにより感染します。

潜伏期

1~2ヶ月程度です。

症状

長引く咳や痰、発熱など非特異的な症状にはじまります。

治療法

治療は化学療法が基本で、治療の脱落と多剤耐性結核を防ぐ直接服薬確認療法が推奨されています。外科治療は慢性膿胸など難治性結核が対象となります。

予防等

BCGは結核に対する生ワクチンです。WHO の予防接種拡大計画(EPI)のワクチンのひとつとして多くの国の子供たちに接種されています。わが国では平成17年4月1日 法改正により生後6ヶ月までに直接接種(ツベルクリン反応は施行せず)することになりました。
特に乳幼児は結核に対する抵抗力が弱く、重症化しやすいので、海外渡航にかかわらず、生後6ヶ月までに必ず接種してください。
欧米先進国ではBCG接種は一般的でなく、就学時や医療機関受診時などに接種済み証明が必要となる場合もあります。成人に対するBCG接種は不要です。