サル痘

流行地

オルソポックスウイルス属サル痘ウイルスによる急性発疹性感染症で、中央・西アフリカの熱帯雨林で散発例がみられます。
ウイルス保有動物(自然宿主)はアフリカ棲息のリス族やげっ歯類で、サルやウサギ、プレーリードックなどに感受性があり、これら動物との接触によりヒトに感染します。アフリカ大陸以外でヒトでのサル痘は報告されていませんでしたが、2003年にアフリカから愛玩用に輸入された齧歯類を介して、サル痘ウイルスが米国テキサス州に持ち込まれ、動物業者で北米原産のプレーリードックに感染し、これをペットとして購入したヒトに感染することにより流行をきたし、計71名の患者発生を見ました。
サルおよびヒトは終末宿主で、ヒトのサル痘での到死率は1~10%程度です。

感染経路

感染動物の皮膚病変(水疱、膿疱、痂皮)との接触によりヒトに感染します。
ヒトからヒトへの感染例も若干報告されています。

潜伏期

7~21日間です。

症状

発熱や発疹、頭痛、悪寒、局所リンパ節腫大をきたし、重症例になると臨床的に天然痘との鑑別が困難になります。

治療法

特異的な治療法はなく、症状に応じた対症療法が中心となります。

予防等

感染初期の種痘はサル痘にも有効と考えられますが、現在種痘は行われていません。
流行地では、感受性のある動物や感染患者との接触を避けることが大切です。