食中毒

概要

食中毒は、自然毒や有害物質、病原性微生物などに汚染された飲食物の喫食により、下痢やおう吐などの急性胃腸症状、発熱、神経症状などをきたす中毒症の総称で、わが国も含め世界中でその発生がみられます。
病原性細菌による食中毒は、病原性細菌が産生する毒素(エンテロトキシン)が直接的に腸管上皮を刺激して下痢が生じる毒素型食中毒と、病原性細菌が腸管上皮に侵入、増殖して消化管に炎症をひきおこすことで下痢が生じる感染型食中毒とに大別されます。毒素型食中毒をひきおこす病原性細菌の産生する毒素は、胃酸に対する抵抗性を示すものや熱に対しても毒素活性を失わないものもあり、じゅうぶん加熱調理された食品でも下痢をおこすことがあります。
年間を通じて食中毒の報告はありますが、梅雨時期などの高温多湿となる時期には最も発生件数が多くみられます。冬期にはカキなどに含まれるノロウイルスによる食中毒もみられます。
食中毒は基本的にはヒト-ヒト感染はみられませんが、O-157などの腸管出血性大腸菌による感染症のようにヒト-ヒト感染をきたすものもあり、注意が必要です。

予防等

基本的にはじゅうぶんに加熱調理された食品以外は食べないようこころがけてください。また、調理された食品はできるだけ早く食べるようにして下さい。
下痢や嘔吐が長く続くような場合もありますので脱水症状にならないよう水分補給をおこなってください。自己判断でむやみに下痢止めなど服用せず、はやめに医療機関を受診することをおすすめします。