南米出血熱

流行地

南米ウイルス出血熱とは、アルゼンチン出血熱(フニンウイルス)、ボリビア出血熱(マチュポウイルス)、ベネズエラ出血熱(グアナリトウイルス)、ブラジル出血熱(サビアウイルス)の総称で、それぞれアレナウイルスに属するウイルスによる出血性熱性疾患です。中南米の特定地域で報告がみられます。

感染経路

流行地に棲息するげっ歯類(ネズミ科 アメリカネズミ亜科のヨルマウス)の唾液や排泄物との接触または排泄物に汚染された食器や食物を介しての感染や汚染された粉塵の吸入、出血熱患者との接触などにより感染が成立します。

潜伏期

数日~数週間にわたります。

症状

潜伏期間ののち発熱、筋肉痛、頭痛、眼窩後痛など非特異的な症状をきたします。また結膜の充血、紅斑、紫斑、全身のリンパ節腫大をきたすこともあります。瀰漫性出血や血管外への漏出性ショックにより突然死することもありますが、中枢神経の障害が死亡の主因となるようです。
臨床症状からでは他の出血熱をきたす疾患との鑑別は不可能です。

治療法

臨床的に有効となる抗ウイルス剤はまだ開発されておりません。
症状に応じた対症療法が中心となりますが、高い死亡率を示すこともあります。

予防等

流行地に立ち入らないことが予防の基本ですが、流行地ではげっ歯類の駆除も含め衛生面には充分注意してください