麻しん

流行地

麻しんウイルスによる急性熱性発疹性感染症で、わが国(年間10~20万人規模の患者発生)をはじめ世界中で発生がみられます。WHOは、2012年までに日本を含む西太平洋地域から、麻しん排除を目標としています。

感染経路

感染症の中で最も感染力の強いもののひとつで、患者の咳やくしゃみによる飛抹・空気感染が主な感染経路で、感染するとほぼすべてに発症が見られます。

潜伏期

10~14日です。

症状

カタル期:2~3日の発熱とともに咳、鼻汁、くしゃみや眼瞼結膜の充血がみられ口腔粘膜に麻しん特有の斑点がみられます。
発疹期:解熱後ふたたび発熱がみられ、耳介後部や頚部、顔面、躯幹、四肢など全身に麻しん特有の発赤がみられます。
回復期:徐々に解熱し発赤も退色、一部色素沈着をのこし7~9日の経過で回復します。

治療法

特異的な治療法はなく、症状に応じた対症療法が中心となります。
麻しん対策は予防接種が基本ですが、アレルギー等による接種不適当者や先天的に免疫異常のある者および免疫抑制状態にある者に対し麻しん発症を防ぐ必要がある場合に、ガンマグロブリン(血液製剤)を投与することもあります。

予防等

平成18年4月1日より麻しんと風しん対策をより一層強化するため、幼児期および就学前にある者を対象に、乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン(MR混合ワクチン)の2回予防接種制度が導入されました。
検疫所では、海外渡航者や未接種者などの希望者を対象に、単独の乾燥弱毒生麻しんワクチンの追加接種をおこなっております。