ロスリバーウイルス感染症

病原体

アルファウイルス属トガウイルス科に属するウイルスです。

流行地

オーストラリア、パプアニューギニア、ソロモン諸島で流行しています。1979年から1980年に、クック諸島、フィジー、ニューカレドニア、サモア、ワリス、およびフチュナを含む太平洋諸国にまで流行は達し、約50,000の症例が生じました。また、バヌアツでも流行していました。
最近の流行では2011年に、オーストラリアで5,099名の患者が発生し、西オーストラリア州、クイーンズランド州で発生が多く見られました。ほとんどの感染が南半球の夏および秋(通常1月から5月)の間に起こります。

感染経路

蚊の刺咬により媒介されます。ヒトからヒトへの感染は見られません。

潜伏期

2~21日間です。

症状

70~90%が症状を伴わない不顕性感染、もしくは軽度な症状を示す程度であり、典型的な症状としては、関節痛、関節腫脹(主に四肢の先端)、倦怠感、筋肉痛、発疹(体幹や四肢)、発熱、頭痛、うつ状態があります。

治療法

特別な治療法はなく、対症療法が中心となります。

予防等

網戸がとりつけられているかエアコンが備わった、また、蚊を駆除している宿泊場所に滞在してください。宿泊場所の網戸設備が十分でない場合は蚊帳(かや)を使用して下さい。蚊取り線香も有効です。長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物は、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書にかかれた使用法を守ってください。
日焼け止めを使う場合は、虫よけ剤を使用する前に日焼け止めをつけてください。子ども、特に乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談下さい。

2014年4月 更新