海外感染症情報 (NO.15)
平成18年2月2日
関西空港検疫所
高病原性鳥インフルエンザの流行状況 (65)
イラク保健省は、国内ではじめてのH5N1型鳥インフルエンザ感染患者を確認した。この患者は、15歳の女児で、重症の呼吸器症状により1月17日に死亡した。この患者の症状はH5N1型鳥インフルエンザの症状と矛盾しないものであった。この患者の世話を行った39歳のおじが1月24日に発症し、重症の呼吸器症状を示し1月27日に死亡した。この2名共、トルコ国境に近い、イラク北部スライマーニーヤー近郊のRaniya町に居住していた。患者の居住地域周辺では、家禽の死亡が最近報告されていたが、H5N1型鳥インフルエンザは未だ国内のほとんどの地域で確認されていない。この女児では病鶏との曝露歴が確認されている。おじの感染源については現在調査中である。イラク保健省は、3例目のヒト呼吸器疾患患者をWHOに報告しており、H5N1型感染の可能性について現在調査中である。この患者は、報告された2名の患者と同じ地域に在住している54歳の女性で、1月18日に入院した。
(平成18年1月30日 WHO情報)