海外感染症情報 (NO.97)
平成18年7月2日
関西空港検疫所
高病原性鳥インフルエンザの流行状況(123)-疫学報告

2003年12月から2006年4月末までに、検査結果に基づき高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)感染患者としてWHOに正式に報告された205名に対する最初の疫学分析の結果が今週のWHO週報に発表された。以下に要約する。

@2005年10月以降、鳥における地理的流行拡大に伴い患者発生国が4カ国から9カ国に増加。
A患者の半数は20歳以下で、患者の90%は40歳以下。
B全体の致死率は56%で全ての年齢域で高い致死率を示しているが、最も高いのは10-39歳。
C致死率を年齢域ごとにみると、従来のインフルエンザ感染患者が高齢者で致死率が高いのとは異なる。
D年次の致死率が最も高かったのは2004年(73%)で、次に2006年(63%)、2005年(43%)。E死亡率と、発症から入院または発症から死亡までの期間の分析によると、病気のパターンはこの3年概ね変化なし。
F患者は年中いつでも発症しているが、この3年北半球では大体冬から春にかけてピークがあり、もしこれが続けば、2006年末から2007年初めにかけて患者が急増する恐れがある。
(平成18年6月30日 WHO情報)