海外感染症情報 (NO.107)
平成19年10月4日
関西空港検疫所
イラクにおけるコレラの流行状況について(4)

コレラの流行は最初に2007年8月14日に
イラク北方のキルクーク州で検出されて以来、イラク18州のうち9州に拡大している。30,000人以上が急性の水様性下痢症状をきたしたと推定され、そのうち3
,315人でコレラ菌(V.cholerae) が 陽性となり、14人が死亡している。致死率が アウトブレイクを通して低いままである事から、時宜にあった適切な治療を受ける事ができたことが分かる。
 コレラは、イラク全土に広がり続け、これまでは流行していない地域にまで広がる可能性が高い。
 流行曲線は、検査で確定された症例の大部分が確認された、キルクーク州(2,309人)とスレイ マニア州(870人)においては今でも上昇を続けている。また、急性水様性下痢の症例の急増がバグダッド近郊のディアラにおいても、報告されている。検査ではまだコレラ菌(V.cholerae)は検出され ていないが、臨床症状はコレラを示唆している。病人の数は、バスラ・バグダッド・ダフク・モスル、そしてチクリットでは安定している。しかし、これまで確認されていなかった、ワシット州で1例が確認された。  

(平成19年10月3日 WHO情報)