海外感染症情報 (NO.109)
平成22年11月1日
関西空港検疫所

オランダでのQ熱の流行状況について


 

オランダ国立公衆衛生・環境研究所によると、同国内でQ熱流行の報告が続いているとのことです。2010年1月1日〜10月6日までに、7例の死亡例を含む482例のヒト感染例が報告されています。これらの報告症例のうち、正確な確定症例数は明らかではありません。全国的に報告がありますが、ほとんどの症例がノールド(北)ブラバント州・ヘルダーラント州・リンブルフ州・ユトレヒト州から報告されています。このことは2007年以降、Q熱の流行が続いていることを示唆しており、2007年は168例、2008年は1000例、2009年は6例の死亡例を含む2357例が報告されていました。

渡航者の方へ:Q熱は通常、感染動物・家畜(主に牛・羊・ヤギなど)からヒトに感染する病気です。潜伏期間は2~5週間で、インフルエンザ様症状・肺炎・肝炎など様々な症状を呈します。抗菌薬で治療可能であり、ほとんどの場合、完全に回復します。Q熱に罹患する危険性は低いですが、オランダを渡航する際には次のことに注意して下さい。@流行地で農場を訪問することや動物との直接接触を避けること。A殺菌された乳製品を摂るようすること。B手を石鹸・水でよく洗うこと(とくに動物接触後)。

(平成22年11月1日 CDC情報)