海外感染症情報 (No.111)
平成22年11月4日
関西空港検疫所

コンゴ共和国でのポリオ流行状況について

 2010114日現在、コンゴ共和国でポリオの大流行が起こっています。120例の急性弛緩性麻痺症例と58例の死亡例が報告されています。第一例目は10月初旬に発生しており、症例の半数はここ10日間で報告されています。2例はポリオ野生株1型によるものと確定しており、引き続き検査が行われています。
 症例の大部分は若年成人です。年齢のデータが得られたのは43症例で、内訳は33例が 1525歳、1例が5歳未満、3例が713歳、5例が2658歳です。
この大流行は輸入ポリオウイルスによるものとされています。コンゴでの最後のポリオ国内発生例は2000年であり、 今回のウイルスの起源を確定する調査が行われています。
 ほぼ全症例が港湾都市Pointe Noireから報告されています。また、Dolisieからは2症例、KayesBouenza BrazzavilleMvouitiからは各々1例が報告されています

 コンゴ政府はWHOやUNICEF、CDCなどの協力の下、民衆に注意を促しています。
 全人口を対象とした1価経口ポリオワクチンを使用した、少なくとも3回のワクチンキャンペーンが予定されています。対象地域や対象者は疫学調査等に基づいて決定されます。

 輸入ポリオウイルスの発見や迅速な対応を行うため、急性弛緩性麻痺のサーベイランスを強化することが大事ですが、ワクチン接種による免疫強化もまた重要視されています。WHOはアンゴラやコンゴへ渡航する際には十分なワクチン接種を推奨しています。
(平成22年11月4日 WHO情報)