海外感染症情報 (NO.19)
平成22年3月26日
関西空港検疫所

アルゼンチンでのセントルイス脳炎の流行状況について

 
  アルゼンチンのWHO担当は、3月19日、同国ブエノスアイレス市でセントルイス脳炎の患者2名が確認されたと報告しました。16名は可能性例で、ブエノスアイレス市とコルドバ州の間で発生しています。一方22名の患者がブエノスアイレス市と6つの州で発生していますが、現在調査中です(疑い例)。
 ブエノスアイレス市では、セントルイス脳炎2例が国立ウイルス疾患研究所で確定診断され、一方4例は可能性例、3例は疑い例です。ブエノスアイレス市およびブエノスアイレス州全体の確定例、可能性例、疑い例患者合計は17名で、その平均年齢は34歳(12-72歳)、男性が全体の79%を占めます。13例がデング熱に似た症状を示し、最初はデング熱疑いとして届け出られました。また6例は髄膜脳炎の症状を呈しました。セントルイス脳炎は2005年からコルドバ州で、また2006年からエントレ・リオス州で出現し始め、単発例がそれぞれの州で発生していました。疾病を予防する手段として、媒介蚊の駆除、患者家族からの検体採取が実施されました。またサーベイランスや発熱患者の能動的患者発見を強化するため、疫学的な警告を発しました。  2009年2月から4月の間に、ブラジル南部のSão Paolo(サン・パウロ)州で11名の死亡者を含む28名の黄熱病感染の確定例が報告された。これらの症例は黄熱病のリスク地域の外にある地方自治体で起こった。その結果、ブラジル保健省はSão Paolo(サン・パウロ)州にちなんで多くの地方自治体を黄熱病のリスク地域に加えた。
(平成22年3月19日 WHO情報)