海外感染症情報 (NO.2)
平成22年1月20日
関西空港検疫所
ギニア共和国における黄熱の流行状況について
 
  2010年1月4日、ギニア共和国保健省は世界保健機関(WHO)に黄熱患者1名届け出た。患者はコートジボワール共和国との国境付近のカンカン州(ギニア東部)マンディアナ県で発生した。コートジボワールでも最近デンゲレ州のMinignan、Madinani両県の県境で黄熱の流行が発生した。
 ギニアでの患者はマンディアナ県ファララコ郡マリキラ村の35歳女性で、2009年11月23日に発熱・黄疸の症状を呈していた。この患者はコートジボワールでの流行時に国境付近の調査で黄熱と診断された。保健省による流行状況の調査ではファララコ・マンディアナ・サラドゥでさらに6名の黄熱と思われる患者が発見された。6名の患者については検査中である。    
 WHOアフリカ地域黄熱病リファレンス研究所であるパスツール研究所(セネガル ダカール)中和試験により黄熱の感染が確認された。特異的検査により(エボラ等の)出血熱は除外された。
 今回の患者の発生を受けて、保健省はマンディアナ県に住む全員を対象に黄熱ワクチンを接種することを決定した。2010年1月の第3週にマンディアナ県の12郡290,292名に対し接種が行われる予定である。ワクチンは黄熱ワクチン国際調整グループが管理する緊急用備蓄を使用する。
 アフリカでは2007年以降ワクチン接種計画を強化しているが、その中ではギニアが特に汚染が著しい国の1つである。マンディアナ県は25県の中でも黄熱の危険が高い地域と考えられている。同県は2008年9月にワクチン接種対象地域に選ばれていたがワクチン供給量に限りがあったことから今まで接種が行われていなかった。2010年の今ようやくワクチン接種が行われる。  
(平成22年1月12日 WHO情報)