海外感染症情報 (NO.27)
平成22年4月6日
関西空港検疫所

チャドでの髄膜炎菌性髄膜炎の流行状況について


 チャド保健省は、14日〜328日の間に、151人の死亡例を含む、1531人の髄膜炎菌性髄膜炎疑い症例を報告しました(致死率:10%)。これまでのところ、7地区(ベビジャ、ベジョンド、ベレ、ドバ、ドノ・マンガ、ゴウンディ、ライ)で流行閾値を超え、他の5地区(ベノエ、ラオカッシ、サール)で警戒レベルになっています。

髄液検査で血清群A67検体で陽性、血清群W-13514検体で陽性でした。これらの結果から、今回の流行は2つの菌が混在している地域と、血清群AまたはW-135のどちらかが有力な地域があることがわかりました(血清型A:ドバとベビジャ、血清型W-135:ゴウンディ、混在:ドノ・マンガ)。

流行性髄膜炎制御ワクチン備蓄国際協調グループは、大規模な予防接種キャンペーン用に、157千回分の3ACWワクチンをドノ・マンガとゴウンディに、282千回分の2価のワクチンをドバとベビジャへ供給しました。これらのワクチンは、ワクチン予防接種世界同盟の協力により準備されました。予防接種キャンペーンはベビジャとドバでほぼ完了し、ドナ・マンガとゴウンディでは近日中に行う予定です。

WHO、ユニセフ、国境なき医師団、赤十字は、チャド保健省とともに、予防接種キャンペーンの実施、患者管理、近隣地区でのサーベイランスなどの緊急感染対策を行っています。

(平成22年4月1日 WHO情報)