海外感染症情報 (NO.30)
平成22年4月13日
関西空港検疫所

コロンビアでの原因不明の消化器症状の流行状況について


 
201043日、コロンビアの国際保健規則国家窓口は、チョコ州バガド市で原因不明の病気が流行しているとWHOに通知しました。
 調査の結果、双子が原因不明で死亡していたことが判明しました。218日に、まず双子の片方がデング熱もしくはレプトスピラ症の診断で入院し、21日に死亡しました。22日に双子のもう片方が発熱、嘔吐、下痢、腹痛、脱水、貧血、白血球増加のため入院し、栄養失調を合併した原因不明の敗血症と診断され、25日に死亡しました。

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3日にチョコ州の保健当局は調査チームを派遣し、子供が死亡した家の半径1kmを調査した結果、58人が過去30日間に発熱があり、そのうちの数人は消化器症状を伴っていたことが判りました。入院した人や重症患者、死者もおらず、症例間の明らかな疫学的関連はありませんでした。他に2つの医療チームが村の近くを調査しましたが、他に死亡者や感染症による影響はありませんでした。バゴダの58症例の血液検体は、すべてデング熱は陰性で、6人の患者でマラリアを疑わせる症状がありましたが、マラリアも陰性でした。

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29日、国立衛生研究所の微生物研究室は58検体の検査結果を報告し、25検体がレストスピラ症陽性もしくは境界陽性で、うち6検体でリケッチアの抗体価が上昇していました。診断の裏付けとこの事象の特徴付けのために、さらなる検体検査とその他の調査行われています。リケッチア感染の可能性があり、原因不明の急性発熱患者に対する抗生剤の予防投与が、医療従事者や地域の病院で推奨されていました。
(平成22年4月7日 WHO IHR情報)