海外感染症情報 (NO.31)
平成22年4月13日
関西空港検疫所

アフリカでの髄膜炎の流行状況について


髄膜炎菌による疾患(主に髄膜炎や流行性髄膜炎と呼ばれている疾患)は、重篤な、時に死に至る細菌性の感染症です。髄膜炎菌による疾患は世界中で発生しているが、サハラ砂漠以南のアフリカにある「髄膜炎ベルト」は、特に流行性髄膜炎のハイリスク地帯です。

髄膜炎ベルトは以下の国にまたがっています:セネガル、ギニア、ガンビア、ギニア・ビサウ、マリ、ブルキナファソ、カメルーン、コートジボアール、ガーナ、ベニン、トーゴ、ナイジェリア、ニジェール、チャド、スーダン、エチオピア、ウガンダ、ケニア、エリトリア。

髄膜炎の流行は、乾季(12月〜6月にかけて)に髄膜炎ベルトの地域で頻繁に起こっています。今年1月には、昨年の同時期と比較して、ブルキナファソとチャドで髄膜炎患者報告の増加がみられました(チャドでの髄膜炎菌性髄膜炎の流行状況については、海外感染症情報No.27を参照)。

旅行者に推奨されること:乾季(12月〜6月)に髄膜炎ベルト地域を旅行する人は、今季流行している病気に対して警戒し、髄膜炎ワクチンの接種をするべきです。予防効果はワクチン接種後710日後に現れますので、可能ならば少なくとも旅行の10日前までにワクチン接種を受けるべきです。

*髄膜炎ワクチンは日本では認可されていませんが、個人輸入で取扱いを行っているトラベルクリニックがあります。
(平成22年4月5日 CDC情報)